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会社の知名度を上げるには?BtoB・BtoC別の方法と10ステップ

会社の知名度を上げるには?BtoB・BtoC別の方法と10ステップ

知名度は露出量では上がりません。「何で知られるか」を設計し、正しい順序で発信すれば上がります。

なぜ、知名度を上げたいのに上がらないのか?

結論から言えば、多くの会社が「知名度=露出量」と考えて、広告や情報発信の量を増やすことから始めてしまうからです。露出量の勝負は、より多くの予算を持つ大手企業が勝つ物量戦であり、中小企業が最も選んではいけない土俵です。

このページに辿り着いたあなたの会社も、次のような悩みを抱えているのではないでしょうか。

  • 会社の知名度が低いことで営業や採用のチャンスを逃している。
  • どのような施策を行えば効果的に知名度を高められるのかわからない。
  • 知名度向上に必要な予算やリソースが不足している。
  • 取り組んでもなかなか効果が出ない。
  • 競合他社に知名度で大きく水をあけられている——。

心配はいりません。現在の立ち位置を把握し、正しい順序で対策を行うことで解決します。

ただし、その前に知っておいてほしい事実があります。露出で名前を知られても、それだけではビジネスは変わりません。当社の顧客のある製造業の会社は、年間5億円を超えるテレビCMを打ちましたが、営業面での変化は感じられず、顧客からは「お金ありますねぇ。値上げはしないでくださいね」と釘を刺される始末でした。名前は知られた。しかし「何がすごい会社か」は伝わっていなかった——これが知名度の罠です。

XやInstagramで自社の特徴やメリットを盛んにアピール・PRしても、それだけでは付け焼き刃で、知名度も認知度も上がりません。ましてや代理店に丸投げして、BtoB企業であってもSNS上で炎上するという事態も起こりかねません。知名度を上げる正しい出発点は、露出を増やすことではなく、「自社は何で知られるべきか」を設計することです。 本記事では、その設計から具体的な施策の選び方、効果測定まで、BtoB・BtoC別の方法と10ステップで解説します。

知名度と認知度は何が違う?

結論:知名度は「名前を知られている広さ」、認知度は「何の会社か・何が強みかまで認識されている深さ」です。あなたのビジネスを変えるのは、広さではなく深さの方です。

知られていないブランドより知っているブランドの方が、消費者にとって安心感があるのは事実です。人手不足の今、採用面でも有利になることもあります。

さらにBtoB企業であれば、有名な会社=信頼性という構図になる業界もあります。だからこそ、資金力のあるBtoB企業はタレントを使ってCMを打つのです。

しかし、社名だけが知られていても、比較検討の場面で選ばれる理由にはなりません。先の製造業の例が示すとおり、名前の浸透(知名度)と、「この課題ならこの会社」という認識の構築(認知度)は別物です。企業名の浸透だけを意識した発信は、売上への影響が限定的なのです。 知名度向上の取り組みは、必ず認知度——つまり中身の認識——とセットで設計する必要があります。認知度がビジネスをどう変えるかは、親ページで詳しく解説しています。

知名度向上の全体像をどう設計する?(T.R.U.S.T.理論)

結論:当社では、750社超の企業ブランディングの経験から生み出したT.R.U.S.T.理論(トラスト理論)で知名度向上を設計します。人の記憶に残り、信頼される会社になるための5つの要素です。この中の5つが揃うのは非常に難しい会社でも、1個よりは2個、2個よりは3個と上積みを目指していくと、必ず認知向上にはプラスになっていきます。

―T.R.U.S.T.理論解説―

  • 透明性(Transparency):ブランドの存在意義や提供価値を、データや事例に基づいて明確に示すこと。顧客は会社が何を目指し、どんな価値を提供するのかを理解し、信頼感を持てるようになります。
  • 衝撃性(Remarkability):思わず人に話したくなる、印象に残るインパクト。感動的な体験や独自の企画は、SNSなどを通じて自然に拡散されます。
  • 独自性(Uniqueness):競合にはない、自社ならではの価値。差別化ポイントが明確であるほど、顧客が自社を選ぶ理由がはっきりします。
  • 必然性(Significance):顧客にとって「欠かせない存在」であること。顧客の課題やニーズに深く応えるほど、自社のソリューションは必要不可欠なものとして認識されます。
  • 物語性(Tale):顧客の共感を呼ぶストーリー。課題解決までの道のりを物語として描くことで、感情的なつながりが生まれ、口コミで広がっていきます。

