BtoBブランディングの流れ(基本)

なぜ今、BtoB企業にブランディングが不可欠なのか

BtoBブランディングの流れ

BtoB企業の競争環境は、BtoCに比べて熾烈です。

BtoB企業の皆さん、以下のような課題に直面していませんか?

– 顧客に製品の価値が十分に伝わらない
– 競合他社との差別化が難しい
– 長期的な顧客関係の構築に苦戦している
– 複雑な意思決定プロセスに対応できていない

これらの課題は、BtoBビジネス特有の環境から生まれています。では、その特徴を詳しく見ていきましょう。

BtoB企業が直面する7つの課題

1. 顧客層の限定性

BtoB企業の顧客は特定の業界や職種に限られることが多く、マスマーケティングが効きにくい。

例: 株式会社キーエンス(産業用センサーメーカー)

  • 製品の専門性が高く、一般消費者には馴染みが薄い
  • ターゲットが製造業の技術者や購買担当者に限定される

2. 製品・サービスの複雑性

BtoB製品は技術的に複雑で、その価値を簡潔に伝えるのが難しい。

例: ファナック株式会社(産業用ロボットメーカー)

  • 製品の機能や性能を一般的な言葉で表現するのが困難
  • 技術的な専門用語を使わざるを得ず、幅広い認知を得にくい

3. 長期的な取引関係

BtoB取引は長期的な関係性が重視され、短期的なブランディング効果が見えにくい。

例: 住友商事(総合商社)

  • 取引先との信頼関係構築に長い時間がかかる
  • ブランディングの効果が売上に直結しにくい

4. 意思決定プロセスの複雑さ

BtoB取引では、複数の意思決定者が関与するため、ブランドメッセージの一貫性を保つのが難しい。

例: 富士通(IT・通信機器メーカー)

  • 顧客企業の経営層、IT部門、エンドユーザーなど、多様な層へのアプローチが必要
  • 各層に合わせたブランディングが求められ、一貫性を保つのが困難

5. 製品・サービスの可視性の低さ

BtoB製品は一般消費者の目に触れる機会が少なく、ブランド認知を高めにくい。

例: 日本製鉄(鉄鋼メーカー)

  • 製品が最終製品の一部として使用されるため、エンドユーザーには見えにくい
  • 「素材」のブランド価値を消費者に伝えるのが困難

6. 規制や業界慣行の影響

特に日本では、業界の規制や慣行がブランディング活動を制限することがある。

例: 三菱重工業(重工業メーカー)

  • 防衛産業などでは、セキュリティ上の理由から情報公開が制限される
  • 伝統的な業界慣行により、斬新なブランディング手法の導入が難しい場合がある

7. ROIの測定困難性

BtoBのブランディング効果は数値化しにくく、投資対効果(ROI)の測定が難しい。

例: 東芝(総合電機メーカー)

・長期的な企業価値向上の観点から評価する必要があり、短期的な効果測定が困難
・ブランディング活動が直接的な受注につながったかの因果関係が不明確

このように、日本のBtoB企業における競争環境の厳しさと売上向上の施策の実行の難しさは、顧客層の特殊性、製品・サービスの複雑性、取引の長期性、意思決定プロセスの複雑さ、製品の可視性の低さ、業界特有の規制や慣行、そしてROIの測定困難性など、多岐にわたる要因から生じています。

BtoBブランディングで競争環境を打開する

これらの課題に対して、日本のBtoB企業は以下のような戦略を採っています。

  1. 技術力や専門性を前面に出した情報発信
  2. 業界展示会やセミナーなどを通じた直接的なコミュニケーション
  3. 顧客企業との共同研究や開発プロジェクトを通じたブランド構築
  4. デジタルマーケティングを活用した情報提供と顧客エンゲージメント
  5. 社会貢献活動や環境への取り組みを通じた企業イメージの向上

これらの戦略を効果的に組み合わせることで、BtoB企業も着実にブランド価値を高めていくことが可能です。ただし、BtoC企業と比べると、より長期的な視点と粘り強い取り組みが必要となるでしょう。
そこで出てくるのがBtoBブランディングなのです。

