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Practice Manual
禁断のブランディング実践マニュアル

今すぐできるお問合せフォームの改善

BtoB企業であれば、WEBサイトの成果目標の1つを「お問い合わせ獲得」にすべきです。
お問い合わせ獲得=見込み客リスト獲得になるからです。
もうすでにそれが目標になっているところも多いでしょう。

逆に、このような状態も多く見受けられます。
“お問い合わせが全く来ないにも関わらず、何も手を打っていない。”
“WEBサイトの納品段階から全く問い合わせフォームが変わっていない。”
“昔はお問い合わせが獲得できたが、だんだん下がってきている。”

あなたの会社は上記に当てはまりませんか?
こんな状態になすすべもなく、お問い合わせに来るユーザーが落ちていくのを傍観していませんか?

特にあなたの会社がBtoB企業(企業間取引を中心とした企業)である場合、WEBサイトの右上になんとなく「お問い合わせ」が配置してあって、しかも何のPDCAも回していないという状態ではないですか?

単純にデザインやレイアウトを修正するだけではだめです。
通常、WEB改善ではあまりない禁断のブランディング手法での改善方法を解説します。

Contents
  1. お問い合わせフォーム改善で業績が変わった
  2. お問い合わせフォーム改善21の方法(公式)

お問い合わせフォーム改善で業績が変わった

コンサルティング会社の例

この会社の場合、無料セミナーから、コンサルティング顧客を深耕するタイプの営業活動をしていました。
無料セミナーの動員数を増やさないと、顧客が増えないという形です。
コンサルティング会社の場合、よくあるパターンなのですが、毎回無料セミナー→その場で営業活動→コンサルティング顧客へ、というアクションはカロリーが高いですよね?
この会社はコンサルティング顧客の獲得が遅々として進まなかったのです。

ブランディングで潜在顧客が求める「提供価値」を確定してから、後述の通りのお問い合わせフォーム改善を行いました。

結果的に対前年比で130%を継続的に続ける新規顧客獲得に成功したのです。
コンサルティングは継続的なフィーにつながります。
前年比130%も新規顧客が増えていけば、継続的な収益をもたらすストック(見込み顧客数)は増えていきます。

企業向けマシンの製造メーカーの例

この会社の場合、営業担当者が多くいること、かつ、ITリテラシーが全社に渡って高くないことから、WEBサイトは「制作会社に丸投げ+お知らせのみ更新」というものでした。

会社全体の思い込みとしては、法人営業でも営業するのがなかなか難しい商材が、ネットなどで売れるわけない、というものでした。
もちろんWEB上でBtoB商材をダイレクト販売することは難しいです。
しかしながら、見込み客の獲得=お問い合わせの獲得はできるはずです。

そこで、興味をある潜在的ユーザーをあぶり出すため、お問い合わせフォーム改善を行いました。

結果的に「すぐ売れる」というお問い合わせではないですが、クロージングできる営業担当者がいれば契約出来るような潜在顧客リストが継続的に入ってくるようになりました。

BtoB不動産関連サービスの例

この会社の場合、非常にユニークであるため、認知を高めない限り、そんなサービスがあることに誰も気付かない、というものでした。
そのため、目標はWEBサイトを見てもらったらすぐ「電話での問い合わせ」か「ご相談」となりました。

そこでブランディングで、そのサービスに行き着く前の潜在的需要層の根源的な悩みにあたりをつけコンテンツ化。そのコンテンツを閲覧したユーザー気軽にお問い合わせできるように、お問い合わせフォーム改善を行いました。

結果的に「ユニークなサービス」→「いつまでも気付かれない」、という旧来の流れから、「企業の悩み」→「解決法の検索」→「その会社のユニークなサービスが解と分かる」→「お問い合わせ」という流れを作る事ができました。

たかがお問い合わせフォーム。でも機会損失は莫大。

多くの会社がお問い合わせフォームを「ただ設置しているだけ」という状態です。
BtoB企業の場合、BtoC企業ほどそもそもお問い合わせ対応できる人材も少なく、能動的に獲得したいと思っているところも少ないかもしれません。

弊社の経験でも、「お問い合わせを取った場合、テクニカル的な内容を返答する担当者がすぐにいない」「支店が多数あり、一元的にお問い合わせを受け付けてしまうと社内整理に手間取る」「IT系の担当者がいなくて、WEBサイト自体に前向きに取り組めない」というように、最初は改善に二の足を踏むBtoB企業は多いです。

これは大きな間違いです。
自社サイトに設置してあるお問い合わせフォームを以下のポイントのように改善するだけで絶対に効果が出るのです。
(ちなみに、21のポイントを全部一気に改善するのではなく、いくつかまとめて改善してみて、その成果を計測していく方がよいでしょう。)

お問い合わせフォーム改善21の方法(公式)