知名度を上げる方法は、短期的に効果が出る施策と、長期的に取り組む施策の2種類があります。ただし「あなたにできることはライバルにもできる」ということを忘れないでください。差がつくのは、正確な知識と行動です。当たり前のことですが、99%の会社は行動しません。そしてBtoB企業とBtoC企業では、顧客の特性や購買行動が異なるため、アプローチも変える必要があります。本記事の後半で、それぞれの具体的なプログラムを解説します。

何から知られるべきか?——「イチに知名度」という考え方を変える

結論:施策を選ぶ前に、「何で知られるか=選ばれる理由」を言語化してください。ブランディングを脚本づくり、発信を上演にたとえるなら、知名度向上は「満席にする集客」です。脚本のない舞台をどれだけ宣伝して満席にしても、観客の記憶には何も残りません。

当社が750社超の企業ブランディングに携わってきて、共通して言えることがあります。製品・サービスの提供価値——見込み客が能動的に選んでしまう価値・ベネフィット——が「立っている」会社の方が、単に知名度のある会社より利益率が高いのです。そして、知名度がない会社でも、製品・サービスが支持されてくると、徐々に社名の知名度が上がってきます。これはGoogleの検索データでも確認できます。

理由はシンプルです。製品・サービスを本当に欲しがっている人は、「納得したうえで」社名を覚えるからです。広告や営業活動で社名を無理に浸透させる行為とは、記憶の質がまったく異なります。人は電動ドリルが欲しいのではなく、自分の力を使わずに穴を開けたいから電動ドリルを買います。せっけんが欲しいのではなく手を清潔にしたい。エアコンが欲しいのではなく快適さが欲しい。同じように、見込み客はあなたの会社の名前を知りたいのではなく、自分の問題を解決するベネフィットを探しているのです。

だからこそ、やるべきことは、むやみに社名を記憶に残らせるアクションではありません。まず「なぜ自社の商品・サービスが必要とされるのか」「なぜ自社でなければダメなのか」「顧客にどんなベネフィットがあるのか」を見える化し、その後に、そのベネフィットと社名をセットで覚えてもらうのです。言語化の具体的な手順は、専用の解説記事でも紹介しています。

会社の知名度を上げる10ステップとは?

結論:知名度向上は、脚本づくり(STEP01〜08)→実行(STEP09)→改善(STEP10)の順で進めます。最初にお伝えしたいのは、WEBサイトをリニューアルしても、ネット広告を出しても、プレスリリースを頻繁に打っても、それ単体で認知度が上がることはない、ということです。順序と設計がすべてです。

STEP01:マインドセット——社名を覚えさせようとしない

「社名をみんなに知ってもらおう」「会社名を絶対に覚えてもらおう」という考えをまず捨ててください。見込み客はWEBサイトが格好いいという情緒でも動きません。たとえばメルカリのデザインは特別に美しいわけではありませんが、使い勝手がよく簡単だから選ばれています。(これが体験価値:ベネフィットです)

すべきことは、社名やブランド名を覚えさせるアクションではなく、最初に製品・サービスのベネフィットを見える化することです。見込み客は、人に聞くときも、ネットで検索するときも、本屋で書籍を探すときも「問題解決方法」を探します。ダイエット食品を探す人は、メーカー名ではなく「ダイエット 5kg」「ダイエット 簡単」といった欲求ワードで検索します。そのベネフィットに一番合っている商品が選ばれるのです。つまり、「この問題の解決にはあなたの会社が一番の適任者である」というストーリーを作らなければなりません。

STEP02:脚本づくり1——見込み客の欲求を30個以上リストアップする

見込み客が最も動くのは、問題が顕在化して困っている・悩んでいる・イライラしていることを「解決」しようとする場面です。自分たちの経験値からではなく、たとえ業界の非常識であっても、見込み客の視点に立って「何に困っているのか」「何にイライラしているのか」「何を結果として求めているのか」「何に悩んでいるのか」を書き出してください。