BtoBブランディングの5つのステップ

最初に企業・製品・サービスが持っている「暗黙知」を掘り出し、それらを元に強み・差別化要素を見える化し、最終的に顧客層に認知させるよう浸透策を行う一連の活動がBtoBブランディングと言います。
以下は当社株式会社ベレネッツがBtoBブランディングを行う場合のフローになります。

STEP1:ヒアリング/調査/情報収集

STEP2:差別化要素、強み、暗黙知の掘

STEP3:浸透策・認知度向上策(非広告手法による劇的浸透策実行)

STEP4:戦略的な情報発信

非広告型マーケティングの活用

ベレネッツオリジナルので「非広告型マーケティング」は、従来の広告に頼らずに顧客の信頼と関心を獲得する手法です。BtoB企業にとって特に効果的で、以下のような方法があります。

a) コンテンツマーケティング: 業界に関する有益な情報や専門知識を提供するブログ記事、ホワイトペーパー、eBookなどを作成します。これにより、潜在顧客に価値を提供しながら、自社の専門性をアピールできます。
b) ソーシャルメディアの活用: SNSを活用し、業界のトレンドや自社の取り組みについて定期的に発信します。直接的な営業ではなく、有益な情報提供を心がけることで、フォロワーとの信頼関係を構築します。
c) ウェビナーやオンラインセミナーの開催: 自社の専門分野に関するウェビナーを定期的に開催し、潜在顧客に無料で参加してもらいます。これにより、自社の専門性をアピールしつつ、見込み客とのコンタクトポイントを作ることができます。

デジタルマーケティングの導入

デジタル技術を活用したマーケティング手法は、BtoB企業にとっても不可欠です。以下のような戦略が効果的です。

a) SEO対策: 自社ウェブサイトを最適化し、潜在顧客が関連するキーワードで検索した際に上位表示されるようにします。技術的なSEOと質の高いコンテンツの両方に注力することが重要です。
b) リターゲティング広告: 自社サイトを訪れたユーザーに対して、他のウェブサイトやSNS上で関連広告を表示します。これにより、潜在顧客の記憶に自社ブランドを定着させることができます。
c) メールマーケティング: 見込み客のメールリストを構築し、定期的にニュースレターや有益な情報を送信します。パーソナライズされたコンテンツを提供することで、開封率と反応率を高めることができます。

この他にも非広告型マーケティングで多種多様はBtoBブランディングに効果のあるやり方があります。

<関連ページ>ベレネッツのマーケティング事業は顧客の行動を喚起する「惹き寄せ型」アプローチを提供します。

STEP5:継続的な評価と改善

ブランド浸透度の測定

ブランディング活動の効果を定期的に測定し、評価することが重要です。以下のような指標を用いて測定します。

a) ブランド認知度調査: 定期的に顧客や潜在顧客を対象としたアンケート調査を実施し、自社ブランドの認知度や印象の変化を測定します。
b) ウェブサイトトラフィック分析: Google Analyticsなどのツールを使用して、自社サイトへの訪問者数、滞在時間、ページビュー数などの変化を追跡します。
c) ソーシャルメディアエンゲージメント: フォロワー数、投稿へのリアクション数、シェア数などを定期的に分析し、ソーシャルメディア上での自社ブランドの影響力を評価します。
d) リードジェネレーション指標: 問い合わせ数、資料請求数、商談数などの変化を追跡し、ブランディング活動がビジネス成果にどのように影響しているかを評価します。

