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アサヒビール復活劇に見る、CI戦略

投稿日:2011-10-12 更新日:

「CI作成はブランディング・ブランド構築の観点で」の7回目です。前回は、企業と顧客の間においてCIが果たす役割について、お話しましたね。
今回は、そのCIの意義を見事に達成させた、とあるブランドの復活劇をご紹介いたします。

さて、アサヒビール株式会社においては、1980年代前半から中盤にかけて、大きくビール市場でのシェアが落ち込んでいました。
キリン・アサヒ・サッポロ・サントリーという大手4社が競合するこの業界で、1960年まで、アサヒはビール市場占有率2位という業績を残していましたが、それが段々と不振になっていき、1980年代中頃にはほぼ同率4位という状態にまでなっていたのです。

そこで、アサヒはこの危機を乗り越えるべく、新CI戦略を打ち出しました。
その戦略の中で最も重要視されたのが、「マーケティング・リサーチを通しての、アサヒビールの新ポジション確立」です。ロゴやラベルの変更は、その象徴として用いられました。

アサヒはリサーチの結果、「20代を中心とした若年層には従来の重くて苦いビールではなく、口に含んだ瞬間の味わいとキレのよいビールが求められている」という結論を得、「ドライビール」という新機軸をどのブランドよりも先駆けて販売しました。
このビールこそが、今でも続く「アサヒスーパードライ」となったのであり、1998年には発泡酒を除くビールの市場占有率で1位に躍り出るほどの実績を残した、アサヒ快進撃の原動力とも言えるものだったのです。

アサヒのシェア復活の秘訣が、CIを通して企業が顧客と同一性を求めようとしたところにあるのが、分かりますね。

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