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PBRが低い上場企業のためのブランディング戦略導入のすすめ【PBR改善策】

PBRが1倍を下回る状態が続くのは、上場企業にとって大変辛いことだと思います。株主価値の毀損、資金調達の困難さ、敵対的買収のリスク…。低PBRがもたらす課題は山積みです。

もちろんそのようなことは繰り返し報道でも出ておりますし、東京証券取引所も改善要請を再三出して来ましたから、これを読んでいる方には「わかっている!」と言われそうですが。

でも、そんな企業に朗報があるのです。
実は、ブランディング戦略によってPBRを改善できる可能性があることを知っていましたか?
あなたの企業の持つ(もしくはこれから再構築する)ブランドの力を借りて、企業の無形資産価値を高め、投資家やステークホルダーの理解と信頼を得る。そんなアプローチで、PBRの向上を目指せるのです。

低PBRの改善をブランディングで??
という疑問符がつきそうなのですが、ブランディングが企業価値向上に寄与することは、様々なリサーチで明らかになっています。顧客ロイヤルティの強化、安定収益の確保、優秀な人材の獲得…。ブランドは、企業の競争力を高める頼もしい味方であり、強力な武器なのです。ESG要素(環境問題、社会問題、企業ガバナンス)を取り入れれば、長期的視点を持つ投資家の支持も集められるでしょう。

とはいえ、ブランディングがPBR改善の万能薬というわけではありません。本業の収益力向上や資本効率改善、IR活動などにも、しっかり取り組む必要がありますからです。しかしながら、ブランディングは低PBR企業が抱える課題を解決する、大きな可能性を秘めていることも決定的な事実なのです。

そこで、これより「低PBR企業向けのブランディング戦略」を解説していきます。自社の強みや独自性を存分にアピールし、投資家の共感を得るための具体的な方法をご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。必ずやブランディング戦略が、貴社のPBR改善への足掛かりとなると思います。

低PBR企業の特徴と課題

まず、低PBR企業の皆様が抱える特徴と課題を整理してみましょう。

PBRが1倍を下回る企業は、市場から低い評価を受けています。でも、その理由は様々。例えば、優れた技術力や高いシェアを持つ事業を展開していても、その価値が投資家に伝わっていないのかもしれません。
また例えば、BtoB企業なので、黒子ビジネスであるため、なかなかその提供価値がわかりやすく表に出ていないだけかもしれません。

こうした低評価は、企業経営に深刻な影響を及ぼします。株式市場からの資金調達が難しくなったり、敵対的買収のリスクが高まったり。優秀な人材の獲得・定着も難しくなるでしょう。

でも、ここで重要なのは、多くの問題が「企業価値が適切に評価されていない」ことに起因しているという点です。つまり、皆様の実力を正しく伝え、投資家の理解を深めることができれば、状況は改善するはずなのです。

そして、その切り札となるのが、ブランディング戦略なのです。ブランドの力で、無形資産価値を高め、安定収益を確保し、ESG要素をアピールする。それによって、PBRの改善につなげていく。そんな戦略を、ぜひ皆様にもご検討いただきたいのです。

ここで一つ注意点ですが、ブランディング戦略とは、かっこいいイメージを作って、ロゴを変えて(もしくは社名をカタカナに変えて)、タレントを使ったCMで連呼することではありません。そのような発信をしても、ベレネッツがよく使う「企業の体験価値」は1mmも伝わらないのです。

次は、ブランディングがPBR改善に役立つ理由について、詳しく見ていきましょう。

ブランディング戦略がPBR改善に寄与する理由

ここまででまだあなたは「低いPBRの改善=ブランディング」という考え方にはなっていないと思います。
そこでここからは、ブランディング戦略がなぜPBR改善に寄与するのか、その理由をご説明します。

まず、ブランド価値の向上は、企業の無形資産価値を増大させます。「ベネフィット」と呼ばれるものです。特許や著作権、ノウハウと並ぶ、重要な無形資産としてブランドが機能するのです。ブランド価値が高まれば、企業の時価総額も増加し、PBRの改善につながるという考え方です。

