なにかイベントがあると必ずでてくる言葉があります。
経済波及効果
例えば、2020年東京五輪・パラリンピックの経済波及効果は、全国で約32兆3000億円、都内で約20兆4000億円になる(東京都試算)と言われています。
経済波及効果の数字を聞くといつも「なんだかすごいなー」とは思うものの、いつも「いったい経済波及効果って具体的にどこまでの範囲のことを言っていて、どうやって計算されているのかな」と思います。
ということで、今回は経済波及効果についてお伝えしたいと思います。
そもそも経済波及効果ってなに?
ある産業に新たな需要が出てくると、その需要を満たすための生産活動が行われます。
で、その生産活動に必要なものが生産されます。
で、さらにその必要なものを生産するために必要なものが生産されます。
このように、新たな需要を満たすために、需要が需要を生む形でさまざまな産業の生産が誘発されます。
例えば、東京オリンピック・パラリンピックの場合は、開催するための需要として道路や新たな建物などが必要になります。
これによって建設会社で生産(建設)活動が行われます。
で、建設会社で生産(建設)活動を行うために必要な建機だとか建設資材などの企業が生産活動を行います。
で、建機だとか建設資材など企業が活動を行うために、建設部品だとか建設関連材料だとかの企業が生産活動を行います。
で、これらの企業が潤うと、夜の街(飲食店など)にお金が落ちます 笑
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という具合に需要が需要を生んでいきます。
これらの生産活動によって生じた合計金額を経済波及効果と呼んでいます。
国際会議における経済波及効果を算出したものが観光庁からリリースされていて、解説も詳しかったので参考までに貼っておきます。
観光庁「我が国の国際会議による経済波及効果を初めて算出しました!」
経済波及効果には3段階ある?
経済波及効果は通常3段階に分けて計算を行います。
①直接効果
新たな需要によって生まれる最初の生産額のことをいいます。
②第一次間接波及効果
①によって生まれた生産額のことをいいます。
③第二次間接波及効果
①と②によって雇用者の所得が増加します。
一部は貯蓄にまわりますが、一部は消費として支出されます。
これを民間消費支出と呼びますが、この民間消費支出によって生まれた生産額のことを第二次間接波及効果といいます。
①~③の合計額を通常、経済波及効果と呼んでいます。
経済波及効果と経済効果って意味が違うの?
ネット記事の中には「経済波及効果」と「経済効果」を違う定義の言葉として解説しているものもありますが、多くは同じ意味として使っているようです。
今日はここまでにします。
次回は次の2点についてお伝えします。
◆経済波及効果の計算方法は?
◆経済波及効果の信頼度は?