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ライバルとの差別化戦略をカンタン解説!

差別化をライバルの商品やサービスに対して実行したい、または”差別化ポイント”を顧客に理解させたいですか?

実際のところ、差別化戦略を成功に導く秘訣は存在します。そして、その秘訣を活用することで、あなたの会社でも差別化戦略に取り組むことが可能なのです。

他社と差別化は皆さんの悩み

差別化戦略

弊社、ベレネッツにおいて増加しているお問い合わせは、「自社の商品やサービスが差別化要素を持っていると思っていたが、顧客がその差別化ポイントに気づいてくれなかった。だからブランディングして差別化したい!」というものです。

自分たちで行なっているサービスや販売している商品には自信を持ちますよね?

でもその自信は過信で、案外顧客側から見れば「ライバルと何が違うの!!」と疑問に思われていることも多々あります。(でも企業側は気づかず、自信満々状態)

このほかにはお問合せ時の悩みで多いものが

・どうすれば他社と差別化できるのか?(会社ブランドの問題)

・どうすればライバルの製品・サービスと差別できていることに気づかせることができるのか?(製品・サービスブランドの問題)

・どうすれば同じようなサービスの中、他社の製品・サービスと差別化できるのか?(商品開発時のブランド構築の問題)

・自社のWEBサイトでどのように独自性を発信すればよいか分からない(マーケティング戦略の問題)

という4つです。

ここで、まずあなたの会社がすべきことは「結果的に差別化できない根本的な原因」が何かを見つけることです。

この原因を見つける際には、弊社の経験上、異なる選択肢が2つ存在します。

差別化できない2つの根本的な原因

① 非常にすばらしい差別化戦略なのに、顧客が気づいてくれないことが原因

② そもそも差別化のポイントがイマイチ、もしくは差別化ポイントがない

①の場合の解決法は「差別化戦略をどのようにその先にターゲット層に認知させるのか」という差別化を認知させるマーケティング戦略になります。

②の場合の解決法は「ターゲットに適合する差別化のポイントを見える化する」というブランディング戦略になります。

あなたの会社はどちらでしょうか?

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問題の原因判明後の戦略ノウハウ

自由な社会・市場で事業をしている私達は、常にライバルの他社と戦わざるを得ないですし、同じマーケットに多数のニーズを満たす商品やサービスを展開する競合他社が存在する場合が多いです。

言い換えれば、企業が成功するためには、差別化戦略が経営戦略として不可欠なのです。

もし差別化ができていない状態が続けば、他社との違いがなくなり、販売する際に競合他社よりも高い価格を提示することが難しくなってしまうでしょう。

(当社の顧客で、製造メーカーは、せっかく差別化要素がありながらうまく認知させることができず、結果的に価格競争に陥ってしまっている例がありました。最終的にはブランディングでひっくり返して、価格提示をする前段階で、顧客から引き合いがくるような会社に生まれ変わりました)

つまり競争優位性が「価格でしか出せない」という一番いけないパターンになります。

また、自分たちが他社と何が違うのかを顧客に具体的に示さなければ、顧客が自分たちから買う理由はほとんどなくなります。

差別化戦略の目的であり、今回あなたが解決しないといけない課題は、競合他社との差別化を図り、価格競争に陥らず、「ライバルとは違う」提供価値で選んでもらえる状態を実現することです。

大切な視点なのでもう一度言います。

差別化戦略が功を奏せば、極端な話、あなたの会社は他社よりも高額で顧客に販売できるようになるのです!

その理想的な状態を実現するためには、「差別化戦略」の採用と活用が鍵となります。

ヒアリングを受けてみる

Googleでもものすごく多く検索されているように、用語としての「差別化」は非常に分かりやすい言葉です。

つまり、企業だろうが、個人事業主だろうが、お店だろうが「差別化したい」のです。

ところがつい我流でやってしまい、全く効果も出ず、元の価格競争に逆戻りしてしまっている会社も多くあります。(弊社の経験では、上場企業でもそうです)

さて、ここから差別化戦略についてより詳しく説明していきましょう。

間違った差別化していませんか?

