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効果的なBtoB企業ブランディング

BtoB顧客は企業であっても、判断は中の人。

BtoB取引では、表面上は企業間の取引に見えますが、実際の意思決定は「人」によって行われます。ベレネッツの調査によると、BtoB取引の85%以上で、個人の感情や価値観が最終決定に影響を与えています。

例えば、ある製造業クライアントでは、技術的優位性だけでなく、営業担当者の親身な対応や問題解決能力が、大型契約獲得の決め手となりました。このことから、BtoB企業ブランディングでは、企業の特性だけでなく、そこで働く人々の魅力も効果的に伝える必要があります。

BtoB担当者の意思決定プロセス

BtoB取引では、意思決定が複数の関係者や部門を巻き込む複雑なプロセスとなることが多いです。ベレネッツの分析では、平均して5〜7人の関係者が意思決定に関与し、購買サイクルは3〜12ヶ月に及ぶことがわかっています。

この特徴を踏まえ、効果的なBtoB企業ブランディングでは、以下の要素に注力する必要があります:

a) 長期的な信頼関係の構築

b) 多様な関係者それぞれのニーズへの対応

c) 複雑な意思決定プロセスをサポートする情報提供

例えば、ITサービス業のクライアントでは、技術担当者向け、経営層向け、調達部門向けと、異なるターゲット別にカスタマイズされたコンテンツを用意し、各関係者の関心に合わせた情報提供を行うことで、契約成立率を30%向上させました。

リスク回避志向への戦略的対応

BtoB取引では、担当者の失敗リスク回避志向が強く働きます。ベレネッツの調査によると、BtoB取引の70%以上で、「安全性」と「信頼性」が主要な選定基準となっています。

効果的なBtoB企業ブランディングでは、この心理を理解し、以下のような要素を強調することが重要です:

a) 実績や導入事例の詳細な紹介

b) 業界標準や認証の取得状況

c) アフターサポートの充実度 例えば、建設機械メーカーのクライアントでは、製品の性能だけでなく、24時間体制のサポート体制や、過去10年間の故障率データを前面に出したブランディングを展開。その結果、業界内での「最も信頼できるパートナー」というポジションを確立し、市場シェアを2年で15%拡大しました。

ソリューション提供型ブランディングの重要性

現代のBtoB市場では、単なる製品やサービスの提供ではなく、顧客の課題解決能力が重視されています。ベレネッツの分析によると、BtoB企業の90%以上が「ソリューション提供能力」を重要な差別化要因と認識しています。

効果的なBtoB企業ブランディングでは、以下の点に注力します:

a) 顧客の業界特有の課題に対する深い理解の提示

b) カスタマイズ可能なソリューションの強調

c) 導入後の継続的な価値提供の明確化

例えば、製造業向けソフトウェア企業のクライアントでは、単なる機能紹介ではなく、顧客企業の生産性向上やコスト削減の具体的なシナリオを示すコンテンツマーケティングを展開。その結果、リード獲得数が前年比200%増加し、商談成約率も40%向上しました。

インバウンド・マーケティングの戦略的活用

BtoB市場では、購買担当者の80%以上が、購入決定前に自社でオンラインリサーチを行っているとされています。このトレンドを踏まえ、効果的なBtoB企業ブランディングでは、インバウンド・マーケティングが重要な役割を果たします。

ベレネッツは、以下のようなアプローチを推奨しています:

a) SEO対策を含む、質の高い情報コンテンツの継続的な発信

b) ターゲット顧客の行動パターンに基づいたコンテンツ配置

c) リードナーチャリングを意識した段階的な情報提供

例えば、産業機器メーカーのクライアントでは、業界特化型のホワイトペーパーや技術ウェビナーを定期的に開催。これにより、年間の質の高いリード数が3倍に増加し、営業部門の効率が大幅に向上しました。

戦略的なBtoB企業ブランディングの重要性

BtoB企業ブランディングは、単なる認知度向上ではなく、顧客企業の意思決定者との深い信頼関係構築を目指す戦略的な取り組みです。ベレネッツのアプローチは、人間性を重視しつつ、データに基づいた科学的な手法を組み合わせることで、持続的な事業成長を実現します。

効果的なBtoB企業ブランディングは、長期的な競争優位性の源泉となり、顧客との強固な関係性構築、高い利益率の維持、そして安定的な事業成長をもたらします。経営者の皆様には、自社のBtoB企業ブランディング戦略を見直し、次世代のビジネス成功の基盤を築く機会として捉えていただきたいと思います。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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