日本人が世界初の発明をしたものはたくさんあります。
単に世界で初めて発明しただけでなく、発明後、世界の人々の生活を大きく変えたものがたくさんあるのです。
乾電池が人々の暮らしを変えた
発明後に世界の人々の生活を大きく変えたものの1つに乾電池があります。
それまでは、電池の中の電解液が液体のまま入っている湿電池(ボルタ電池など)が主流で、寒いところだと使えないとか手入れが必要といったことで、電池としての使い勝手がかなり悪かったのですが、 乾電池が発明されたことで、寒いところでも使えて手入れがほとんど必要がなくなり、私たちのくらしはかなり便利に豊かになりました。
今ではさまざまな電気製品に乾電池が使われています。
例えば懐中電灯
例えば携帯ラジオ
例えば置時計
例えばリモコン
例えばガス・石油機器(自動点火用)
例えば電池式おもちゃ
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リチウムイオン電池が実用化されてからは影が少し薄くなったように思われますが、まだまだ使われています。
乾電池は日本人が発明
乾電池は屋井先蔵(やい さきぞう)という人が1887年に世界で初めて発明しました。
新潟県長岡市出身です。
ちょうど同じころに海外でも乾電池が発明されました。 ガスナー(ドイツ)、ヘレセン(デンマーク)といった人たちが1888年に乾電池を発明しています。
ただ、屋井さんは特許をとっていませんでした。このころは貧乏でお金がなかったのです。
このため、万国博で紹介された海外の人が発明した乾電池が、しばらくの間、世界初だと思われていました。
屋井先蔵のその後
屋井さんの乾電池が注目されるようになったのは戦争です。
日清戦争時に、冬の満州地方の極寒の中、陸軍の通信機器用として屋井さんの乾電池が活躍しました。
それまで主流であった湿電池は寒いところでは役に立たなかったのです。
日清戦争以降、屋井さんは乾電池で大事業家になります。
乾電池では日本国内で大きなシェアを得ました。
しかしその後、屋井さんが亡くなってからは会社は発展できず、戦後、残念ながら会社はなくなってしまいました。
参照:日本電池工業会 電池の歴史
http://www.baj.or.jp/knowledge/history01.html
今日はここまでにします。