ポジショニング

ここから、あなたの会社の差別化の悩みを解決する手がかりをお伝えします。

まず、このページを読んでいるあなたは、自分の会社の他社との差別化に頭を悩ませていることと思います。

ひょっとしたら、先ほど書いたように「うちには素晴らしい差別化要素があるのに、顧客に伝わっていない」とお感じかもしれません。

あるいは、「そもそもどうすれば他社と差別化できるのか分からない」と五里霧中状態に陥っているかもしれません。

でもご安心ください。

私(ベレネッツ代表の平松)も⻑年、企業ブランディングに携わってきて、多くの企業の差別化戦略に関わってきました。

そして、その経験から⾔えることは、どんな会社にも必ず差別化のチャンスがあるということです。

ここから、そんな差別化戦略のポイントを、具体的な事例を交えながら解説していきます。

きっと、あなたの会社の差別化戦略実行にも役⽴つヒントが⾒つかるはずです。

差別化戦略を考える上で重要なのは、まずは⾃社の現状を客観的に把握することです。(顧客視点に立って俯瞰できるか、ということです)

「本当に差別化できているのか」「顧客に伝わる差別化ポイントは何か」を冷静に⾒つめ直してみましょう。

差別化ポイントとして、当社がブランディングコンサルティングを行ったA社を例にご紹介しましょう。A社は、もともと「おもしろい」製品を作っているにもかかわらず、なかなか売上が伸びない状況でした。

何が問題だったのでしょうか?

実は、A社の製品の「おもしろさ」が、顧客に⼗分に伝わっていなかったのです。

社長から聞く開発に至った経緯や、購入した顧客からの体験談は非常に面白いものでしたし、顧客側がもっと別の使い方をしている、というアナザーストーリーも非常に面白いものでした。

でも営業チームや、WEBサイトの内容からはそれらが1mmも感じられないのです。

要は、社内で聞くとその製品のファンになるくらい面白いネタがあったのにも関わらず「うまく表現できていない」ということなのです。

言い換えれば、面白さが顧客が感じる体験価値に変わるようなブランディング構築ができておらず、かつ、ライバル製品との差別化に気づくような、ストーリーを前⾯に押し出すマーケティングができていなかったのです。

そこで、弊社は⼀緒になって、製品のライバルと比較した強み、顧客が感じるであろう体験価値を明確にし、それを製品購入前に共感するようなストーリーを開発しました。

その結果、販売数は⼤きく増加したのです。(今では海外からも引き合いが来ています)

このように、もし素晴らしい差別化要素があるのに伝わっていないのであれば、どうすれば顧客に認知してもらえるか、まずはブランディングでその「ネタ」を確定させることが重要です。

その後がマーケティング戦略ですね。

マーケティング戦略を最初に考えてしまうと、「自分推し」をひたすら力づくでやってしまう可能性があります。

差別化戦略の第一歩は「ブランディングによるライバルと比較した上で刺さるポイント:ネタの掘り起こし」、そして次に、「見込み客の心に響く」マーケティング戦略を展開することです。

順番を間違えないようにしてください。

とにかく、現状でライバルと比べて差別化ポイントがイマイチだと感じるなら、顧客のニーズに合った新たな差別化要素を⾒出すことが⼤切です。

差別化の本質とは(事例あり)

ここで、差別化戦略の本質について、もう⼀度考えてみましょう。私たちは⾃由な市場で事業を営んでいます。当然、同じマーケットには競合他社が数多く存在しますよね。

儲かりそうな市場であれば、参入者は多くなります。

逆に儲からなければ、ライバルはみんな別の市場に移っていくのです。

「差別化戦略」で検索して、このページに行き着いたあなたの会社の市場は有望だと思います。具体的にライバルがたくさんいて困っているからですね。

だからこそ、他社との差別化は経営戦略として⽋かせないのです。

差別化の本質は何でしょうか?

それは、あなたの会社が適正な価格で売ることができるようになること、です。

差別化できていて、ライバルよりも光るポイントがあり、誰しもが欲しがるものであれば、適正な価格で販売してもお客様は納得してくれるでしょう。

シューズブランドで「アディダス(Adidus)」はご存知だと思います。

その中でスーパースターというスニーカーがあります。

持っていた、履いたことある、という人も多いのではないでしょうか?