既存顧客へのヒアリング(なぜ当社を選んだのか、他にないベネフィットは何か)、Yahoo!知恵袋などQ&Aサイトの閲覧、アンケート、営業担当者への「購入のきっかけ」確認が有効です。辛口なコメントや競合他社への意見も重要な情報源です。プロの目には取るに足らないと思えることでも、顧客にとっては大きな問題だった可能性があります。ここで30個以上リストアップしてください。

STEP03:脚本づくり2——欲求ワードの検索実態を調べ、10個に絞る

企業向けサービスであれば、欲求は大半の場合ネット検索されています。検索の組み合わせワードの中に「欲求ワード」が入っているのです。当社の例なら「社名の認知度を上げたい」「BtoB企業 認知度向上」「ブランド構築 製造企業向け」などです。

キーワードが思いつかない場合は、月間検索数を表示する無料ツールで検索件数の多いものを調べられます。検索が全くないときは、ライバル企業のWEBサイトでよく使われているキーワード・共起語をリストアップし、STEP02の欲求と比べてください。普段戦っている競合のサイトにはヒントがあります。出てきたリストのうち、見込み客のお困り度が高い(インパクトの強い)ものを10個程度に絞り込みます。

STEP04:脚本づくり3——欲求に対する自社の提供価値を言語化する

絞り込んだ欲求ワードに対して、自社の商品・サービスがどのような価値を提供できるのかを明確にします。顧客の問題を解決するためにどう役立つのか、どんなメリットがあるのかを具体的に示してください。その際、単なる機能説明にとどまらず、顧客にとっての実益(ベネフィット)を強調し、自社の強みや独自性が伝わる表現を心がけます。顧客の欲求と自社の提供価値を紐づけることで、なぜ自社が最適なのかが明確になります。

STEP05:脚本づくり4——「バーチャル競合」を特定する

あなたの会社は、リアルの現場で相対する競合だけでなく、ネット検索であなたより上位に出る「バーチャルな競合」とも戦っています。見込み客が問題を解決しようとするときに使うキーワードの組み合わせでGoogle検索してください。社名が有名でなくても、上位に出てくる会社がバーチャル競合です。この分野を知らない見込み客ほど、検索結果に先に出てくる方へ近づいていきます。

STEP06:脚本づくり5——コンテンツシートにまとめる

STEP01〜05をまとめたシートを作成します。潜在顧客が問題・欲求を抱えてから、どのように解決しようとするかが見えるようにします。

  1. 見込み客はまずどのような探し方をするか 
  2. どのようなキーワードで探すか 
  3. 競合はどのような価値を発信しているか 
  4. 自社が知ってもらいたい一番強い提供価値は何か 
  5. それはどのような媒体・手法が適切か——の5点を整理してください。

媒体はテキストだけでなく、PDF、画像、動画(特に効果的)、スライド、印刷物など、できるだけ多くの種類を考案します。最後に、見込み客が動き始めてからあなたのコンテンツに気付くまでの道のりを描いてください。

STEP07:脚本づくり6——50以上の接点にコンテンツを配置する計画を立てる

出来上がったコンテンツ案を、潜在顧客との接点に配置して気付かせる計画を立てます。見込み客の行動は「検索だけ」ではありません。接点は、リアルの営業現場、人的ネットワーク、WEBサイト、展示会での名刺交換、電話、あいさつメール、DMなど、中小企業でも50以上存在します。網を張り巡らせ、その途中にコンテンツを置いて見込み客に気付いてもらう、という考え方です。

当社はマス媒体での広告は推奨しませんが、ネット広告は別です。リマーケティングやSNS広告(特に動画との組み合わせ)はターゲットを直接狙えるため効果的で、利用しない手はありません。

STEP08:脚本づくり7——アクションマップを完成させる

ここまで来ると全体の戦略マップが完成します。接点ごとに「なるほど」と共感させるコンテンツ(提供価値)を配置し、その先にある顧客の体験価値までを描いたアクションマップを作ります。当社のワークショップではA3用紙でお客様と一緒に作り上げます。マップには施策ごとに「社内のモチベーション」「投資可否」「事業効果の大きさ」の項目も入れ、最終判断しやすくします。経営陣やブランディングに携わっていない部署の人が見ても分かるよう、専門用語は極力避けてください。

