「ニッセンは知っているけど、お母さん世代が服を買うカタログ」
通信販売大手のニッセンが、20代以下の消費者に対して行ったアンケートに寄せられた声である。知っているにも関わらず、自分には関係のないもの、と認識されているところが悲しい。
そこで支持層の拡大を目指すニッセンは、あえて現在の購買層ではなく、「ニッセンで衣料品を購入したことのない」世代にスポットをあて、「スタイリングコンテスト」を行った。はじめてニッセンのサービスを利用した若年層からは、「(意外と)かわいい服がたくさんあることがわかった」という嬉しい声が寄せられている。
改めて考えると不思議なことだが、世にあふれているファッション雑誌では、通販ができないのである。モデルと同じ服がほしいと思ったら、実店舗を訪れるか、そのブランドのHPのネットショップを利用(あればの話だが)するしかない。これはたいへんもったいない機会損失ではないだろうか。
通販に強いニッセンが、ファッション誌を好んで買う若い層を取り入れることができたら…現在の「雑誌離れ」や「付録戦国時代」を突き抜けることができるかもしれない。
ニッセンでは、サイズが合わないなどの返品を送料無料で受け付けてくれる。ただしマナーは守って利用したい。今後若い層の支持拡大を狙うなら、よりわかりやすい通販のHOWTOも展開する必要があるのではないだろうか。
ブランド構築の期間の長い企業では、支持層とともにブランドのイメージが固定されながら老朽化していくことがある。
なだ万の「老舗はいつも新しい」のコピーのように、時代と自身を見つめる厳しい目が必要である。