名古屋の市場は特殊?その問題はブランディングで解決できるのか?

名古屋での市場環境が他の地域と異なる理由

当社の創業は1983年。(ベレネッツの本社登記地は名古屋市です)
そこから長い間、名古屋という市場を見てきました。

名古屋は、時々歴史ドラマで取り上げられるように尾張徳川家から続くような「伝統」と、トヨタ自動車やその他の製造企業が牽引する技術的な「革新」が交差するエリアです。

名古屋でのビジネス環境は、その製造業の基盤や歴史的な背景から、特有の市場動向を持っていると言えます。
例えば、自動車産業や、航空宇宙産業(三菱の飛行機産業は解散してしまいましたが)など、技術的に高度な業界が集中していることが、市場の特性に大きな影響を与えています。
これらの産業は、地域経済における大きな役割を果たし、消費者の期待や価値観にも特有の傾向(地元民の名古屋好き)を生み出しています。

このように名古屋の市場は、地理的な位置や経済的な背景に起因する、他の地域とは一線を画す特性を持っています。
例えば、名古屋の消費者は、地元の製品やサービスに対して強い誇りを持ち、その選択はしばしば地域に根ざした価値観や文化に大きく影響を受けます。
名古屋メシだけでは語れないような、地元愛を見せるのが特徴です。

東京の銀座1丁目にある矢場とん、秋葉原にある手羽先山ちゃん、新橋にある味仙のような名古屋メシの代表格に東京で訪問しても名古屋弁が聞こえてくる、という場面に出くわすのです。

街を見渡せば、自家用車ではトヨタ、レクサスが他の地域に比べて多いですし、JRよりも地元の私鉄である名古屋鉄道の方が中心部を通っていたりします。
またBtoB企業でも、相互の結びつきは強く、そのネットワークで問題を解決しようとする/助け合おうとする動きが他地域よりも多く見られます。

逆を返せば、このビジネス環境は、なかなか外部には厳しく、関東圏・関西圏から入ってくる企業に対して名古屋市場、もしくは東海地方の市場深耕に対して難しい課題を提供しています。

つまり、一般の利用者が中心のBtoCばかりではなく、BtoBであっても「名古屋は特殊な市場」であるという認識が必要になります。

そこで名古屋の消費者・企業の行動や期待を理解し、適応するためには、イメージ戦略で企業はただ目立つだけでなく、地元の文化や価値観に根ざしたブランディング戦略が必要なのです。

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名古屋市場でのブランディングの重要性

そもそもブランディングとは、企業が消費者・企業などのターゲット顧客層に、自社の価値(ベネフィット)を認識・理解させるための戦略です。
つまり、普通の努力ではなかなか分かってもらえないあなたの会社自体の魅力・価値・強み・差別化要素などを、ライバルよりも「理解させる」手段になります。

つまり
ブランディング=あなたの会社を顧客に理解してもらう仕組み
ということになります。

名古屋のような独特な市場では、地域に合わせたブランディングが特に重要になります。その理由は、ブランディングをとして、顧客が企業とその提供する製品やサービスが提供する価値(ベネフィット)に共感し、信頼するための基盤を築くことができるからです。

ここまで読んだあなたは「理論上は理解できるけど、ではどうすればいいの?」といった感じではないでしょうか?

ここで重要なことが、ブランディング戦略を担当する会社が地域理解をしているか、ということになります。

それでは、「地域理解をしていれば、ブランディングは成功するか?」という質問であれば、答えはNOです。
なぜなら、名古屋という特殊なマーケットで地域特有の顧客のニーズに対応するのは間違ったやり方だからです。

一般的に良いとされるのは「顧客のニーズに合わせる」というものです。
これは実は間違いです。

顧客が頭の中に浮かべているニーズに合わせている段階で、時代遅れで、さらにライバルと差別化などできるわけありません。
顧客の想像の上をいく価値提供をしなければ、これだけライバル企業が多く戦っている名古屋のマーケットでは気にも留められないのです。

またもう一つの間違いが、デザインを変更することがブランディングだと思ってしまうことです。
会社のイメージを一新しても、顧客にとって重要な価値が見える化されるわけではありません。あくまでも外面を直しただけなのです。