STEP09:実行——複数の施策を淡々と仕掛ける

アクションマップで企画した戦術を実行します。「これでもか」というくらい複数の施策を仕掛けてください。とはいえPUSH型の営業や広告の乱発ではないので、激しい割には淡々としているはずです。捕獲の網を仕掛けていく感覚です。注意点として、1つのコンテンツは必ず3パターンくらいに展開してください。同じ内容をPDFに、動画に、メールマガジンに、といった具合です。潜在顧客は問題解決のために色々と動きます。その先に全部先回りするのです。

STEP10:改善——KPIを設定しPDCAを回す

アクションはやりっぱなしでは絶対にダメです。適切なKPI(重要業績評価指標)とKGI(重要目標達成指標)を設定し、PDCAサイクルを回してください。大切なのはC(チェック)とA(再アクション)、つまり継続的な修正力です。最初から成功を期待するより、徐々に成果を上げていくことを考えてください。KPIは細かく、取り組みやすいステップで設計し、どんなスキルの人でも段階を追って到達できるようにします。売上向上、価格競争からの脱却、競合と差別化されてコンペにならない仕組み——これらを構築できるのが、ブランディングと非広告のマーケティングです。

オンラインで知名度を上げる方法は?(8つの施策)

結論:オンライン施策は、低予算で始められて資産として積み上がるものが中心です。10ステップの脚本を乗せる「媒体」として、以下、代表的な8つの手法を特徴と注意点とともに紹介します。

① オウンドメディア・ブログ(コンテンツマーケティング) 

自社サイトで見込み客の課題解決に役立つ記事コンテンツを継続発信し、検索(SEO)経由の接点を作る手法です。キーワード選定を「自社が知られたい分野」に関連するテーマへ揃えることで、知名度と専門性の認識を同時に積み上げられます。お役立ち資料(ホワイトペーパー)のダウンロード導線を設置すれば、見込み客リストの獲得も可能です。効果が出るまで数か月かかりますが、記事は長期的な資産になります。AI検索時代には、AIに引用される情報源になることが新たな価値になります。

② SNS運用(X・Instagram・LinkedInなど) 

アカウントの運営と情報提供を通じてフォロワーとの接点を作り、投稿の拡散によって社名と強みを広げる手法です。売り込みではなく、役立つ情報や現場の様子の発信が信頼につながります。BtoB企業でも、Xやトレンドを押さえたInstagramのリール動画は効果的に活用できます。注意点は、投稿ごとにメッセージがぶれると記憶に残らないこと。「何で知られるか」の軸で発信内容を統一してください。

③ プレスリリース・広報PR 

新商品・新サービス・調査結果・イベント開催などをニュースとして配信し、メディアに取り上げてもらう手法です。第三者であるメディアの報道は、自社発信の広告より信頼性が高く、業界紙からWebニュースまで広がれば一気に露出が増えます。メディアが注目し、取材したくなるのは「独自性のある話題」なので、ここでも言語化された強みが弾になります。

④ 動画マーケティング(YouTube、Instagram Reelsなど) 

製品の使い方、製造の裏側、専門知識の解説などを動画で発信する手法です。文章より人柄や現場感が伝わりやすく、記憶に残りやすいのが特徴です。BtoBでは導入事例インタビューや技術解説、BtoCでは商品の魅力を伝える短尺動画が定番です。

⑤ Web広告・SNS広告 

リスティング広告やSNS広告といった広告プラットフォームで、新規のターゲット層に短期間でリーチする手法です。即効性がある一方、出稿を止めれば露出も止まる「フロー型」なので、単体では知名度の資産になりません。リマーケティングや動画×SNS広告などターゲットを直接狙える手法を、コンテンツへの入口づくりとして資産型施策と併用するのが正しい使い方です。新商品のプロモーションにも有効です。

⑥ ウェビナー・オンラインセミナー 

専門分野のセミナーをオンライン開催し、見込み客との接点を作る手法です。参加登録者のメールアドレスを起点にメルマガ(メールマガジン)で関係を継続でき、録画を見てもらえるオートウェビナーなら開催の手間なく接点を増やせます。

