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Practice Manual
禁断のブランディング実践マニュアル

今すぐできるWEBサイトの構成法

WEB サイトを構築する前に先に中に入れるコンテンツや画像を考えてしまっていませんか?

あなたが最初に考えるべきは、ユーザの心理を理解し、彼らの行動を喚起する構成を取り入れることです。

つまり、WEBサイトに心理学の役割と行動科学の原則を活用することで、ユーザの満足度を高めることなのです。

WEBデザインと心理学の活用

1.カラーの心理を活用する

カラーは強力な感情的影響を持っています。WEBサイトのカラー(文字、背景なども含めて)を選ぶ際には、カラーが伝える感情や意味を考慮し、訪問者に適切なメッセージを伝えるカラーを選びましょう。

またユーザの目を自然にコンテンツの流れに沿って動かすために、WEBページの要素を戦略的に配置します。(人の目は右から左へ、上から下へ動きます)

整理された視覚的階層を作ることで、ユーザがサイトを快適にナビゲートし、必要な情報を容易に見つけられるようにしましょう。

2.訪問するユーザの動きを分析する

WEBサイトを設計する上で、ユーザの行動を把握することは成功への鍵となります。つまりユーザがどのようにWEBサイトを読んでいるかを把握・分析し、そのデータを基にデザインを洗練させる必要があります。

まず初めに2023年から新しくなったGoogleのGA4のような分析ツールを活用して、ユーザの行動を詳細に追跡し、そのデータから洞察を得ましょう。
特にGA4は「レポート」をみているだけでは情報は足りません。必ず「探索」で自社のWEBサイトにあったデータ探索レポートや経路データ探索レポートを用意してください。
(この部分は事業に合わせたレポートが必要になります。弊社のようなプロの会社に依頼するのも手でしょう)

続いて、GA4では分析できない部分を確認できるツールを用意する必要があります。
GA4はあくまでもユーザ行動を「点」で見るツールです。
多くのユーザが「この遷移をしている」「このページを閲覧している」「このページから離脱が多い」というのは見えますが、「なぜ?」までは見えないのです。

「なぜ?」を理解するために必要なツールが「顧客体験分析ツール」です。
これはGA4と一緒に使えば、ユーザの行動のプラス点・マイナス点をつぶさに監視できます。
ヒートマップも入った顧客体験分析ツール: ヒートマップツールを使って、ユーザがWEBサイト上でどこをよく見ているかを視覚的に把握します。
ただしヒートマップツールでは「不特定多数のユーザの平均的なデータ」しか見ることができないため、弊社の顧客体験分析ツール「Glassbox」を使って改善が必要な箇所を確認することも良いでしょう。
これにより、ユーザの関心が高いエリアや改善が必要な部分を明確にできます。また「Glassbox」録画データによりどこでアクセスが落ちているかをユーザごとに確認することができます

顧客体験分析ツール「Glassbox」の詳細はこちら

3.ユーザの行動を引き出すデザインの工夫

行動科学の原則をWEBデザインに組み込むことで、ユーザの行動を積極的に促し、コンバージョン率を向上させることが可能です。

【参考】コンバージョン率とはCV率とも書き、お問い合わせ、申し込み、資料請求、購入などの「成約」の割合をパーセンテージで出したものです。

ユーザの行動を引き出すための効果的なデザインテクニックとその応用方法についてですが、まずは基本的なポイントを押さえましょう。

説得力のあるコールトゥアクション(CTA)の配置

CTAとは「ボタン」と覚えてください。

ユーザが次に取るべき行動を明確に示す、説得力のあるCTAをデザインしましょう。CTAは目立つ位置に配置し、行動を促す言葉を用いてユーザのクリックを誘います。

インタラクティブな要素の導入

ユーザがサイト上で積極的に参加したくなるようなインタラクティブな要素を取り入れます。例えば、アンケート、クイズ、インタラクティブなインフォグラフィックなども、ユーザの関与を深めるのに役立ちます。

米国では誰でも答えられるアンケートをWEBサイト中に配置し、そのアンケートに答えていくと興味関心が湧き上がってきて、最後の自由記述欄で何らかのお問合せする、という仕組みを構築し非常に当たっている事業系WEBサイトもあります。

ストーリーを用いたエンゲージメント

ユーザが共感し、感情的に関わりたくなるようなストーリーをWEBサイトに織り交ぜます。ストーリーテリングは、ユーザにブランドや製品に対する深い理解と関心を持たせる強力な手法です。

特にあまり欲求が高くないユーザの場合、商品・サービスのベネフィットだけでは気分は盛り上がってきません。低欲求のユーザはたまたまあなたのWEBサイトに来ただけかもしれません。そのようなユーザにはストーリーが最適なのです。

