同機能は、ウェブサイトのページやニュースサイトの記事につけられ、ボタンを押すとその情報がフェースブックの友人にも共有されるという仕組みだ。これまでのマーケティングでは、「視聴率や購買者数に見られる注意喚起の数」と「製品の購入や資料請求等の行動」から効果測定を行っていた。しかし広告を目にする機会があったのはわかるが、実際に関心があるかどうかの測定は難しかった。フェースブックのいいねボタンは、収集の難しいこれらの情報を集めることができる。
誰がどのようなものに関心を持ち、その人はほかのどのようなものに関心を持っているか、またそれはほかの友人にとってはどう影響するのか…はじまったばかりのサービスだが、ターゲットや価格設定の情報収集ができる可能性を秘めている。
1ページを見た・・・という事実の中にある「何も感じずに見た」と「関心があって見た」真実は違う。たとえ閲覧時間が長くても、ほったらかしてよそ事をしているなどは「熱心に見ている証拠」にはならない。逆にページを早く移動していても「これが好き!」という直感は嘘ではない。
広告を見た消費者が、すぐに製品を買ってくれるばかりではない。いいねボタンを押したものの、行動しない消費者の気持ちは…?いいねボタンはそんな「なぞなぞ」を運営者に投げかけてくる。いいねボタンが大量に押されているにもかかわらず、消費などの行動に結びついていない場合は、何らかのアプローチの変更が求められているだろう。
インターネットは確かに顔と顔を突き合わせてのコミュニケーションではない。感情を読み取るのもの至難のわざだ。しかし、やはり操作をしているのは人間であり、感情だ。感情は行動を生み、行動の積み重ねは性格(傾向)である。一人の人間が配信塔となって情報を提供する時代の販促は、ダイレクトな個人へのきめ細やかなアプローチが鍵となりそうだ。