⑦ 導入事例・お客様の声の発信 

実際の顧客の課題と成果を事例コンテンツとして公開する手法です。見込み客は自社と似た企業の事例に強い興味を持つため、「この分野の実績がある会社」という認知の獲得に直結します。BtoBの知名度向上では最も費用対効果の高い施策の一つです。

⑧ 口コミ・レビュー・インフルエンサー活用 

第三者の評価を通じて信頼と認知を広げる手法です。BtoCではレビューサイトやインフルエンサーの紹介、BtoBでは比較サイトへの掲載や顧客の推薦が該当します。自社でコントロールしにくい領域ですが、良い口コミが生まれる体験設計と、紹介したくなる「語りやすい強みの一文」を用意しておくことが土台になります。

オフラインで知名度を上げる方法は?(6つの施策)

結論:オフライン施策は、対面の接触による記憶の深さと、地域・業界への浸透力が強みです。オンラインと組み合わせることで効果が倍増します。

① 展示会・イベント出展

業界の展示会に出展し、ターゲット企業の担当者と直接接点を作る手法です。BtoBの定番で、新規顧客と出会えるチャンスですが、ブースで「何の会社か」が一言で伝わらなければ、名刺の山だけが残ります。出展前に「何で知られたいか」のメッセージを一つに絞る工夫が成否を分けます。

② セミナー登壇・講演

業界団体や大学、他社主催のセミナーに専門家として登壇する手法です。「教える立場」での露出は、広告では買えない権威性と信頼の認識を作ります。

③ 業界紙・新聞・雑誌への寄稿と取材対応

専門メディアに記事を寄稿したり、取材を受けたりする手法です。プレスリリースと同様、第三者メディア経由の露出は信頼性が高く、業界内での知名度に直結します。弊社の顧客である製造メーカー(ユニークな業務用チェアを作っているところ)はテレビのニュース番組の取材が入ったところから火が付き、他のチャンネルも含めて地上波、BSを全部制覇したところもあります。

④ マスメディア広告(テレビCM・ラジオ・新聞広告)

全国規模の認知を短期間で獲得できる一方、費用が大きく、中小企業には投資対効果の見極めが必須の手法です。重要なのは、本記事冒頭の年間5億円CMの実例が示すとおり、「何で知られるか」が設計されていない広告は、社名の音だけを届けて終わるということです。マス広告を使うなら、伝えるメッセージの言語化が先です。

⑤ 交通広告・屋外広告

駅や電車、看板などで地域のターゲットに反復接触する手法です。商圏が明確な事業や、採用強化したいエリアでの社名浸透に向きます。

⑥ スポンサー活動・地域貢献

スポーツチームのスポンサーや地域活動への参加を通じて、社会的な信頼と好印象を積み上げる手法です。即効性はありませんが、長期的な企業イメージの資産になります。弊社の顧客では、地域のバスケットボール(社会人もあれば、有名な高校へのスポンサー事例もあります)、サッカー(地域の女子サッカー)などもあります。金額的にもそのエリアに広める程度のものであれば大きくかからないことが多いです。

施策はどう組み合わせる?(成果につながる3つの型)

結論:単発の施策では知名度は定着しません。目的別に施策を連携させる「型」で設計してください。代表的な3つの型を紹介します。

型1:資産先行型(中小BtoBの標準形)

まず強みの言語化を行い、導入事例とオウンドメディアで検索経由の接点を作り、蓄積したコンテンツを武器にプレスリリースや業界紙への寄稿でメディア露出を獲得し、展示会で対面の接点に接続する流れです。低予算で始められ、すべての活動が資産として残ります。

型2:話題起点型(新商品・BtoC向き)

新商品の発表をプレスリリースとSNSキャンペーンで同時に仕掛け、動画コンテンツで魅力を伝え、購入者の口コミ・レビューが自然に広がる状態まで設計する流れです。短期間の集中露出と、その後の拡散の受け皿をセットで用意することが成功の条件です。

