「中小企業にはブランディングは必要ない」という声をよく耳にします。
その理由として、「資金がかかりすぎる」「目先の売上向上を優先すべき」「ブランディングは大企業がやること」といった主張が挙げられます。
しかし、これは大きな誤解です。
むしろ、現代のビジネス環境において、中小企業こそブランディングが必要不可欠なのです。
その理由を以下に説明していきましょう。
1. ブランディングの本質を見誤っている
多くの人は、ブランディングを「テレビCMや派手な広告キャンペーン」と同一視しています。
なぜなら、昨今多くなってきた大手BtoB企業の有名タレントを使ったCM。それらを見るにつけ、余計そのように思う人は多いでしょう。
しかし、本質的なブランディングとは「顧客に選ばれる理由を明確にすること」です。
情報過多の現代では、単に存在を知らせるだけでは顧客の心に響きません。
たとえば、地元密着型の飲食店が「地元産の食材にこだわる安心・安全な料理」を訴求するのも、立派なブランディングなのです。
2. 競争優位性の確立に不可欠
現代のビジネス環境では、単なる商品やサービスの提供だけでは差別化が難しくなっています。
特に中小企業は、限られた資源の中で大企業と競争するため、独自のブランドを確立し、特定の顧客層に訴求することが不可欠です。
価格や利便性だけでなく、「なぜあなたの会社を選ぶべきか」という明確な理由を示す必要があります。
3. 低コストでの実現が可能に
ブランディングは必ずしも高額な投資を必要としません。
インターネットやSNSの普及により、効果的なブランディングが以前より低コストで実現可能になっています。
動画を使っても、非常に強力な認知向上もできますし、WEBサイトから見込み客にPDFダウンロードさせ、その見込み客に「教育（ナーチャリングと言います）」していくこともできます。
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他にも中小企業の場合、以下のような方法でターゲット層に対して効果的なブランディングを行うことができます：
- ウェブサイトやSNSを活用した情報発信
- 顧客との丁寧なコミュニケーション
- 独自のストーリーの発信
- スタッフの顔が見える地元密着型の接客
- 口コミや紹介を活用した信頼構築
4. 長期的な成長への投資
ブランディングは単なるコストではなく、事業の未来を切り開くための「投資」です。
目先の利益だけを追求する経営は、価格競争に陥りやすく、持続的な成長を阻害します。
強固なブランドの構築は以下のような効果をもたらします。
- 価格競争からの脱却
- 顧客ロイヤルティの向上
- 優秀な人材の獲得
- 安定的な収益基盤の確立
5. 中小企業ならではの強みを活かせる
むしろ、中小企業は規模が小さいからこそ、柔軟で個性的なブランディングを実践できます。
「人情味あふれる接客」や「地域に根差した信頼」など、大企業には真似できない価値を打ち出すことができるのです。
結論として、中小企業にブランディングは不要どころか、むしろ必要不可欠です。
ただし、闇雲に資金を投入するのではなく、自社の規模や特性に合った適切なブランディング戦略を選択することが重要です。
それは、競争が激化する市場で生き残り、持続的な成長を実現するための必須の経営戦略なのです。
ベレネッツではBtoB企業のブランディングを得意としており、特に「他の競合他社と比べて強みは見つからない」という会社でも独自の「ターゲットに対して刺さる」ポイントを言語化、認識させることが可能です。
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平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)
NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC（新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者）にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」＋「再現性のある」ブランディング＋マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。