また、ブランドは顧客ロイヤルティを強化し、安定収益の確保に貢献します。強いブランド力があれば、お客様との絆(エンゲージメントと言います)を深め、リピート購買や高い支持を得やすくなるでしょう。それが将来の収益予測を安定させ、企業価値の向上につながるのです。強いブランドであれば、ライバルへのスイッチも抑えられ、また既存顧客からのSNSなどを通じたシェアも起こりますので、全く部外者からも興味・関心を多く掴み取ることができます。

加えて、ESG要素を取り入れたブランディングも、長期的視点を持つ投資家の支持を集める上で有効です。環境に配慮し、社会的責任を果たし、透明性の高い経営を行う企業は、持続可能性や成長性が高いと評価されることはあなたも理解していると思います。

さらに、魅力的なブランドは、優秀な人材を引き付ける求心力を持っています。高い企業イメージは、就職先としての人気を高め、人材獲得競争でも大きな武器になるはずです。
今、日本では売り手市場であり、なかなか良い人材を獲得できないという問題が企業側にあります。しかもすぐに離職してしまう、という状況も珍しくなくなって来ました。
これをベレネッツは「遠心力が働いている企業」と呼んでいます。
遠心力が働けば、中にいる人はどんどん外に飛んでいってしまいます。このような企業はブラックではないにも関わらず遠心力が働いている状況を目の当たりにすると、ブランディング戦略に失敗していると感じざるを得ません。

このように、ブランディング戦略は様々な面でPBR改善に寄与するのです。自社の強みや独自性を生かしたブランドを構築することで、投資家の理解と信頼を得られるのです。

次は、投資家に訴求すべき事業の特徴について考えていきます。

投資家に訴求すべき魅力ある事業の特徴

ブランディング戦略で投資家の理解を深めるには、自社の事業の魅力を存分に伝えることが大切です。特に、以下の3つの特徴は、投資家の心をつかむポイントになるでしょう。

1つ目は、ニッチ市場での高いシェア。規模は小さくても、特定の市場で高いシェアを持つ企業は、高い収益性と安定性を実現しやすいのです。競合が少ないからこそ、価格決定力が高く、安定的なキャッシュフローを生み出せる。こうした企業の投資価値は、見過ごされがちですが、実は大きいのです。

意外にも、自社がグローバルニッチ(顧客層から広く求められているにっち)だったことに気づかない企業は案外あります。

ブランディングを行なって初めて「うちは実は結構なグローバルニッチだったんですね」と言われるような企業です。

2つ目は、専門性の高い事業内容。高度な技術力や独自のノウハウを必要とする事業は、参入障壁が高く、競争優位性を維持しやすい。その専門性こそが、ブランド価値の源泉にもなるのです。他社にはない独自の強みを持つ企業は、投資家から高く評価されるはずです。

ただここも、私たちのようなブランディング専門家から見ると、マニアックな物言いばかりで、一般的な投資家などを相手にしていないような説明に終始している企業は多いです。

営業現場でものを売るときはそこまでのマニアックさは評価されるかもしれないですが、門外漢からは「わかりにくい!」と一蹴されてしまいます。

3つ目は、長期的な成長ポテンシャル。今は規模が小さくても、将来の市場拡大が見込める事業は、大きな成長の可能性を秘めています。新興国の経済発展や、技術革新による新市場の創出など、長期的な成長ドライバーを持つ企業は、投資家の注目を集めるでしょう。

ブランディングでは、ミッション・ビジョンを作りから、ターゲット顧客層から「どのように求められた事業」で「どのように体験価値が評価され続けるのか」をしっかり外に見せていくので、この部分は相当重要です。

皆様の事業にも、こうした特徴があるはずです。それをブランディング戦略の中核に据えて、存分にアピールしていくべきなのです。自社の強みを明確に打ち出し、投資家の共感を得ることで、PBRの改善につなげることができるからです。

でも、魅力的な事業を持っているだけでは十分ではありません。それを投資家に適切に伝えるための、効果的なコミュニケーションが不可欠なのです。次は、投資家の理解を深めるための具体的な取り組みについて探っていきましょう。