型3:採用強化型

優秀な人材の獲得を目指す型です。強みの言語化を採用向けに翻訳し、採用ページとSNSでの現場発信を軸に、必要に応じて通勤圏の交通広告で社名の反復接触を加える流れです。求職者は応募前に必ず検索するため、検索結果に出てくるコンテンツの充実が土台になります。
施策の選択肢は多岐にわたりますが、短期と中長期の両方を見据えて編成してください。どの型でも共通するのは、起点が常に「何で知られるかの言語化」であることです。型は乗り物の編成であり、積み荷が空なら、どう編成しても目的地には何も届きません。

BtoB企業とBtoC企業で、進め方はどう違う?(T.R.U.S.T.実践プログラム)

結論:BtoBは「狭く深く」、BtoCは「広く印象的に」が基本です。この違いを踏まえて、ここでは、T.R.U.S.T.理論を実際の施策に落とし込んだ、企業タイプ別・短期/長期別のプログラムを紹介します。

BtoC企業・短期プログラム:SNSとインフルエンサーを活用した情報拡散

インフルエンサーは有名YouTuberだけではありません。InstagramやTikTokで相当なフォロワーを持つ一般の発信者や、フォロワー数は少なくてもエンゲージメントの高いアカウントも立派なインフルエンサーです。あなたのマーケットの商品発信がうまい人は確実に存在します。進め方は5ステップです。

  1. 自社ブランドの世界観と価値観の明確化:大切にしている価値観・体験価値・メッセージを整理し、世界観を表現するクリエイティブ素材を準備します。存在意義を明確にすることで透明性(Transparency)が高まり、共感を呼ぶブランドストーリー(Tale)の土台ができます。
  2. コラボするインフルエンサーの選定:発信内容とフォロワー属性を確認し、ブランドとの親和性を評価します。世界観に合致する相手を選ぶことが、信頼性の維持につながります。
  3. コラボ企画の立案:商品の魅力をインフルエンサーの視点から伝え、ブランドの世界観が自然に入るオリジナリティある企画にします。インパクトのある企画は話題性(Remarkability)を高めます。
  4. キャンペーンの実施とSNS拡散:アフィリエイトに見えないよう、発信者自身の言葉で紹介してもらい、自社アカウントでも告知・シェアします。ハッシュタグでユーザー参加型の投稿を促進し、期間中は反応をモニタリングします。
  5. 効果測定と次回への反映:リーチ数・エンゲージメント率・販売数を計測し、知見を次回企画へ反映します。1回で終わりにせず、コラボしたインフルエンサーは「資産」として長期的なブランドアンバサダー関係を検討してください。

BtoC企業・長期プログラム:ブランドの世界観を育てる3ステップ

  1. ブランドパーパスと世界観の明確化:存在意義と独自の価値観を言語化し、ストーリーを視覚的・感覚的に表現するブランドアセットを整備します。
  2. コミュニティマーケティングの実施:SNSやオウンドメディアで自社ブランドを中心としたコミュニティを形成し、ユーザー同士の交流を促進して愛着を醸成します。コミュニティ内で自然発生するストーリーは、広告と違う自然な口コミとして広がります。
  3. CX(顧客体験)の改善とサプライズ演出:購買体験の不便・不満を改善し、期待を超える心地よいサプライズを織り込みます。独自の体験価値は差別化(Uniqueness)となり、感動的な体験は話題性(Remarkability)としてSNSで自然に拡散されます。

長期施策で注意すべきは、目先の結果にとらわれず長期的な視点を持つこと、全社一丸で取り組むこと、顧客の声をフィードバックとして活かす柔軟性、失敗を恐れずチャレンジする姿勢、小さな成果も祝福してチームのモチベーションを高めること、そして社内だけで完結せず専門家の知見を活用することです。

BtoB企業・短期プログラム:ABMとリードナーチャリング

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、特定の重要企業をターゲットとして戦略的にアプローチする手法で、「VIP顧客へのオーダーメイドサービス」のイメージです。高級ホテルが重要顧客の好みを徹底的にリサーチし、部屋の設備からコンシェルジュの情報まで個別に調整するように、重要アカウントの課題を深く理解し、その企業に特化したコンテンツやウェビナーで直接訴求します。画一的なマーケティングではなく、個々の重要顧客に合わせたオーダーメイドのアプローチにより、高い成約率と顧客生涯価値(LTV)を実現できます。