01.お問い合わせフォームのボタンの色を変える

コーポレートカラーがブルーだから、送信ボタンもブルーにする必要はありません。例えば赤などの暖色は送信される率が高まります。

人が心理的に反応してしまう色を使うのです。

2.お問い合わせフォーム自体をSSL対応にする

いまだにサイトがSSL対応になっていないフォームも散見されます。
これだけセキュリティに敏感な時代に、SSLになっていないフォームに入力する人は非常に少なくなります。

大手企業の中には社内ガイドラインでSSL非対応のサイトでお問い合わせはしない、と明言してある会社もあります。

3.サンキューページでのさらなるコンテンツの提供

お問い合わせ送信後の「送信完了しました」ページを味気ないものにすることは大変な機会損失です。
送信完了は100%閲覧されるページです。せっかく視聴率100%のページなのですから、事業につながるさらなる提案をしましょう。

4.必須項目を少なくする

入力してもらう項目を必須にして、いろいろ情報を取りたいのは山々ですが、必須項目が多くなればなるほどユーザーは入力しなくなります。BtoBであれば、営業を警戒して情報を入力しなくなります。
必須項目は最小限にしてください。
名前、メルアドくらいでもいいくらいです。
一旦、情報を入れてもらえば、あとはそこからコミュニケーションして情報を取ればいいではないですか?

05.フォームにメルアド2個入れる構造を1個に変える

メルアドを入力すると、必ず下にもう1個「確認用にもう一度入れてください」という項目があります。弊社の経験上、この部分で入力に時間がかかり、離脱する要因になっていることも多いです。
メルアドを2個入れても、結果的にコピペするだけですから、上が間違っていれば、下も間違うのです。

06.お問い合わせフォームのスマホ対応

スマホで見た瞬間、お問い合わせフォームのレイアウトが壊れる、という会社も今時あります。
たまたま悩みや問題を解決したいと思いつくのがパソコンの前にいない時、というのはよくあるパターンです。Google検索→あなたのサイト→お問い合わせフォームになることも多々あります。
BtoB企業でも絶対スマホ対応にすべきです。

また電話お問い合わせに対応できる会社であれば、スマホ画面をクリックすると電話がかかる「電話番号リンク」を作成してください。

07.訪問者の気が散るアイテムを外す(逃げる先をつぶす)

お問い合わせフォームも通常のページと同じデザイン、というサイトは多いです。
つまり、グローバルメニューや、バナーや、フッターなど、訪問者が「逃げてしまう場所」がたくさんある、ということです。

お問い合わせに集中できるよう、完全にシンプルにしなければ、トップページに戻るバナーや、グローバルメニューがあった場合、お問い合わせ内容を記入している途中で何気なくクリックして離脱してしまいます。

08.プラグインでの「お気軽フォーム」を利用するのをやめる

WordPressで構築されているWEBサイトは多くなってきました。Wordpressで便利な機能はプラグインを使う、という会社も多いと思います。プラグインがあれば、プログラム知識がなくてもカンタンにお問い合わせフォームの導入ができます。しかしながら、あなたがこうしたい、と思っても融通が利かず、結果的に今回の改善作業をできない場合が出てきます。

お問い合わせ=見込み客リストの獲得です。
無難な方向、シンプルな方向、コストがかからない方向にいくことはやめましょう。

09.クリアボタン/キャンセルボタンを取る。

10年以上前に絶滅したと思ったのですが、いまだに非常に丁寧なお問い合わせフォームがあります。
つまり「送信」と「クリア」「キャンセル」という2つのボタンが用意してあり、入力をミスしたらもう一度書き直してください、というものです。

せっかく内容を入力をしている人にクリアもキャンセルさせてはいけません。まずは誤字脱字があっても送信させることに集中すべきです。
つまり、クリアボタン/キャンセルボタンは取って、「送信」ボタンだけにしてください。

10.項目数は最低限にする

必須項目を少なくする、という話は上記で行いましたが、そもそも項目数も少なくすべきです。
古くからお問い合わせフォームが設置してある会社のWEBサイトで、

社名
所属部署
氏名
List item
ふりがな
住所
メールアドレス
連絡先電話番号
今回の予算
実行時期
お問い合わせ内容

という、非常に項目数が多いものを見た経験があります。
こんなに項目数多ければ、まずお問い合わせはゼロに近くなります。
当たり前ですよね。営業される感じしかしないのですから。

入力項目数は極力減らしてください。5つ以下に絞るべきです。

11.入力フォームの縦幅はファーストビュー(1000×550px)内に収める

もちろん全てのお問い合わせフォームがファーストビュー(ページ訪問時に一気に見える表示部分)に収まるとは限りませんが、できるだけ全貌を最初に見せることで離脱を防ぎます。
初見の訪問者は警戒をするものです。サクッとお問い合わせできることが一目でわかれば、すぐ実行してくれる可能性は高まります。