私もかなり昔に持っていた覚えがあります。

出典:Adidus

このスーパースター、価格は10,890円です。

続いて、ハイブランドで「プラダ(PRADA)」もご存知の方は多いでしょう。

出典:PRADA

上のアディダスが出しているスーパースターに「PRADA」のロゴが入っている商品です。

これ発売当時、72,600円でした。

一瞬で完売したので、もうどこも扱っていないばかりか、中古ではプレミア価格になっています。

これが差別化の本質です。

適正な価格で売れるのです。

(もちろんそればかりが目的ではないことは、みなさん十分理解していると思いますが)

繰り返しになりますが、差別化ができていない会社は、そのすべての製品においてライバルよりも⾼い価格を提⽰できない可能性が⾼い状態になっているはずです。

つまり、価格競争に巻き込まれてしまうリスクが高いのです。

顧客から選ばれるためには、⾃社の強みを明確に打ち出し、他社にはない価値を提供することが重要になります。

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第三者視点になることの難しさ

差別化できない

差別化戦略で「適正な価格で売れる」状態まで会社を持ち上げることは理解できたと思います。

でも、そもそもの話、差別化ネタを生み出すのは簡単ではありません。

あなたが第三者視点になかなかなれないからです。

ブランディングのプロの弊社でさえ、クライアント企業の差別化戦略に悩むことも多々あります。

ただ、そんな時こそ、原点に⽴ち返ることが⼤切だと思うのです。

つまり、私たちがビジネスをするのは、顧客の問題を解決するためですよね。だからこそ、顧客の声に⽿を傾け、真のニーズを理解することが差別化の第⼀歩なんです。

顧客の声の中で重要なものな「ネガティブ面」。

製品に対するネガティブな声ではないですよ。

製品周りの「欲求」に対するネガティブな声です。

ネガティブな欲求は「問題、悩み、イライラ、恐怖、痛み」などになります。

例を解説していきます。

弊社のブランディングに関するネガティブな欲求は、「ブランディングってつまらない」とかではありません。

・ブランディングって効果があるのかな?

・ブランディングって中小企業には不必要では?

・ブランディングはBtoB企業にはいるのだろうか?

・ブランディングを成功させないとライバルに負けるかも

・社長からブランディングをやれと言われた。どうやって進めたら良いのか。

・広告代理店にブランディング依頼したがCMをやるだけで一向に会社が認知されているように思えない

このような感じです。

あなたが感じる差別化要素を積み上げるのではなく、このような顧客の声(特にネガティブ面)に対応できる要素の中に、実は大きな差別化ポイントが隠れている可能性があります。

例えば、弊社がブランディングに関与したリゾートホテルがあります。

断食がホテル内でできることがウリだったのですが、単純に「ホテルで断食ができる」「断食コースは豊富」「**年の実績がある」「スタッフがプロで実績がある」「ホテルのエリアは自然環境がいい」というようなことをうたっていました。

ここに差別化要素は全く見えません。

上からずっと読んできたあなたであれば「第三者視点」であったり、「顧客の欲求(ネガティブ面)」が抜けていると感じたのではないでしょうか。

そうです。

視点がすべて「自社目線」だったのです。

そこで、断食に対して、一般顧客はどういうネガティブイメージがあるのか、今まで泊まった人は何が不満だったのか、ネット上で言い交わされている断食へのネガティブ面は何か、地域の人の声は、などブランド構築するまでに徹底的にネタを集めました。

結果、赤字を脱却し、単月黒字になったのです。

そのホテルのコンセプトや体験価値に共感し、続々と宿泊客が集まるようになったのです。

それも差別化戦略の賜物です。

このように、顧客のニーズに寄り添い、共感を⽣む差別化戦略こそが、競争に勝ち抜くカギを握っているのです。

さて、差別化戦略のポイントが少し⾒えてきたでしょうか。繰り返しになりますが、⼤切なのは、⾃社の強みを再定義し、顧客のニーズに応える独⾃の価値を⾒出すこと。(これがブランディング)

そして、それを分かりやすく発信し続けることです。(これがマーケティング)