リードナーチャリングとは、見込み客(リード)の購買意欲を育て、商談につなげる活動で、「植物を育てる過程」に似ています。リード獲得が種まき、コンテンツが水や養分です。最初は問題の認識を高める基礎情報(初めての方向け・まとめ記事など)を提供し、理解が深まったら製品の特徴・メリット・導入事例といった具体的なソリューション情報を、関心が高まったらお試しやデモ体験の機会を提供します。一度に大量の情報を与えるのではなく、見込み客の状態に合わせて段階的に情報を届けることで、信頼関係と高い成約率が実現します。

実施内容は、重要顧客のリストアップと分析、顧客ごとの課題特定と自社ソリューションの適合性評価、個別コミュニケーションプランの策定とパーソナライズされたコンテンツ制作、ウェビナー等での教育的アプローチ、反応の追跡と最適化です。顧客一人ひとりの課題に自社ソリューションがいかに必要不可欠か(必然性)を訴求し、高度にカスタマイズされた提案で独自の価値(独自性)を際立たせます。

BtoB企業・長期プログラム:専門性で選ばれる3ステップ

  1. 自社の強み・ベネフィットと専門性の明確化(視える化):製品・サービスの独自性と競合優位性を整理し、提供価値を端的に表現するメッセージを策定します。強みをデータや事例に基づいて示すことで透明性が高まり、差別化ポイントの明確化により競合比較で選ばれる確率が上がります。
  2. コンテンツ制作と発信:専門領域に関する質の高い記事・ホワイトペーパー・動画を制作し、オウンドメディアやSNS、業界メディアで継続発信します。顧客の課題に直結する専門的コンテンツは自社の必然性を高め、課題解決までのストーリーを描くことで共感を呼びます。
  3. カスタマーサクセスストーリーの活用:実際の顧客の成功事例を詳細なストーリーとして記事化し、課題とソリューションの有効性を具体的に示します。潜在顧客は自らの状況に重ね合わせて有効性を実感でき、ブランドのファン(BtoB事業でもファンは重要です)を増やすことにつながります。

費用と期間はどう考えればよいのか?

結論:施策は「即効性があるが費用が続くフロー型」と「時間はかかるが資産になるストック型」に分かれます。予算と期間の設計は、この2軸で考えてください。

フロー型(Web広告・マス広告・展示会など)は、出稿・出展した期間だけ露出が得られ、短期間で認知のきっかけを作れます。ただし止めれば効果も止まり、費用(コスト)は継続的にかかります。ストック型(オウンドメディア・SNS・動画・導入事例など)は、成果が出るまで数か月〜年単位の継続が必要ですが、作ったコンテンツが資産として残り、費用対効果は時間とともに向上し、市場での認知の成長を支えます。

予算が限られる中小企業の基本戦略は、ストック型を主軸に据え、フロー型は新商品発表や採用強化などの勝負どころに絞って投下することです。そして繰り返しになりますが、どちらの型でも、投じる前に「何で知られるか」の言語化を済ませておくことが、すべての施策の投資効率と費用対効果を左右します。

私がドコモで痛感した「物量」の限界

結論:知名度の物量戦がいかに危ういかを、私は当事者として経験しています。誰でも知っているNTTでさえ、無名のライバルと比べてシェアをどんどん減らしていく——その当事者だったのが、NTTドコモで広告宣伝を担当していた私です。

NTTドコモは携帯電話・ポケットベルを保証金なし(当時は保証金が必要な時代でした)で一般顧客向けにスタートしたあと、規制緩和によりデジタルホン、ツーカーセルラーなど多くの競合が参入し、あっという間にシェアを落としました。当時のドコモの広告費は他社と比べて圧倒的でした。旬のタレントを総動員してCMを作り、テレビをCMで埋め尽くし、交通広告を寡占し、新聞にも一面広告を数多く掲載しました。

ところが——広告費の支出は、シェア拡大どころかシェアキープにもつながらず、シェアはどんどん減っていきました。それにもかかわらず、知名度は圧倒的に高い、知らない人はいない、という状態だったのです。知名度が高くても、なぜ勝てなかったのか。名前は知られていても、「選ぶ理由」は競合の方が作れていたからです。この経験が、当社が「引き寄せ型」の非広告ブランディングを事業の核に据えた原点です。露出の物量ではなく、相手の頭の中にどんな認識を作れるか。それが知名度の勝負の本質です。