フィードバックに基づく戦略の調整

測定結果やフィードバックを基に、ブランディング戦略を継続的に改善していきます。

a) 定期的なレビュー会議: 四半期ごとなど、定期的にブランディング活動の効果を評価する会議を開催します。成功した施策と改善が必要な点を特定し、次の期間の戦略を調整します。
b) 顧客フィードバックの活用: 顧客との直接的なコミュニケーションや、ウェブサイト上のフィードバックフォームなどを通じて得られた意見を分析し、ブランドメッセージや製品・サービスの改善に活かします。
c) 競合分析: 定期的に競合他社のブランディング活動を分析し、業界のトレンドや新たな機会を特定します。自社の強みを活かしつつ、差別化ポイントを常に更新していきます。
d) 柔軟な予算配分: 効果測定の結果に基づいて、より効果的なチャネルや施策に予算を重点的に配分します。ROIの高い活動に注力することで、ブランディング効果を最大化します。

これらの戦略を適切に実行し、継続的に評価・改善することで、BtoB企業は効果的なブランディングを実現し、競争力を高めることができます。重要なのは、長期的な視点を持ちつつ、市場の変化や顧客のニーズに柔軟に対応していくことです。

BtoB企業がベレネッツのブランディングを採用すべき理由

BtoB企業は以下のような困難な環境の中でブランディングを進めていく必要があります。

  1. 顧客層の限定性
  2. 製品・サービスの複雑性
  3. 長期的な取引関係
  4. 意思決定プロセスの複雑さ
  5. 製品・サービスの可視性の低さ
  6. 規制や業界慣行の影響
  7. ROIの測定困難性

これらの課題に対して、ベレネッツのBtoBブランディングアプローチは以下の理由から効果的です。

1. 再現性のあるブランディングメソッド

ベレネッツは独自のT.R.U.S.T.理論を用いて、多様な業界や製品に対応可能な再現性の高いブランディングメソッドを確立しています。これにより、複雑なBtoB製品やサービスの本質的な価値を明確に引き出すことができます。

2. 顧客の「belief(思い込みや認識)」に焦点

時短ブランディング」では、顧客が持つ企業にとってマイナスになる思い込みや誤認識を変えることに重点を置いています。これは特にBtoB分野で重要で、業界の固定観念や慣習を打破し、新たな価値提案を可能にします。

3. 短期間での成果実現

BtoB取引は長期的な関係性が重視されますが、ベレネッツの「時短ブランディング」は短期間で成果が見込めるアプローチを提供します。これにより、ROIの測定が難しいBtoB分野でも、比較的早い段階で効果を実感できます。

4. 非広告型マーケティングの活用

ベレネッツの「非広告型マーケティング」は、売り込み感を抑えつつ顧客を惹きつけるアプローチです。これは、複雑な意思決定プロセスを持つBtoB顧客に対して特に効果的です。

5. 多様な業界での豊富な実績

ベレネッツは25年以上にわたり700社を超える企業のブランディングを支援してきました。この豊富な経験は、様々な業界特有の規制や慣行に対応する上で非常に有益です。

6. 包括的なアプローチ

ブランディングからマーケティング、クリエイティブ制作まで一貫したサービスを提供しています。これにより、BtoB企業の複雑なブランディングニーズに総合的に対応できます。

7. デジタルマーケティングの専門知識

1990年からデジタルマーケティング事業を展開しており、最新のデジタル技術(AIを含む)を活用したマーケティング戦略を提供できます。これは、製品やサービスの可視性が低いBtoB分野で特に重要です。

まとめ

このように、ベレネッツのブランディングアプローチは、BtoB企業が直面する特有の課題に対して効果的なソリューションを提供します。特に、再現性のある方法論、顧客のbeliefに焦点を当てたアプローチ、短期間での成果実現、非広告型マーケティングの活用など、BtoB企業のニーズに合致した特徴を持っています。

また、25年以上にわたる豊富な経験と、ブランディングからマーケティング、クリエイティブ制作まで一貫したサービスを提供できる点も、複雑なBtoB企業のブランディングニーズに応える上で大きな強みとなります。

こうしたアプローチを採用することで、BtoB企業は自社の価値を効果的に伝え、顧客との強い絆を構築し、市場での競争力を高めることができます。BtoB企業でライバルとの熾烈な競争での打開策を探している会社はぜひお問い合わせください。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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