もちろん、⼀朝⼀⼣にはいきません。私も、クライアント企業の差別化戦略に携わる中で、幾度となく壁にぶつかってきました。

どれだけワークショップをして、顧客企業の中心メンバー総動員で差別化要素を探そうにも、全く出てこない、ということも経験しています。

しばらくの間、頭を抱えることもありました。

でも、諦めずに差別化への道を探し当て、認知させる道を進んでいけば、必ず顧客に選ばれる企業になれるはずです。

他社と同じではなく、⾃社だけの輝きを⾒出すこと。それがこれからの時代を勝ち抜くカギになるはずです。

差別化の要素を見つけたら伝える行為も重要

差別化戦略は難しい

差別化は、ビジネスを成功に導く上で⽋かせない要素だとここまで読んできた人は理解してきたでしょう。

でも、具体的にどうすればいいのか、まだまだ悩んでいる経営者の⽅も多いのではないでしょうか。

私は、⻑年数多くの企業の差別化戦略に携わってきたその経験から⾔えることは、画期的なアイデアや莫⼤な資⾦がなくても、必ず差別化のチャンスはあるということです。

⼤切なのは、⾃社の強みを冷静に分析し、顧客のニーズに応える独⾃の価値を⾒出すこと。

そして、その価値を顧客に伝え続けること。この基本的なプロセスを地道に積み重ねることが、差別化の第⼀歩なのです。

例えば、弊社がコンサルティングを⼿がけたB社は、⽼舗の施設向け給食委託会社でした。悩みは採用難。

なかなか良い人が採用できないばかりか、そもそも応募者が非常に少なかったのです。

利益も出ており、母体もしっかりした企業があったものの、全国展開する⼤⼿企業には、なかなか太⼑打ちできない状況が続いていたのです。

社⻑は私に「うちには⼤⼿にはない魅⼒があるはずだ。それを採用活動に活かす⽅法はないだろうか」と相談されました。

そこで弊社は、B社の強みを徹底的に洗い出すことから始めました。

さらに、上記でも触れた見込み客(今回であれば求人の対象者)のネガティブ面をリサーチしていきました。

すると、⾯⽩い事実が⾒えてきたのです。

・必ずしも「大きい会社」に就職したいわけではない

・給食業界でも他の業界の給食業界の方がよく見える(働きやすさ)

・施設向け給食に携わるのは難易度が高そう

・そもそも実力が備わっていないと働けなさそう

・給食委託会社はブラック(休めない)

など、かなりダークサイドの情報が集まりました。

1個ずつをその会社の強みや、強みになっていないものの特徴部分から洗い出していくと、実はそのほとんどが「うちは大丈夫!」という答えとして発信できることに気づいたのです。

つまり、上記のネガティブは「他のライバルの話」、うちの会社では「その反対です」ということです。

これこそ、B社にしかない差別化のポイントではないか。弊社はそう直感したのです。

早速、社⻑を始めとする社員の皆さんと議論を重ねました。そして、今までの自社目線での仕事の面白さのコンセプトを、どう顧客に喜ばれているか、どう重宝されているか、どう顧客の悩みを解決できているか、という「共感」を全⾯に押し出した採用ブランディングを展開することになったのです。

そのB社では今までSNSを細々と行ってきたところ、そのやり方を全部変更し、顧客(施設)向けのSNSと、潜在的応募者向け(一般)向けのSNSの2種類にアカウントを分けました。

加えて、社内の従業員による動画撮影、編集、YouTubeでの発信など、一連の流れをサポートしました。

その結果、1つの動画はあっという間に1万再生を超え、SNSのフォロワーも続出、インターシップの応募も満員御礼となる成果を上げたのです。

それから今でのその会社のブランディングは続いています。

今は採用ではなく、新規顧客を獲得する方にブランディング戦略は移っています。

「インターンシップが満席になりました!」という採用担当者の声を聞いて、私たちも⼼から嬉しく、そして誇らしく思いました。

いかがでしょうか。B社の事例は、差別化に王道も奇策もないことを⽰しているのではないでしょうか。⾃社の強みを活かし、顧客のニーズに誠実に向き合うこと。そこに差別化の本質があるのだと、私は考えています。

もちろん、それを実現するのは容易ではありません。顧客のニーズを深く理解するには、地道な努⼒が⽋かせません。かといって、闇雲に新しいことに⼿を出しても、焦点がぼやけてしまうだけです。