あなたの会社が一番必要なことは、単なるロゴやウェブサイトのリニューアルを超え、潜在顧客層の価値観に深く根ざした、戦略的なアプローチ(つまり相手が反応してしまうような)なのです。
これこそブランディング戦略と呼ぶ行為になります。

ブランディングが成功すれば、あなたの会社が名古屋市場内で独自の立ち位置を確立し(リポジショニング)、競合他社と差別化につながります。

それではあなたの会社(ブランド)を記憶してくれ、顧客が行動喚起するブランディングはどのようにすれば良いのか解説していきます。

独自のブランディング理論T.R.U.S.T.(トラスト)

上述の通り、真のブランディングは、ターゲット顧客の内面に訴えかけるものであり、その訴えかけが功を奏するためには、彼らの経験や感情に深く根ざしたものでなければなりません。
(ただしニーズを満たすことではありません。どちらかといえば、彼らの眠っている感情を呼び起こすようなことです)

顧客が実際に求めているのは、単に美しいデザインや洗練されたロゴではなく、彼らの企業活動や生活において具体的な問題を解決し、価値ある経験を体験できることです。

あなたの会社の商品やサービスが顧客の「悩み」「問題点」「欲求」にどのように答えるか、答えるように見えるか、これこそがブランディングの成功を左右する決定的な要素なのです。

ベレネッツのブランディングは非常に特殊です。
「禁断のブランディング®︎」という一般的なブランディングとは異なるブランディングなのです。
そもそも「禁断の」と書いてあるのも段階で目に留まっている人もいるでしょう。

ブランディングと聞くとイメージづくり、ロゴ・会社名変更などを想像してしまいますが、当社は1点をロックオンしています。
それが「顧客に、しっかりと、正確に、深く、行動喚起するように、そして『感情的に』伝わる」、というものです。

この「禁断のブランディング®︎」のベースとなる要素がベレネッツのオリジナルである”T.R.U.S.T.理論”です。

Trust(信頼する)という名前の通り、この中の5要素をそれぞれ伸ばせば、うまくターゲット顧客に反応し、伝わるようになります。
(弊社の25年700社以上のブランディング経験から導き出された独自理論です)

あなたの会社はこれから解説するT.R.U.S.T.理論の5項目について何点つけられますか?
自己採点してみてください!

Transparency:透明性があるのか?

透明性(Transparency)は、まるで透明なガラスを通して、機械の内部構造をしっかりと見るようなものです。
「企業が透明性を持つ」とは、そのガラス窓を通じて、企業の価値・競争優位性などが外からもはっきりと見える状態を意味します。

この透明性があることで、顧客やステークホルダーや投資家は企業の魅力・価値をしっかりと理解することができます。
例えば、レストランがオープンキッチン形式で、シェフが料理をどのように準備しているかを見ることができるようにしている状態とします。
このレストランにとっての透明性は、来客に対して食材の品質や調理過程の清潔さを保証し、結果として客の信頼を深める役目を果たすわけです。

同じように、企業が自らの製品開発プロセス(もちろん社外秘の部分は見せる必要はないですが)や、独自の価値(ベネフィット)、あるいは社会的責任の取り組みなどを公開することで、顧客はその企業の誠実さ、魅力、社会に対する姿勢をより深く理解し、信頼することができるようになります。

禁断のブランディングにおいて、透明性はTRUST理論を構成する5つのうちの重要な役割の1つです。
企業がただ情報を公開するだけでなく、その情報が顧客にとってどのような意味を持つのか、また、顧客自身の価値観やニーズとどのように連動するのかを明確に伝えるものだからです。

このようにして、透明性は単なる情報公開の枠を越え、顧客との間に深い信頼関係を築く基盤となります。

あなたの会社は外部の人から見て、クリアに見えますか?
これは会社内部で使っている資料がしっかりしている、ということではありません。
あくまでも「顧客目線」で、WEBサイト、ダウンロードできる資料、SNSなど外部からアクセスできる情報だけで全てがクリアに見えるということを表しています。

Remarkability:衝撃があるのか?