12.必須項目は「必須」と明記する

必須を「※」と表記しているサイトは多いです。当然のように印がついているのですが、誰が※を「必須」と決めたのですか?全ての人が共通の理解をしない記号はやめた方がいいです。
つまり、必須であれば、確実に赤文字で「必須」と記載した方が良いということです。

13.アクションボタンは行動喚起を見えるようにする

お問い合わせボタンのことをアクションボタンと言います。
もっと詳しい言い方をするとCTAボタン(Call to Action)と言います。
つまり、行動喚起させる、ということになります。

例えば、ボタンの上にある文言は「送信する」よりも「お問い合わせを送信する」とか「質問する」などどんな行動をすべきかを明示した方が心理的な負担が下がります。

さらにそこに「今すぐ」系の文字が入っていると、すぐクリックしてくれます。
例:今すぐお問い合わせする

14.プライバシーポリシーを明示する

WEBサイトのフッター部分に「個人情報の取り扱いについて」とか「プライバシーポリシー」のリンクがあるサイトは多いです。
ただ、お問い合わせの送信ボタンの近くにプライバシーポリシーがなければ、本当に意味はなしません。
個人情報保護法案の厳しい遵守を求められる今、フォームの送信前にプライバシーポリシーがなければユーザーは不安になるのです。

15.必須項目の背景色を変える

フォーム内の必須項目の重要性はこれまで解説してきました。
これでも発生するのが、必須部分の入力忘れです。
その対策のため、必須という表記だけでは分かりにくい場合、必須の部分だけ背景色を違う色に変えるとユーザーフレンドリーになります。

16.離脱しそうなユーザーはポップアップ表示で引き止める

オンラインショッピングや、広告で遷移したサイトを閉じようとすると「お待ちください!お得な情報があります」というようなポップアップが出てくることがあります。
このポップアップは非常にうっとうしく、結果的にこのような表示をさせないための機能:ポップアップブロッカーが流行る要因となりました。

唯一有効なポップアップが、お問い合わせフォームを閉じようというユーザーに「ブラウザを閉じようとしています!」というアラートを出すことです。
これで、記入途中に閉じてしまうミスをなくすことができます。

17.老眼対策に文字を大きめにする

今やネットで入力するユーザの年齢もまちまちです。さらに、老眼で小さな文字が見にくいというユーザもいます。
入力フォームだけの話ではなくWEBサイト全体の話ではあるのですが、特に入力するフォームの文字や説明が小さい場合は、離脱につながります。
スマホでもPCでも細かい文字は避けましょう。

新聞社のサイトや、官公庁のサイトを見て、同じくらいの大きさにすることがポイントです。

18.自由入力項目を極力減らす

自由にテキストを入れなければならない項目が多ければ多いほどユーザーの負担は上がります。できるだけプルダウンメニューやボタンなどに置き換え最小限のテキスト入力にしましょう。

19.電話番号のハイフンをあってもなくてもOKとする

いちいちハイフンを入れるのはユーザに取って非常に面倒です。ハイフンを必須にしないでください。
0312345678でも03-1234-5678でも0312345678でもエラー表示しないようにしてください。

同様に郵便番号でも一緒です。1040001でもOKという形にしてください。

20.名称自体を変える

単純に「お問い合わせフォーム」という表題を付けるよりも、「何でもご質問ください」というように、最大限の心遣いをもった呼びかけにする。
たったこれだけで、心理的にお問合せするハードルが下がるのです。

21.CAPTCHAボックスをやめる

よく企業側がフォームにスパム防止で、このようなチェックボックスを設けます。
これをCAPTCHAボックスと言います。
このようなチェックを打つものならまだしも、画像のテキストをそのまま入力してください、とか、自転車をクリックしてください、とか非常に面倒なものは、ユーザの離脱要因になります。

お問い合わせフォームだけで考えると、テクニカル的な面ばかり考えてしまいますが、実際は心理的なテクニックを使わないと成功しません。
顧客体験を最大限に上げる、という目標のもと、もう一度お問い合わせフォームを作り替えるのはどうでしょうか?
弊社では顧客の中でお問い合わせ量が10倍、20倍になったというBtoB企業も多くありますし、今までデジタルマーケティングをやったことがない老舗企業でも、今では欠かせないゴールになっています。

さて、今回はBtoB企業でも効果的なお問い合わせフォーム30の改善方法をお話ししました。
もしGoogleアナリティクスを導入されていれば、あなたの会社のお問い合わせフォームでは、実に多くの潜在顧客が行き着き、実に多くの顧客が離脱していることが分かるでしょう。
新規営業先を探す前に、まずは目先の機会損失解消=お問い合わせフォームの改善から始めてみてはいかがですか?

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在は、株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代より、年間150億以上の広告費を運用する経験を持ったが、NCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「今の時代、PUSH的かつマス媒体での戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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