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AIだけで企業のコンテンツは何とかなる、という落とし穴

なぜ企業ブランディングにはAI以上のものが必要なのか

ChatGPTの登場以来、多くの企業でAIを活用したブランディングへの期待が高まっています。「AIに適切なプロンプトを入力すれば、魅力的なキャッチコピーもロゴデザインも短時間で作れる」「ブランディング会社に高額な費用を払わなくても、AIがあれば十分なのでは?」

確かにAIの進歩は目覚ましく、数分で数十のコピー案を生成し、デザインの方向性を示してくれます。
デザイナーがいなくても画像も動画も生成可能です。
あなたの会社の社長の写真画像1枚あれば、動画でバンバンしゃべるAIアバターだって簡単にできます。

しかし、実際にAIだけでブランディングを進めた企業の多くが、期待したような成果を得られずにいるのも事実なのです。

「AIで作ったから伝わる」わけではない

現代の私たちは、江戸時代の人が一生で触れる情報量を1日で受け取っていると言われています。
この情報の洪水の中で、人間の脳は自動的に「不要な情報」を排除し、重要な情報だけを選別して処理しています。

どれほど美しいコピーやコンテンツをAIが生成しても、それが受け手の脳に「重要な情報」として認識されなければ、結局は流し読みされて終わってしまいます。
AIが作るコピーの多くは確かに文法的に正しく、一見魅力的に見えますが、受け手の心を動かす「何か」が欠けていることが少なくありません。
あなたも最近「AI臭さ」に慣れてきているのではないでしょうか?

プロンプトだけでは見つからない「隠れた価値」

弊社ベレネッツがずっと言い続けていることですが、ブランディングの本質は、ロゴやスローガンを作ることではありません。ましてやWEBリニューアルをすると、ブランドイメージが変わる、などというのは妄想です。

「やるべき企業ブランディング」とは、企業が持つ「隠れた価値」を発見し、それを顧客に伝わる形で表現することです

例えば、ある製造業の企業が「高品質な製品を提供する」というメッセージをAIで洗練させたとします。
文章は美しく仕上がりますが、競合他社も同じようなことを言っているため、差別化にはつながりません。

しかし、その企業の現場を深く取材すると、「24時間365日、海外も含め、最速で故障対応に駆けつけ、わかりやすい言葉で解説するサポート担当がいる」という独自の価値が見えてくるかもしれません。

このような「隠れた価値」は、AIへのプロンプト入力だけでは発見できません。企業の内部にいる人たち自身も、当たり前すぎて気づいていない価値だからです。
(ベレネッツであればこの隠れた価値を「禁断のブランディング」というメソッドを使いあぶり出します)

体験価値設計という視点の重要性

見込み客に刺さる、優れたブランディングは、顧客が企業と出会ってから関係を深めていくまでの「体験価値の設計」を含んでいます。ウェブサイトを訪れた瞬間の印象、マーケティング素材から受け取る印象、営業担当者との会話・ストーリー、製品を使用している時の感覚、アフターサービスの質。これらすべてが一貫したブランド体験を作り上げます。

AIは個別のコンテンツ制作には優れていますが、この一連の体験を設計し、各タッチポイントでの一貫性を保つことは苦手分野です。人間の感情や行動の複雑さを理解し、長期的な関係構築を視野に入れた戦略的思考が必要だからです。

貴社がすべきAIとの適切な向き合い方

これはAIを否定する話ではありません。ベレネッツでもChatGPT、Claude、Gemini、Genspark、Perplexity、Heygen、Hedra、Google AI Studio、Napkin AIなどなど、かなり多数のAIツールを日々駆使しています。
弊社にとっても、AIは確実にブランディングにおいて強力なツールになりえるという理解はしているのです。

ただし…… 

それは戦略的な方向性が明確になった後の「実行段階」においてです。
ブランドの核となる価値を定義し、ターゲットとする顧客層を明確にし、伝えるべきメッセージの方向性を決定する。
これらの戦略的思考と人間的洞察があって初めて、AIは真価を発揮します。

明確な指針のもとでAIに作業を依頼すれば、効率的に質の高いコンテンツを大量生成できるでしょう

本当に必要なのは顧客×貴社での「化学反応」

結局のところ、人の心を動かすブランディングには「化学反応」のような要素が不可欠です。
理屈では説明しきれない感情の動き、予想外の共感、記憶に残る体験。
これらは、データやアルゴリズムだけでは生み出せません。

企業ブランディングを成功させるためには、AIの力を借りながらも、人間だからこそ気づける価値の発見と、人間の心理に深く働きかける体験の設計が欠かせないのです。

もし、あなたの会社でも「AIを活用したブランディングを検討しているが、どこから始めればよいかわからない」「AIだけでは物足りなさを感じている」といった課題をお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

25年間で700社以上の企業ブランディングを支援してきた経験から、AIと人間の叡智を組み合わせた最適なアプローチをご提案いたします。まずは無料相談で、あなたの会社の「隠れた価値」について一緒に考えてみませんか。

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著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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