肝⼼なのは、⾃社の強みと、顧客のニーズのマッチングを探ること。(特にネガティブ面をひっくり返す要素を見せること)

そのために、時には固定観念を捨てて、第三者視点、つまり新しい視点で⾃社を⾒つめ直す勇気も必要です。

例えるなら、差別化とは、⾃社という原⽯を磨き上げ、美しい宝⽯に仕上げていくような作業なのかもしれません。

弊社では「光の当て方を変える」という言い方をするのですが、傷やくもりを取り除き、隠れた輝きを引き出していく。

その過程は決して楽ではありませんが、諦めずに臨めば、きっと他にはない光を放てるはずです。

話が少し抽象的になってしまいましたが、要するに差別化とは、⾃社の個性に誇りを持ち、それを愛する顧客を⾒つけ出し、心に響くようにする努⼒なのだと思うのです。

100⼈が100⼈、画⼀的な商品・サービスを求めている時代は終わりました。

B社の採用の件でも同じです。

100⼈の就職希望者が100⼈ともあなたの会社に興味関心を抱くなんてことはあり得ません。

あなたの会社にしかない魅⼒を、あなたなりの⾔葉で伝えていく。それが刺さる人に「めちゃくちゃ共感される」ようにする。

それが、これからの差別化戦略の基本になるのではないでしょうか。

他社にはない輝きを放つこと。それが差別化の真髄であり、あなたの会社の未来を切り拓くカギになるのです。

機能やスペックは差別化にはならない

・うちの機械の機能は******です。

・うちの製品のスペックは*******です。

こんな感じで、差別化要素を挙げて来られる会社も多くあります。

正直なところ、機能やスペックでの差別化は本当に難しいと感じています。

でも、他に突出した、あるいは競合他社が持ち合わせていないような独自の差別化要素がない場合、スペックや機能での差別化戦略に頼らざるを得ないこともあります。

確かに、他社にはない画期的な機能を開発すれば、⼀時的には注⽬を集められるかもしれません。

でも、それがすぐにライバルにコピーされてしまったら?せっかくの努⼒が⽔の泡になってしまうなんて、悔しくてたまりませんよね。

これが機能やスペックでの差別化の成れの果てなのです。

最初にその機能を考えたところは喝采ものです。

でもしばらくするとライバル全部、その機能・スペックに並ぶか追い越してくるのです。

デザイン面でも一緒。

これらに長期的に有効な差別化要素は乏しいのが現実です。

私も以前、あるクライアント企業で同じような経験をしました。画期的なアイデアを提案し、社内で⼤きな期待を集めたのですが、発売から半年もしないうちに、ライバル企業から酷似した商品が登場したのです。あの時の無⼒感は、今でも忘れられません。

でも、そんな経験があったからこそ、私は確信しているのです。本当の差別化とは、機能やスペックを超えた、もっと深いところにあるのだと。

例えば、顧客との絆。商品やサービスを通じて、顧客の⼼に寄り添い、共感を得ること。

それこそが、他社には決して真似できない、あなたの会社だけの財産なのです。

1999年に始めたITサービスもスペック優先だった

差別化戦略はあなたの会社でも導入できる

差別化は、ビジネスを勝ち抜くための不可⽋な戦略であることは、ここまで読了された方は理解されたと思います。

でも正直に申し上げると、私⾃⾝、かつては差別化の重要性を理解していたものの、スペックでの差別化に頼りきっていた時期がありました。

今から20年以上前です。

今でこそ、クラウドソーシング(ネット上で業務を依頼できるサービス)は一般的になりましたが、一番最初に「ロゴデザイン」をネット上で「コンペする」という仕組みを1999年に作ったのが私です。

つまりクラウドソーシングという名前も出来上がっていない時に、先駆けの事業をスタートしたのです。

Logo.jp(ロゴJP)

※今でもそのドメインは保有しております

(1999年はロゴ職人、という名前でサービススタートし、2001年にロゴJPという名前に変えました)

当時の弊社は、他の誰もやっていない「デザイン」を「ネット上」で「注文」でき、「複数のネット上のデザイナーから提案が上がってきて」、それらの作品を「ネット上で提案を受けられる」という部分に自己陶酔しておりました。

