ツイッターを眺めていて思うのが、ツイッター上ではすべての人が平等であるということ。
フォローしている人の数、フォローされている人の数、一日に何度もつぶやく人、
あまりつぶやかない人、コメントを返す人、返さない人、人気のある人、ない人…
確かに立場は違う。それでもタイムライン上に現れる発言に上下関係はない。
100人いれば100人の人がそれぞれ自分の意見を持ち、人生を持っている。
これが実際の社会であればそこにやっかいな「しがらみ」が発生する。
本音を話す機会がなかなか訪れないのが現実の社会だ。
空気を読むこと、同調すること、和を大切にすること、コミュニケーションを大事に
すること、それらは円満な人間関係を築く上でとても大事なことだ。
しかしそこで語られる言葉は「本音」ではないことが多い。
アクセサリーの開発をする場合、知り合いの女性に「このデザインどうかな?」と
聞く。実際にはかわいいと思っていなくても「カワイー!」と歓声をあげてもらえる。
社内の会議でも面と向かって「課長の企画したデザインださいです!」といえる
社員はいるだろうか…?
そんな「しがらみ」から発生した「おせじ」を鵜呑みにして商品開発してしまうと
発売後思ったような売り上げが伸びない…となってしまう。
そんなときに利用したいのが、世の中の人の声。マーケティングには通常、多額の
費用がかかってしまうが、手間さえかけてやれば無料で声を集めることができる。
それがネットであり、ツイッターであり、SNSだ。
ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュータの利用形態を
クラウド(雲)というが、人々のつながりを力としたこの力はクラウド(群れ)
といえる。
匿名といっても、パソコン画面の前に座っているのは生身の人間。
しがらみがない分、本音を聞くことが出来る。
中には厳しい意見もあるかもしれない。しかしそれは貴重な「本音」なのだ。
びっくりするような斬新なアイデアを持っている人もいるし、
開発チームが気づいていなかった欠陥を発見してくれる人もいる。
その人は女子高生かもしれない、科学者かもしれない、外国人かもしれない。
社内のみの開発チームだけでは、出会えなかった人たちだ。
さらに「声」を提供した人は、自分の意見が反映された商品に発売前から愛着を
持ってくれる。発売されているのを見かけたら、自分が育てたもののように嬉しい。
この方法は貴重な「声」を集めることができ、同時に販促もできてしまうのだ。
これを10月27日の日経新聞では「ネットで潜在需要を地道に掘り起こすことでアイキャッチ画像に設定
世の中にない未来からの設計図を手にした」と表現している。
様々な可能性を秘めたクラウド(群れ)。
大企業のような大々的な広告やマーケティングをできない会社でぜひ使いたい。