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大企業でもブランディングやっていない?

「ブランディング」をしていない企業は多い

有名な企業、上場企業でも「ブランディング」を行なっていない企業は非常に多いです。
ロゴデザインを刷新する、社名変更する、タレントを使ったCMをする、というのはブランディングではありません。
特にいわゆるプロに作ってもらったぽいぼんやりコピー/コンセプトをWEBサイトのファーストビューに掲出している会社は要注意です。

特に採用の季節になると、今まで見かけなかったBtoB企業でさえも盛んに社名連呼のCMを猛烈に出稿していますが、本来しっかりやるべき部分の行為を行えず、「とりあえず社名連呼でザイオンス効果(何度も接触効果を図って行くことで好感度を上げる)を狙っている」という感じです。

ロゴリニューアルや、WEBリニューアル、社名変更などがいらない、というわけではありませんが、これらはイメージ戦略の一環であり、真のブランディングとは異なるのです。

あなたの知っている自分の市場で統計をとってみて下さい。
あなたの業界で、ロゴリニューアルや、WEBリニューアル、社名変更、社名連呼のCMを行ったところで、業界ランキングが変わったところはどれくらいありますか?劇的に業績を上げたところはどれくらいありますか?

ブランディングは企業の持っている価値を顧客に感じさせるもの

ブランディングとは、単なるイメージ作りや表面的な変更にとどまらず、企業や製品の本質的な価値(提供価値と言います)を構築し、それを消費者に伝える深いプロセスです。
真のブランディングは、企業や製品が提供する独自の提供価値や体験価値を顧客に深く理解させ、行動に結びつけることにあります。

これは、視覚的なアイデンティティやマーケティング手法を超えた、戦略的な取り組みです。消費者や顧客がそのブランドを選ぶ理由を明確にし、ライバルとの差別化を図ることに重点を置いているのが本当のブランディングです。

例えば、最近多くなってきたSDGsに取り組んでいて環境に優しい製品を提供する企業のブランディング戦略を例に出してみます。
多くの人は、エコフレンドリーな製品を作り、そのPRをすること自体がブランディングだと考えがちですが、実際のところはもっと複雑です。

ブランディングを通して共感・感動を与える

真のブランディングは、その製品がどのように環境に良い影響を与えるのか、そのプロセスの透明性、製品のライフサイクル、再利用可能性など、具体的な環境への配慮を詳細に伝えることにあります。つまり、ターゲット層(必ずしも全国民でなくても良い)が共感・感動などを感じてくれることが重要です。
さらに、顧客がその製品を使うことで得られる体験価値、例えば、使用感、効果の持続時間、廃棄時の環境への影響など、具体的なベネフィット(体験価値)を明確にすることが求められます。

このようなアプローチにより、消費者はそのブランドが単に「エコフレンドリー」というラベルを掲げるのではなく、企業自体の行動自体が環境への深い配慮と行動を行っていることを理解してくれるのです。
これにより、消費者はそのブランドを単なる環境に優しい企業のうちの1社としてではなく、本当に環境への影響を真剣に考え、行動する企業として認識し、競合他社との明確な違いを感じ取ることができます。

また、ブランディングにおける一貫性の重要性も見逃せません。企業のビジョン、ミッション、価値観が、ウェブサイト、広告、製品パッケージ、顧客サービスに至るまで、すべてのコミュニケーションや製品、サービスに反映されるべきです。
例えば、環境に優しい製品を提供する企業が、その製造プロセスやオフィス運営においても同様の環境配慮を実践していることを示すことで、顧客はどの接点でブランドに触れても、一貫した価値観や体験を感じることができます。
これが、ブランドの信頼性と認知度を高め、長期的な顧客ロイヤルティを築く鍵となります。

イメージ戦略ではなく、中長期的な浸透に取り込む

このように、ブランディングは単なるイメージ作りや表面的な変更を超えた、深いレベルの戦略的取り組みです。企業がこの重要性を理解し、それに基づいた行動を取り始めることが、持続可能なビジネスの成功に不可欠であると言えます。

多くの大企業は、イメージ戦略に偏重し、真のブランド価値の構築には目を向けていません。ブランディングは一朝一夕に成し遂げられるものではなく、長期的な視点と戦略的な取り組みが必要です。企業が真のブランディングの重要性を理解し、それに基づいた行動を取り始めることが、今後のビジネスの成功に不可欠であると言えるでしょう。

ブランディングの弱点とは?

ブランディングは、どのような効果が出るのかわからず、経営陣もどのように取り組めば良いかわからないというのが現実です。
ブランディングで見える化された企業・商品・サービスの「価値」が徹底的に「ターゲット層」に「刺さる」ようにイグニッションに火をつける方法が「禁断のブランディング」です。

これは、ターゲット顧客の心理トリガーを引くことで、「あなたの商品・サービス」を「これこそ私が探していたものだ!」「これこそ私の問題を解決してもらえるものだ!」etcのように認知をしてもらえ、その後のマーケティング活動に非常に勢いを持ったまま進んでいくことだできるブランディングの方法です。

禁断のブランディングを詳しく見る

時短で成果を出すブランディングとは?

ブランディングを行いたい思っても、じわじわと効果が出るまで待つことができる企業はどれくらいあるのでしょうか?
確かに顧客の認識を変えたいのだが、加えて業績に好影響がある方が良い。
そのような場合には「時短ブランディング」という考え方があります。

名前の通り時短で「成果を出し」、ブランディングの方法論に乗っ取って実行しているので、中長期的なブランディングが本来持つ効果も併せ持ったものです。

時短ブランディングを詳しく見る

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在は、株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代より、年間150億以上の広告費を運用する経験を持ったが、NCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「今の時代、PUSH的かつマス媒体での戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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