知名度はどう測ればよいのか?(効果測定)

結論:知名度は感覚ではなく、「指名検索数」を中心に定点観測します。社名やサービス名で検索される回数は、名前がどれだけ想起されているかを映す、最も実務的な指標です。

あなたは「自分の会社は知名度がない」と思っているかもしれません。しかし、あなたの知らないところで、製品名や型番、評判が調べられていることがあります。それを簡単に確認できるのが、検索数や順位ごとのアクセス数を予測する外部の無料ツール「aramakijake」(https://aramakijake.jp/)や「Ubersuggest」です。30秒もあれば調査できます。数値には誤差がありますが、目安としては十分です。もしかしたら、あなたの会社の製品名や型番が、思った以上に検索されているかもしれません。

指名検索に加えて、既存顧客・見込み客へのアンケート調査(当社を何で知りましたか、どんな会社だと認識していますか)、SNSのフォロワー数と言及数、展示会やセミナーでの「御社のことは知っていました」という声の記録も、認知の変化を掴む材料になります。数字は月次で収集・記録し、施策の前後で増加の度合いを比較してください。

さらにAI検索時代の最新の測り方として、ChatGPTやGeminiに「〇〇(自社の分野)で知られている会社は?」と月次で聞き、自社の名前が挙がるかを確認することをおすすめします。指名検索と被引用を含めた効果測定の全体設計は、KPIの解説記事で詳しく紹介しています。

まとめ:何から始めればよいか?        

結論:施策の一覧から選ぶ前に、「自社は何で知られるべきか」の言語化から始めてください。施策は手段にすぎず、知名度は広告の物量で買うものではなく、選ばれる理由を正しい順序で、適切な施策に乗せて届けた結果として積み上がるものです。年間5億円のCMでも動かなかった認識が、言語化と一貫した発信で動く——それが750社超の支援で確認してきた事実です。

ただし、社内にいると自社のことが当たり前になり、価値を過大にも過小にも見積もりがちです。ライバルとの比較もバイアスがかかります。だからこそ、第三者の客観的な視点で自社のブランド力と立ち位置を診断することが、効果的な施策立案の大前提になります。何で知られるべきかが自社だけでは定まらない場合は、株式会社ベレネッツへお気軽にご相談ください。

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認知度が上がるとビジネスが一変

FAQ(知名度向上に関するよくある質問)

Q. 広告を使わずに、会社の知名度を上げることはできますか?

A. 結論:できます。オウンドメディア・SNS・プレスリリース・導入事例の発信など、低予算で始められるストック型の施策で積み上げられます。むしろ広告予算で大手に劣る中小企業ほど、この方法が向いています。

Q. 知名度が上がれば、売上も上がりますか?

A. 結論:名前が知られるだけでは売上は変わりません。年間5億円超のテレビCMを打っても営業面の変化がなかった実例があります。「何がすごい会社か」という認知度の中身とセットで設計して初めて、問い合わせや受注につながります。

Q.効果が出るまで、どれくらいの期間がかかりますか?

A.結論:フロー型(広告・展示会)は短期間で露出が得られ、ストック型(コンテンツ・SNS)は数か月〜年単位の積み上げです。ただし指名検索数などの先行指標は早期から動くため、月次で記録して変化を確認してください。

Q. 費用はどの施策から投じるべきですか?

A. 結論:まず費用のかからない「何で知られるかの言語化」に取り組み、次にストック型(オウンドメディア・SNS・導入事例)を主軸に据え、フロー型の広告は勝負どころに絞るのが、中小企業の基本戦略です。

Q. BtoB企業に向いている施策はどれですか?

A. 結論:展示会・業界紙・ウェビナー・導入事例など、特定の業界・部門に深く届く施策です。ターゲットが限られるBtoBでは、広く浅いマス広告より、狭く深い接点の方が費用対効果に優れます。

Q. 知名度はどうやって測ればよいですか?

A. 結論:社名・サービス名での指名検索数を無料ツールで定点観測するのが最も実務的です。アンケート調査やSNSの言及数を併用し、AI検索時代は生成AIに自社の分野を聞いて名前が挙がるかも月次で確認してください。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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