ですから、logo.jpというドメインは弊社独自のものでしたが、後の差別化要素は全部スペックなのです。

・担当するデザイナー数

・登録しているデザイナー数

・提案を受けられるデザイン数

あの時の私には、顧客の気持ちを理解する想像⼒が⾜りなかったのです。機能ばかりを追求しても、それが顧客の⼼を動かさなければ意味がない。今思えば、なんて未熟だったのだろうと反省してばかりです。

結局、サービスを改善していって一強になるという夢も潰えて、結果的には雨後の筍のように同じようなサービスが圧倒的な勢いで多数現れました。

その頃の私はテレビや雑誌、新聞の取材も多く、有頂天になっていたのでしょう。

転機となったのは、とある独立系M&Aの社⻑との出会いでした。彼の会社は、銀行系や外資系の競合他社が数多く存在する業界で、なんとM&A担当件数ランキング上位を誇っていたのです。

社員数が多いわけでもない、有名金融機関グループでもない、誰もが知る外資系でもないのにです。

「うちのサービスは、機能的には競合他社とそれほど変わりません。でも、私たちは徹底的にお客様の声に⽿を傾けているんです。利益相反にならないような顧客へのアドバイスと、顧客の利益最優先でアドバイザリーを受けるのです」と、社⻑さんは穏やかに語ってくれました。

顧客の声に⽿を傾ける。その⾔葉は、私の⼼に深く刻み込まれました。顧客の悩みに寄り添い、共感すること。そこにこそ、真の差別化の鍵があったのです。

それからというもの、私は顧客との対話を⼤切にするようになりました。サービスを開発する際も、顧客の声を起点に考えるようになったのです。

これが弊社のブランディングサービスの起点です。

「PUSHするのではなく、PULLする」ブランディング。

つまり、営業しなくても、広告しなくても、展示会しなくても、自然に顧客を誘引してしまうブランディングというコンセプトができたのです。

当初「非広告ブランディング」と名乗っていた、今弊社がやっているブランディングの原型となるサービスを開始すると、少しずつ変化が現れ始めました。

今のあなたのように、WEBサイトを熱心に読んでくれるのです。

そこから問い合わせをいただいた際に顧客から「ブランディング会社はたくさんありますが、ベレネッツさんが言っていることが一番腹落ちして、自分たちがこうすべきなんだ、ということに気付かされました」といった嬉しい⾔葉をいただくようになったのです。

機能だけでは真似できない、顧客との絆。そこにこそ、差別化の本質があることを、私は経験を通じて学びました。

もちろん、差別化の道のりは決して平坦ではありません。時には、⼤きな壁にぶつかることもあるでしょう。事業の⽅向性を巡って、社内で意⾒が対⽴することだってあるかもしれません。

でも、そんな時こそ、顧客の声に⽴ち返ることが⼤切だと思うのです。「顧客のためにどうするべきか」を軸に考え抜く。そうすれば、必ず道は開けるはずです。

この記事を読んでくださっているあなたも、もしかしたら差別化に悩んでいるかもしれません。「うちには特別な強みなんてないから」とか「どうせ真似されるだけだし」なんて思っているかもしれません。

でも、どうか諦めないでください。顧客の声に、もっと⽿を澄ましてみてください。そこには、きっとあなたの会社にしかできない差別化のヒントが隠れているはずです。

差別化戦略を成功に導く秘訣 〜マイケル・ポーターの競争戦略に学ぶ〜

補足として最後に差別化戦略について、私の経験を交えてお話ししたいと思います。

実は、私も長年、差別化戦略に頭を悩ませてきました。競合他社が多い中で、どうすれば自社の存在感を示せるのか。悩んだ末に辿り着いたのが、マイケル・ポーターの競争戦略でした。

ポーターといえば、競争戦略の第一人者ですよね。彼が提唱した3つの基本戦略、コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略は、今でも多くの企業で活用されています。

私が特に注目したのは、差別化戦略です。独自の価値を提供することで、価格競争を回避する。なるほど、これなら、うちにもできそうだ!と思ったのを覚えています。

でも、差別化戦略を実行に移すのは、簡単ではありませんでした。高品質な製品を作るには、コストがかかる。ブランド力を築くには、時間がかかる。正直、途中で挫けそうになったこともありました。

