コラム

なぜ製造メーカーはTVCMに頼るべきではないのか

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最近非常に多く見かけるのが、「有名女優+BtoB企業」のCM
名前を聞いたことがない会社でも、その名を知っている俳優を使ってCMやっていますね。

「認知度を上げるならTVCM」

多くの製造メーカーがこの思い込みから抜け出せていません。しかし、この発想には重大な落とし穴があります。

製造メーカーの価値は、技術力、品質、長年培ったノウハウにあります。これらは一瞬の映像や音声では伝えきれない深い価値です。

では、本当に効果的なブランディングとは何でしょうか。

それは「課題解決力」を地道に示していくことです。

例えば:

  • 技術セミナーの開催
  • ホワイトペーパーの発行
  • 実証実験データの公開
  • 顧客との共同研究事例の発信
  • CASE STUDYの公開

これらは一見地味な活動に見えます。しかし、本当に価値を求める顧客には、TVCMよりもはるかに強い印象を残します。

なぜなら、これらの活動は「相手の課題を理解している」というメッセージを含んでいるからです。

TVCMは一方的な情報発信です。しかし真のブランディングとは、顧客との深い対話から生まれます。

製造メーカーの強みは、目の前の課題に真摯に向き合い、解決策を提供できることです。その価値は、派手な演出や感動的なストーリーではなく、地道な実績の積み重ねによって証明されるのです。

次の一手を考える時、あなたの会社は何を選びますか?派手な演出のTVCMか、それとも顧客との深い対話か。

答えは、すでに見えているのではないでしょうか。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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