「配当金を増やしたのに、なぜか株主が増えない...」
「株主還元を強化しているのに、期待したほど反応がない...」
こんな悩みを抱える上場企業が、最近増えているのをご存知でしょうか？
ベレネッツにもこの問い合わせが増えてきています。
つまり、「配当金増やしたが株主が増えない。ブランディングが必要かも？」というものです。
実は、この現象には深い理由があります。というのも、今の投資家たちは「配当金の額」だけでなく、もっと大切なことを見ているからなのです。
配当金だけではなく現代の投資家が本当に見ているもの
最近、ある製造業の上場企業の例が興味深いヒントを与えてくれます。この会社は業績も安定していて配当も増やしていたものの、なかなか株主が増えない状況が続いていました。
調べてみると、この会社には高い技術力とライバルとの差別化要素と誇れるような実績があったにもかかわらず、それを投資家に効果的に伝えられていなかったのです。つまり、収益を上げることには熱心でも、会社の本当の価値を伝えることには熱心ではなかったのです。
特に近年の投資家たちは、以下のような要素を重視する傾向が強まっています：
- 会社の将来性と成長戦略
- 社会に提供している価値
- 経営の透明性
- 環境や社会への貢献（ESG）
- イノベーションへの取り組み
なぜ配当増だけでは認知度向上には足りないのか？
例えば、こんな場面を想像してみてください。
投資先を探しているとき、A社とB社があって、どちらも同じくらいの配当を出しているとします。
A社は売上高や収益と配当金の説明だけ。
B社は「私たちはこんな技術で、こんな社会課題を解決していきます。ライバルとはこのような点で差別化できています。会社のビジョンはこれで、ミッションはこれです。さらに将来にわたってこんな戦略で成長していきます」と語りかけてくる。
どちらに魅力を感じるでしょうか？
解決のカギは「ストーリー」にあり
投資家の心を動かすのは、実は「ストーリー」なのです。これは多くの成功事例が示している重要なポイントです。
数字やデータも大切ですが、それだけでは人の心は動きません。効果的なコミュニケーションには以下の要素が必要です：
- 会社の強みを分かりやすく伝える
- 技術力や市場での位置づけ
- 他社にない特徴
- 将来の成長戦略
- 投資家との心の距離を縮める
- 経営者の想いや理念
- 社会への貢献
- 従業員の生の声
- 継続的なコミュニケーション
- 定期的な情報発信
- 投資家との対話
- 成長の様子を見える化
上場企業には変化の時代だからこそのチャンス
実は今、多くの企業が「配当増」という単純な施策に頼っているからこそ、本質的な企業価値を伝えるブランディングが効果を発揮するチャンスです。
実際の成功例を見てみると：
- IR説明会の参加者が1.5倍に増加
- 株主からの問い合わせの質が向上
- 機関投資家からの面談依頼が増加
- SNSでの企業情報の拡散が活発化
といった具体的な成果が報告されています。
これからの時代に上場企業に必要なこと
配当金を増やすのは、もちろん大切な施策の一つです。でも、それだけで投資家の心は動きません。
必要なのは、自社の本質的な価値を、投資家の心に響く形で伝えること。それこそが、新しい時代の企業コミュニケーションの要です。
「配当を増やしても株主が増えない」。その悩みは、実は企業価値を見直し、より効果的に伝えるチャンスかもしれません。今こそ、本質的な企業価値を伝えるブランディングに取り組む時なのではないでしょうか。