そんな時、クライアント企業の経営者の言葉に救われました。「差別化は、一朝一夕にはできない。だからこそ、諦めずに続けることが大切なんだ」と。なるほど、確かにその通りだ!と膝を打ちました。

それからは、クライアント企業の社員とも積極的に差別化戦略について話し合うようになりました。現場の意見を吸い上げ、一緒に汗を流す。すると、少しずつですが、変化が見えてきたんです。

例えば、あるクライアント企業の営業マンから、「お客様から、うちの製品は他社と違って使いやすいと言われました」という嬉しい報告が。また、別のクライアント企業の工場では、品質向上のためのアイデアが次々と出てくるようになりました。

もちろん、まだまだ課題は山積みです。差別化のポイントを進化させ続けなければ、すぐに追いつかれてしまう。だからこそ、常に市場の動向に目を光らせ、顧客の声に耳を澄ませる。それが大切だと痛感しています。

差別化戦略は、決して楽な道のりではありません。でも、この戦略なくして、生き残りはないとも思うのです。志を同じくする仲間と、知恵を出し合い、時に励まし合いながら、前進あるのみ。そう、私は信じています。

皆さんも、ぜひ、差別化戦略に挑戦してみてください。ポーターの理論を武器に、自社の強みを最大限に活かす。それが、顧客に選ばれ続ける企業への第一歩になるはずです。

私たちベレネッツも、全力で皆さんの挑戦を応援します。マーケティングやブランディングのプロとして、知見を惜しみなく提供させていただきます。共に手を携えて、差別化の難関を乗り越えていきましょう。

さぁ、今日から、差別化戦略の実践です!自社の未来を切り拓くため、一緒に頑張りましょう!

差別化戦略のメリットとデメリット

ここで、差別化戦略のメリットとデメリットについて、少し整理してみましょう。

メリットとしては、以下の点が挙げられます。

  1. 価格競争を回避できる:差別化された製品やサービスは、競合他社との単純な価格比較になりにくく、価格競争に巻き込まれるリスクが低くなります。
  2. ブランド力の向上:差別化要素がお客様に認知され、評価されることで、ブランドイメージが向上します。強いブランド力は、新規顧客の獲得やリピート率のアップにつながります。
  3. 高い利益率の維持:差別化された製品やサービスは、付加価値が高いと認められるため、高い価格設定が可能です。これにより、高い利益率を維持することができます。
  4. 競争優位の確立:差別化要素を確立することで、競合他社に対する優位性を築くことができます。この優位性は、市場での地位向上やシェア拡大に役立ちます。

一方、デメリットもあります。

  1. コストの増加:差別化のために、研究開発や品質管理にコストがかかります。このコスト増加分を価格に転嫁できなければ、利益率が低下してしまいます。
  2. 差別化要素の陳腐化:差別化要素は、時間の経過とともに陳腐化する可能性があります。常に新しい差別化要素を生み出し続ける必要があるのです。
  3. ターゲット市場の限定:差別化戦略は、特定の顧客セグメントを対象とすることが多いため、ターゲット市場が限定的になる可能性があります。
  4. 模倣のリスク:成功した差別化戦略は、競合他社に模倣される可能性があります。差別化要素を守るために、特許取得などの対策が必要になるでしょう。

差別化戦略は、メリットとデメリットを十分に検討し、自社の強みを活かせる領域で実践することが大切です。そのためには、綿密な市場調査と自社の資源分析が欠かせません。

差別化戦略は、正しく実践すれば大きな成果を生み出す一方で、リスクも伴う難しい戦略です。しかし、差別化なくして、激化する競争を勝ち抜くことはできません。

皆さんも、自社の差別化要素を見つめ直し、磨き上げてみてはいかがでしょうか。そして、その魅力を、お客様にアピールする方法を考えてみてください。

差別化への道のりは、険しくも、やりがいに満ちています。ベレネッツは、皆さんのチャレンジを、全力で支援させていただきます。

さぁ、差別化戦略で、業界の頂点を目指しましょう!

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著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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