衝撃性(Remarkability)とは、人が思わず「おー!」と声をあげてしまうことです。
企業が市場に与える衝撃性とは、常識的な範囲では想像できない、もしくはその業界の常識を越えている体験が顧客に強烈な印象を残し、忘れがたい記憶となるようなインパクトを与えることを意味します。

例えば、スマートフォン市場において、最初に顔認証技術を導入した企業には大きな衝撃を与えました。
この技術は、従来のセキュリティー対策であるパスコードや指紋認証を超える驚きの機能として、顧客に衝撃を提供し、その企業の製品をライバル製品から完全に差別化させました。

禁断のブランディングにおいて、衝撃性はTRUST理論を構成する5つのうちの重要な役割の1つです。
企業が単に市場の常識に沿ったベネフィット提供をするのではなく、顧客の期待を大きく越えるような独創的で革新的なベネフィットを提供することを表すからです。

このような衝撃性は、顧客に深い印象を残し、SNSや口コミを通じて広く共有されることが多く、企業の認知度とブランドイメージの向上に大きく貢献します。
つまり、衝撃性を追求する企業は、市場での話題性を獲得し、競合他社との差別化を図ることができるのです。

このようにして、衝撃性は企業が顧客の心に深く刻まれる独自のブランド体験を創出するための鍵となります。

あなたの会社に「初めての顧客」に対して衝撃を与えるような要素はありますか?
その要素は同業他社でも構いません。
ライバルが「これはやられた!」と白旗を挙げるような要素はありますでしょうか?。

Uniqueness :独自性があるのか?

企業が持つ他の競合他社とは違った立ち位置(ポジショニング)や価値の出し方・感じさせ方などを表すものが独自性です。

禁断のブランディングでは、独自性を見える化することで、企業がライバルと差別化でき、かつ、独自の価値提案で顧客の心をわしづかみにすることができます。

独自性(Uniqueness)は、ある企業やブランドが他とは一線を画す、特有の特長、もしくはライバルとは完全に異なる体験価値を持っていることを指します。
注意点としては、市場に受け入れられない独自性は意味がないということです。
独自性は、企業が提供するものが他とは異なる理由、つまり「そのブランド(会社・商品・サービス)を選ぶべき特別の理由」を顧客に理解させます。

例えば、弊社の顧客に医療器具メーカーがあります。
この会社が製造するのは数多い医療器具の中でもカテーテルのみです。
この部分が、逆にこのカテーテルへのこだわりが独自性を際立たせているのです。

禁断のブランディングにおいて、独自性はTRUST理論を構成する5つのうちの重要な役割の1つです。
独自性があれば、Appleのように、ただたくさんのライバルが存在するPC市場の中に存在する1メーカーではなく、Appleという存在そのものが顧客にとっての価値となるような独自の特徴や提案を追求している姿に反応する人が多いからです。

この独自性という言葉には呪縛があり、過去に弊社にも顧客企業から「独自性は全くないです」「独自性はほぼないです」という回答が一番集まるポイントでした。
ただ、技術革新を通じて業界初の機能を製品に搭載するような独自性でなくても、企業の営業姿勢やSDGsのような社会的責任、もしくは最近流行っているパーパス(企業の社会的使命)を全面に打ち出すことで、企業の独自性を際立たせることもできるのです。
要は、独自性は作れる、ということです。

このような独自性は、顧客がその企業やブランドを選ぶ明確な理由となり、競合他社との差別化を図ることができます。
禁断のブランディングを通じて独自性を強調することで、企業は顧客の心に深く刻まれる独特のブランドイメージを構築し、市場での独自の立ち位置を確立することができます。

独自性は企業がライバルに対して、長期的な競争優位性を築くための重要な要素となります。
あなたの会社に独自性はありますか?

製品・サービスでも良いですし、会社自体の独自性でも良いです。
または営業手法や売り方でも良いです。
ニッチな独自性よりも、広く顧客が反応してくれる独自性が良いのです。

Significance:必然性が存在するか?