投資家の理解を深めるための効果的な取り組み

投資家の皆様に自社の魅力を伝え、PBRを改善するには、効果的なコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーションとは言っても、IRでのロードショーのように経営陣が口頭でプレゼンできるものと、ブランディングツール(WEBサイト、ファクトブック、会社概要、デジタル資料など)を通しての2パターンが存在することを考えなければなりません。

弊社の経験上、話すと上手いのに、アイテムになるとどうも堅いし、訳がわからず、魅力も全く見え失せるという企業は少なからずあります。

ここでは、投資家の理解を深めるための具体的な取り組みをご紹介します。

まずは、事業内容や戦略の分かりやすい説明・解説を心がけましょう。専門性の高い事業は、投資家にとって理解が難しいことも。だからこそ、業界の動向や自社の強み、競争優位性などを、平易な言葉で丁寧に説明することが大切なのです。事業の全体像を示しつつ、個々の事業の位置づけや相乗効果なども、分かりやすく伝える工夫が必要です。

ストーリーテリング(ストーリーを通して納得させる方法)や、インフォグラフィックス(数値や知識やデータなどを視覚的に見やすく表現したもの)も効果的です。

通常の配布資料はもちろん、WEBサイト、ダウンロードできる資料にもインフォグラフィックを存分に使ったり、動画を使ったり、特にはAIアバターにわかりやすく解説させたりしても良いかもしれません。

(余談ですがベレネッツはAIを駆使しており、AI+ブランディングも戦略で提供しております)

次に、長期的な成長ビジョンを示しましょう。投資家は企業の将来性を見極めようとします。だからこそ、中長期的な成長戦略や目標を明確に示すことが重要なのです。市場環境の変化や技術革新の動向を踏まえつつ、自社の強みを活かした成長の道筋を、具体的に示していきましょう。ここで重要なことが、わかる人だけわかればいい、という近視眼的な成長ビジョンです。あなたの会社の事業について外部の人はそこまで詳しいわけではありません。あくまでも外部の人の「体験価値」を上げるような資料づくりをすべきです。

またESG要素と中長期的な企業価値向上の関連性を説明するのも効果的です。ESGへの取り組みは、短期的な収益とは直結しないこともあります。だからこそ、ESGがいかに企業の中長期的な企業価値向上につながるのか、そのロジックを丁寧に示すことが求められるのです。

そして、株主や投資家との双方向コミュニケーションを大切にしましょう。IR活動は、単なる情報発信ではなく、投資家との対話の場。皆様の関心事や懸念点を把握し、それに真摯に応えることで、信頼関係を築いていけるはずです。決算説明会やIRミーティングはもちろん、株主総会や個人投資家向けの説明会なども、うまく活用していきましょう。

このように、投資家とのコミュニケーションを充実させることで、皆様への理解を深め、PBRの改善につなげることができるのです。でも、ブランディング戦略にも限界があることは忘れずに。次は、その限界と留意点について考えていきましょう。

ブランディング戦略の限界と留意点

これまで解説してきたブランディング戦略、低PBR企業にとっては魔法の杖のように思えるかもしれません。でも、万能薬だと思ったら大間違いなのです。

確かに、ブランディングは企業価値向上に役立つ場合があります。でも、PBRにはちょっとした落とし穴があります。PBRは株価と純資産の関係を表す指標なのですが、企業の本当の価値をすべて反映しているわけではないのです。

例えば、特許やノウハウ、優秀な人材など、目に見えない資産の価値はPBRには反映されません。しかも、PBRは業種によってバラつきが大きいので、一律の基準で判断するのは危険です。

それに、ブランディング戦略だけに頼りすぎるのも考え物です。ブランディングはあくまでも企業価値向上の一部を担うものに過ぎません。本業の競争力を高めたり、資本効率を改善したり、株主還元を充実させたりと、他の施策とのバランスが大切なのです。特に、収益力が低迷しているのが低PBRの原因だとしたら、ブランディングだけでは根本的な解決にはならないでしょう。商品やサービスそのものを見直す必要があるかもしれません。

また、バリュー株と呼ばれる低PBR企業には要注意です。単に株価が割安なだけでなく、構造的な問題を抱えている可能性があるのです。こういった企業は、ブランディングを頑張っても投資家から評価されにくいものです。事業の抜本的な見直しや、思い切った構造改革が求められるかもしれません。

