TOP > ❝禁断のブランディング❞実践マニュアル > 今すぐできる顧客体験の改善

Practice Manual
禁断のブランディング実践マニュアル

今すぐできる顧客体験の改善

顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)は、あなたのビジネスと顧客が接触するすべての瞬間において、顧客があなたの事業・サービスのリピートを生み出す/ファンになってくれる最重要の要素になります。
これは、あなたが単に販売している製品やサービスの品質を超え、顧客がどのように感じ、どのように行動し、あなたと接触を持った後にどう感想を持つかを形作る非常に重要な要素です。
良い顧客体験があれば、顧客が再び戻ってくる強い理由となり、利用後の彼らの口コミが新たな顧客を引き寄せる原動力となるのです。

顧客が感じる経験がビジネスの成功を左右する!

顧客体験の重要性

想像してみてください。
あなたがオンラインでカフェを検索し、美味しそうなコーヒー・デザートの画像と共に、チェーン店のコーヒーショップでは見られないような落ち着いた雰囲気で、しかもデザイン性に富んだ店内の様子が紹介されている店舗WEBサイトを見つけました。
このようなWEBサイトは、実際に店舗を訪れる前から、あなたに期待感を抱かせます。「そこでパソコンを開いて仕事をする私」とか、「優雅な午後をアフタヌーンティーと共に過ごす私たち」みたいな感情です。
これがあなたの顧客体験の始まりです。
もちろん、商品やサービスが良質であることは基本ですが、それに加えて顧客が感じる経験(特に未訪問状態での体験価値)がビジネスの成功を左右するのです。

WEBサイトでの顧客体験のポイント

さて、デジタルでの顧客体験づくりは非常に重要なことは誰でも理解できていることと思います。特にメインのWEBサイトは、顧客が商品・サービスを購入する前に顧客体験を形作る上で非常に重要な役割を果たします。

心理的トリガーを強烈に引けば、顧客はWEBサイトを見るだけで気分が盛り上がっていき、あなたを利用した後の「結果」の想像が膨らみ、顧客が今持っている不安・悩み・イライラが消し飛ぶように感じさせることができるのです。

以下に、WEBサイトでの顧客体験を向上させるための基本的なポイントを挙げます。禁断のブランディングの考え方も入れてあります。

WEBサイトでの顧客体験のポイント

1.入力フォームの最適化

例えば、オンラインで予約をする際、複雑で時間がかかるフォームは顧客をイライラさせます。簡潔で直感的なフォームは、顧客がスムーズに予約を完了させることを可能にし、彼らの満足度を高めます。

例えば、過去に弊社で行なったのが、金融機関のローン借り申し込みフォームでの規約のインパクトを弱めることです。ローンを仮審査しようとする人に対して、個人情報を利用するぞ!あなたは反社ではないことを誓え!など諸々の規約が記載されている規約確認画面が大きく、ユーザが絶対に気後れしてしまう、と考えました。

そこで、金融庁の方針に反しない極限まで視界上のインパクトを弱め、スムーズにチェックしてもらうようにしました。 結果的にユーザの体験価値が上がり、ローンの借り申し込みは記録づくめの拡大に至ったのです。

2.モバイル対応

多くの顧客は移動中にスマホを使用しています。特にBtoC関係であればともかく、BtoB関係でも、見込み客は「あ!」と思いついた瞬間にスマホで検索しだします。
特に多いのが、感情的に「こうしたい」というタイミングよりも、「これは困った!」というタイミングです。
困った=すぐ解決したい、というときにパソコンに座ってじっくり検索しませんよね?
歩いているときに、その状況に陥った時、「突然」スマホで検索しませんか?
そうです。
困ったの解決のタイミングには、BtoCもBtoBも関係ないのです。
つまり、BtoB事業ではスマホでアクセスされるのは少ない、なんて考えているのは間違いです。BtoBこそ、スマホのユーザビリティを高めるべきなのです。
しかも顧客の「困った」を解決できるのが「あなた」であることをファーストビューで刺すのです。

3.WEBサイトのファーストビュー

WEBサイトのファーストビューは0.1秒で判断されることを知っていましたか?

【参考】ファーストビューとは、ユーザーがWebサイトに訪れたときにスクロールせずに最初に表示される表示エリアのことを指します。 ファーストビューで主に表示される内容は、サイトタイトル、事業・サービス内容、イメージ画像、キャッチコピーなどになります。

あなたのWEBサイトの集客方法が検索エンジンが最も多ければ、ファーストビューでの体験価値を上げるべきです。

何度も言うようですが、人は「願望」より「悩み」の方が行動喚起されます(約2倍)

そこで、ファーストビューにはあなたの商品・サービスが悩み・イライラ・問題解決などができるようなヘッドラインを入れることが必要です。

思い出してみてください。

あなたが普段反応するランディングページは、その類のものばかりではないですか?

4.Googleの指標:ページエクスペリエンス

そもそも心理的に反応しなくても、物理的に顧客がWEBサイトで反応する部分を「良い」「悪い」で判断しているのがGoogleです。

彼らが用いているGoogleのページエクスペリエンスシグナルは、WEBサイトの使いやすさを評価する新しい基準なのです。 これにより、あなたのWEBサイトが顧客にとって使いやすいかどうかが、検索ランキングに影響を与えるようになりました。良好なページエクスペリエンスは、顧客がWEBサイトを訪れた際にスムーズな体験を提供し、彼らが再訪したくなるような印象を残します。

5.アナログ的な顧客体験

アナログ的な顧客体験は、デジタル化が進む現代においても、その重要性を失っていません。

実際に人と人との接触を通じて生まれる体験は、顧客の記憶に深く刻まれることが多く、あなたのブランドのロイヤリティを高める効果があります。

例えば、パーソナライズされた接客に好感を覚える人も多いでしょう。

顧客一人ひとりの名前を覚え、個々の好みや過去の購入履歴に基づいた提案をすることで、顧客は特別感を感じます。これは、顧客がブランドに対して個人的なつながりを感じるための重要な要素です。

また、ストーリーも強力なアナログ的な顧客体験に使えます。

製品やブランドにまつわるストーリーを顧客に伝えることで、単なる商品購入を超えた価値を提供します。ストーリーを通じて、顧客は製品に感情的な価値を見出し、ブランドへの愛着を深めるのです。

他にはアフターサービスの充実や限定商品・サービスの提供があります。

購入後のフォローアップや、保証・修理サービスの手厚さは、顧客が安心して製品を使い続けられる基盤を作ります。輸入車のディーラーがよくこの方法を使っていますね。

顧客が問題に直面した際に迅速かつ丁寧に対応することで、信頼関係を築きます。

また、既存顧客に対して店舗限定の商品やサービスを提供することで、「ここでしか得られない」特別な体験を提供します。これは、顧客が再訪を決意する大きな動機となります。

感謝の表現:

これらのアナログ的な顧客体験の強化は、デジタル化が進む中でも人と人とのつながりの重要性を再認識させ、顧客との長期的な関係構築に寄与するのです。

今すぐ顧客体験づくりに進むべき

デジタルとアナログの両面から顧客体験を最適化することで、顧客はあなたのブランドをただの商品やサービス提供者としてではなく、生活の一部として受け入れるようになります。これにより、顧客のロイヤルティが高まり、長期的なビジネスの成功へと繋がっていくのです。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在は、株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代より、年間150億以上の広告費を運用する経験を持ったが、NCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「今の時代、PUSH的かつマス媒体での戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

Useful Contents

お役立ちコンテンツ

すぐ動きたいという方への無料サービス

上部へスクロール