必然性(Significance)は、企業が提供する製品やサービスが顧客の生活、ニーズ、または欲求にとってどれほど重要であるか、または不可欠であるかを示します。
また必然性は、顧客がその製品やサービスを選ぶ理由、つまりそれなしでは満足できない特定の欲求を満たすものであることを強調します。

特に顧客が問題や悩み・イライラを抱えていたりするときに、解決のためには手を伸ばさざるを得ない、という状況が必然性になります。

その必然性があれば、あなたの会社はいちいち売り込みをしなくても良いですし、顧客の頭の中で「解決策はあなただ!」という認識を勝手に持ってくれるのです。
(勝手、という言い方は少し強いですが、あなたが働きかけをしなくても顧客側で自己完結してこちらに近寄ってくれるのです)

例えば、企業が補助金を申請したいと考えたとします。
その際には、期限や申請内容、各種書類などが必要になり、ハードルが高いと認識します。
そのような場合、企業が期限までに満足のいく申請をあげるためには専門のコンサルティング会社に助けを求めます。
これが悩みからつながる、つまり行動喚起につながる必然性です。

禁断のブランディングにおいて、必然性はTRUST理論を構成する5つのうちの重要な役割の1つです。
企業が単に市場に製品やサービスを提供するだけでなく、その提供が顧客の深層心理に訴えかけ、彼らの事業活動・生活において重要な役割を果たす理由を明確にするからです。

禁断のブランディングを通じて必然性を強調することで、顧客は「あなたこそ私の解だ」という認識をし、最終的に深いつながりが築け、長期的なロイヤルティーを獲得することができます。

あなたの会社に思わず顧客が動いてしまうような必然性はありますか?
原料価格が上がれば、販売価格は上がります。 それが必然性です。

ある会社がライバルに比べて全く強い特長がない、なんとかライバルと異なる別の強みを打ち出したい、と悩んでいる時に、「競合優位性を見える化するブランディングサービス」があったときに、大部分の会社は飛びつきます。
これが必然性です。

Tale:物語性はあるのか?

物語性(Tale)は、企業のブランドが持つストーリーが顧客をどれだけ魅了し、感情的に惹き込む力を持っているかを示します。

素晴らしいストーリーは人の心を奪い、時には人をうっとり状態にします。 なぜなら、その時人々は自分がまるで物語の一部に加わっているかのような想像をするからです。

また私たちは、昔から物事を楽しむように子供の頃からしつけられており、ストーリー自体が注意をひき、それを聴き終わると満足を得るようになっているのです。

一般的に、人は頭の中に思い浮かべてから行動が起きるため、ストーリーが感情を刺激される場合は、行動喚起に非常に重要な要素になります。

例えば、ハイブランドの商品はなぜ「商品だけ」を宣伝しないのか知っていますか?
それは商品単体で見せるよりも、全体のストーリーの中での商品を見せることによってあたかも顧客がそのシーンの中の一人、という想像をさせる、つまり購入に導く、という仕組みなのです。

禁断のブランディングにおいて、物語性はTRUST理論を構成する5つのうちの重要な役割の1つです。
このアプローチでは、企業が自らの物語を単なる背景情報としてではなく、ブランドの核として顧客に伝えることを目指します。

企業の歴史、文化、価値観を織り交ぜた魅力的な物語は、顧客に感情的な共鳴を呼び起こし、ブランドへの深い愛着や忠誠心を育みます。
このような物語性は、顧客がブランドに対して感じる絆を強化し、企業と顧客の間に感情的なつながりを構築します。

禁断のブランディングを通じて物語性を深めることで、企業は顧客の心に残る、忘れがたいブランド体験を創出することができます。

あなたの会社にはストーリーがありますか?
もしくはストーリーのネタになるような要素はありますか?
何も完成したストーリーでなくても構わないのです。
会社自体・社長のこれまでの歴史や、開発ストーリー、担当者の奮闘記でも良いです。

もしくはあなたの商品がなぜ顧客に支持されるようになったか、というものでも良いです。

そうです。ストーリーは実は簡単に作れるのです。

難しくブランディングを考えるな。顧客に「伝われば」勝ち!

禁断のブランディングにおけるT.R.U.S.T.理論の5要素が適切に伸ばせれば、企業が市場で成功を収めることができ、ライバルを駆逐することができます。
たとえ無名の会社であっても、ライバルよりも人数が少ない会社であっても、万年ランキング3位の会社でも勝てます。

名古屋という特殊な市場であるから、特殊なことをしなければならない、ということはありません。
名古屋を知っている・本社があるブランディング会社である弊社は、この独自のT.R.U.S.T.理論を使った禁断のブランディングで、あなたの会社にとって「当たり前すぎて気づくことができない」価値に光を当て、その顧客が反応する価値に変換していくことができます。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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