コラム

「経営理念作ってライバルに勝てるの?」と思っているあなたへ

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「経営理念なんて作っても意味ないよね」
「理念より実績でしょ」
「MVVSSって何の略?」

こんな声、よく聞きます。確かに、経営理念やビジョンを作ったからといって、すぐに業績が上がるわけではありません。でも、ちょっと待ってください。

ちなみに;経営理念におけるMVVSS(ミッション、ビジョン、バリュー、スピリット、スローガン)は、多くの企業がブランディングや企業文化の中核として採用する構成要素のこと

ベレネッツは25年以上企業のブランディングに携わってきましたが、MVVSSなしでブランディングに成功した企業と、しっかりとMVVSS(ミッション・ビジョン・バリュー・スピリット・スローガン)を定義してから取り組んだ企業では、その後の展開に大きな違いが出ることを実感しています。

なぜMVVSSが重要なのか?

たとえば、あるアパレルメーカーの例を見てみましょう。
「製造直販の日本の伝統色を使った肌着が特徴です」
これが最初の自己紹介でした。特徴は分かりますが、「だから何?」と思いませんか?

しかし、MVVSSを設定し直した後の姿はこうです。
「肌着を通して、皮膚疾患の方々の負担を減らしています」

両者の印象の違いに気付きましたか?

MVVSSがあると何が変わる?

1. ブレない一貫性
場当たり的な施策から脱却し、すべての活動が一つの方向を向きます。

2. 強みが見える化
「うちって何が強みだっけ?」という状態から、独自の価値が明確になります。

3. 社員の一体感
「なんのために働いているんだろう」から、目的意識を持って働けるようになります。

4. 顧客からの共感
「ただのサービス提供企業」から、「この会社の考え方に共感できる」という評価に変わります。

逆にMVVSSがないと?

- 施策がバラバラで一貫性がない
- 価格競争に陥りやすい
- 社員の方向性がバラバラ
- 顧客に「選ぶ理由」を示せない

本当の意味は「軸」を作ること

MVVSSは単なる「お飾り」ではありません。それは、会社の「軸」となるものです。この軸があるからこそ、ブレない強さが生まれ、結果としてライバルとの差別化が可能になるのです。

「理念なんて...」と思っているあなた。今一度、自社の軸について考えてみませんか?それが、ライバルに勝つための第一歩になるかもしれません。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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