コラム

中小企業のブランディング、実はいまがチャンスかもしれない

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中小企業ブランディング

「うちは無名な中小企業だから...」
「うちは人も少ないし、IT系も苦手だし...」

ベレネッツは、ブランディング支援で25年以上、700社以上の企業と関わってきましたが、特にいわゆる中小企業の経営者からはこんな言葉をよく耳にします。確かに、大手企業と比べると、知名度も資金力も人材も不足しているように見えます。

でも、実はそれが強みになる時代が来ているのです。

最近、あるものづくり企業の社長さんから興味深い話を聞きました。「うちは技術には自信があるんです。でも、それをうまく伝えられなくて...」と。
結局、売り上げは既存顧客からがほとんど。新規顧客が全く増えないという状況でした。

実は、この会社で最近取り組んでいるのが、AIを活用したブランディング。驚くことに、たった2ヶ月で業界専門メディアから取材を受けるまでになったんです。

何が変わったのか?

それは、生成AI(ChatGPTやClaudeなど)を活用して、自社の技術的な強みを、業界の課題に結びつけた発信を始めたこと。人手をかけずに、専門性の高い記事やレポートを効率的に作成し、オウンドメディアで発信を続けたんです。

面白いのは、実は大手企業がまだこういったアプローチを本格的に始めていないこと。組織が大きいがゆえの意思決定の遅さが、逆に中小企業にとってのチャンスを生んでいるんです。

特にBtoB領域では、派手な宣伝や豪華なカタログよりも、実践的で役立つ情報発信の方が効果的。そこに、中小企業の専門性とAIの効率性が組み合わさると、思わぬ化学反応が起きるんです。

「でも、AIって難しそう...」

そう思われるかもしれません。でも、実は今のAIツールは驚くほど使いやすくなっています。私たちも日々の業務で、データ分析やコンテンツ作成に活用していますが、以前の10分の1の時間で、より質の高い成果が出せるようになりました。

要は、「中小企業×AI×BtoB」という組み合わせが、今までにない可能性を開いているんです。大手企業のような派手なブランディングじゃなくても、自社の本当の価値を、必要としている人に的確に届けられる。それが、新しい時代のブランディングなんです。

ブランディングって、結局のところ「自社の価値を伝えること」。その手段が、劇的に進化した今、中小企業こそがその恩恵を受けられる立場にいるんです。

「うちは小さいから...」なんて、もう言っていられない時代が来ているのかもしれませんね。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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