というわけで、ブランディング戦略にも限界と注意点があるのです。自社の状況をよく見極め、ブランディングの位置づけを明確にすることが大切です。その上で、他の施策とのバランスを取りながら、総合的に企業価値を高めていくことが肝心です。

さて、ここまでブランディング戦略の意義と限界について考えてきました。次は、実際にブランディング戦略を進めるための具体的なステップを見ていきましょう。

低PBR企業向けブランディング戦略導入のステップ

さてここからは、弊社株式会社ベレネッツがサポートする具体的なステップを一緒に見ていきましょう。

まずは、自社の強みと独自性を見つめ直すことから始めます。ブランディングの第一歩は、自社の競争優位性を正しく理解することなのです。事業の強み、他社にはないオンリーワンの技術やノウハウ、お客様からの高い評価など、自社ならではの魅力を徹底的に洗い出し、見える化していきます。この作業は、社内の様々な部署の知恵を結集して行うのが理想的ですね。ベレネッツのオリジナルのメソッドT.R.U.S.T.理論を活用し、企業全体を検証すれば、包括的にブランド価値を引き出すことができます。

次は、ターゲットを決めましょう。ブランディングは、訴求対象を絞ることで、より効果的になるのです。機関投資家、個人投資家、国内外の投資家など、自社の事業に興味を持ってくれそうな層を特定し、そのニーズや関心事をしっかりと分析することが大切です。ベレネッツは、25年以上700社を超えるブランディング支援の実績を活かして、戦略的なアドバイスをいたします。

そして、ブランドストーリーを作りだしましょう。投資家の心を動かすには、数字の羅列だけでは不十分。自社の歴史、企業文化、事業の社会的意義など、感情に訴えかける要素を盛り込んだストーリーが必要なのです。投資家層のニーズを踏まえ、伝えるべきメッセージを明確にすることが肝心。ベレネッツの「禁断のブランディング」なら、隠れている価値を発見し、印象的なストーリーを創り上げることができます。

同時に、統一感のあるビジュアルアイデンティティを確立しましょう。ブランドイメージを視覚的に訴求するには、ロゴ、カラー、デザインなどの統一が欠かせません。投資家向け資料、ウェブサイト、広告など、あらゆる接点で一貫したビジュアルアイデンティティを展開することで、ブランドの認知度と信頼性を高めることができるのです。ベレネッツのクリエイティブ制作事業なら、ブランドの個性や価値観を体現するデザインを実現できます。

最後に、効果的な情報発信チャネルを選びましょう。せっかくのブランドメッセージも、投資家に届かなければ意味がありません。IR資料、決算説明会、投資家向けイベント、メディア取材など、多様なチャネルを戦略的に活用することが大切。ターゲット投資家層のメディア接触習慣を考慮し、費用対効果の高いチャネルを優先することが賢明です。ベレネッツの「非広告型」マーケティングなら、売り込み感を抑えつつ、自然に投資家を惹きつけることができます。

以上のステップを一つ一つ着実に踏んでいけば、低PBR企業の皆さんも、効果的なブランディング戦略を展開することができるはずです。ただし、忘れないでほしいのは、ブランディングは一朝一夕では成果が出ないということ。長期的な視点を持ち、一貫性のある取り組みを続けることが何より重要なのです。

ベレネッツは、皆さんのブランディング戦略の構築をスタート時点から信頼できるパートナーとして寄り添います。伴走型、先導型、顧問型の3パターンの取り組み方を持っており、企業の状況に合わせた柔軟なアプローチで、着実に成果を生み出していきます。自社の魅力を存分に発信し、投資家の心をつかむ感動のストーリーを、一緒に紡ぎ出し、PBR改善への道のりをベレネッツと共に歩んでいきましょう。

ブランディング戦略についてより詳しく知りたい方は、ぜひベレネッツのウェブサイトをご覧ください。ブランディングへの取り組み方、ブランディング事業の詳細、ベレネッツができることなど、有益な情報が満載です。お問い合わせも心よりお待ちしております。

さあ、皆さん、ベレネッツと一緒にブランディング戦略に乗り出しましょう!きっと、PBRの改善につながるはずです。

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著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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