これらのテクニックを適切に組み合わせることで、ユーザの行動を促し、WEBサイトの目的(例えばCV率)を達成することができます。

4.ユーザが直感的に欲しい情報に行き着けるデザイン

WEBサイト上でユーザがスムーズに情報を見つけられるよう、直感的なナビゲーションと明確なサイトマップの設計が不可欠です。
ユーザが迷うことなく必要な情報にたどり着けるような、効果的な情報構造の作り方で注目すべき部分は2つあり、「ナビゲーション」と「コンテンツの整理」になります。

まず最初にユーザが一目で理解できるようなシンプルで直感的なナビゲーションメニューを作成しましょう。そのメニューはユーザが求める情報へと直接導く役割を果たします。

続いてWEBサイトのコンテンツを論理的に(顧客目線で)カテゴライズし、ユーザが求める情報を素早く見つけられるように構造化します。
これにより、ユーザのサイト内での迷いを最小限に抑え、効率的な情報収集を支援します。

5.ターゲットユーザーに最適化されたパーソナライズ体験

あなたのWEBサイトを日本中の人に見てもらいたい!というなら話は別ですが、通常、ある特定のターゲット層を対象にする、という考え方が必須になります。

それには、まずはユーザーペルソナを定義し、それに沿ってWEBサイトをカスタマイズすることで、各ユーザーにとって意味のある、個別化された体験を実現しなければなりません。

まずはターゲットユーザーのニーズ、好み、行動パターンを深く理解するために、詳細なユーザーペルソナを作成します。これにより、ユーザーが本当に求めているものを把握し、それに応えることができます。
このペルソナが完成したら、続いてそれぞれのペルソナに合わせたコンテンツとデザインの調整を行います。
作成したユーザーペルソナに基づき、WEBサイトのコンテンツとデザインをカスタマイズを行うのです。
ユーザー一人ひとりの関心やニーズに合わせたパーソナライズされた体験を提供することで、訪問者の満足度を高め、ロイヤリティを育てる役目になります。

6.メッセージによる強い説得力を作り出す

メッセージ(言葉・コピー)は、ユーザーを行動に導くための強力な手段です。
言い換えると日本語特有のぼんやりしたメッセージでは、ユーザに刺さることはありません。

×みなさまと共に環境先進企業を目指して
×これからのライフスタイルを作り上げていきます

あなたがすべきことはユーザーに対してクリアで簡潔な言葉を使い、メッセージを直接的かつ効果的に伝えます。
また複雑な専門用語を避け、ユーザーがすぐに理解できるようなシンプルな言葉を選びましょう。あなた側の専門用語は、初心者の顧客にとってはちんぷんかんぷんです。
(やたらカタカナの業界用語を使う人も多いですが、完全NGです)

たった1つのヘッドライン(メインのキャッチコピー)でもお問合せ獲得が喚起できます。
弊社では、ヘッドラインだけで顧客から「共感できました」「それこそ求めていたもの」ということでお問合せが入ることも多々あります。

7.ビジュアル

美しいビジュアルデザインは、ユーザーの感情に深く訴えかけ、ブランドへの肯定的なイメージを植え付ける力を持っています。特に日本においては、デザインに目の肥えた人は多く、いわゆる素人的なビジュアルはあなたの事業の価値を下げ、信頼性も下げる可能性があります。

メッセージも重要ですが、同じくらい重要な要素がビジュアルなのです。
人は0.1秒でビジュアルを判断します。そのため「これいいな、さらに読み進めよう」という感情を喚起しなければなりません。

8.WEBサイト改善のための高速PDCA

WEBサイトは設置したら「終了」ではありません。
上述のGA4やGlassboxなどを活用し、より成果を上昇させるためにPDCAが不可欠です。
この部分を業者に丸投げしないでください。
彼らはあなたほど事業に精通しているわけではないですし、あなたほど目的達成のために死力を尽くしているわけでもありませんから。

PDCAを回すためには、データを確認する以外に、定期的なユーザビリティテストの実施(実際のユーザーを対象にしたテストを定期的に行い、彼らがウェブサイトをどのように使用しているかを観察すること)やフィードバックに基づく改善(ユーザビリティテストから得られたフィードバックを活用して、ウェブサイトの問題点を修正すること)のようなやり方もあります。
ユーザーのニーズに応えることで、より使いやすく、満足度の高いウェブ体験を提供することができます。

PDCAは一度きりの活動ではなく、WEBサイトが継続運用されている途中は常に継続する行為です。新しい機能やコンテンツを追加するたびに、高速PDCAを行い、常に最良のユーザー体験を提供するよう努めましょう。

ここまで、今すぐできるWEBサイトの構成法を解説してきました。
何度も言っていますが、WEB業者やWEBコンサルにこの部分を丸投げしないでください。
サポートは受けてもいいですが、中心になるのはあなたです。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在は、株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代より、年間150億以上の広告費を運用する経験を持ったが、NCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「今の時代、PUSH的かつマス媒体での戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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