会社の知名度が低い・上がらない原因とは?7つの原因と対策

知名度が上がらない原因は露出不足ではなく、「何で知られるか」の設計不足にあります。

なぜ、頑張っているのに知名度が上がらないのか?

結論から言えば、知名度が上がらない会社の大半は、努力の量ではなく努力の向きを間違えています。SNSを更新し、サイトをリニューアルし、広告も出している。それでも知られない——その原因は、露出の不足ではなく、露出に乗せる中身と順序の設計不足にあります。

私はNTTドコモで年間150億円を超える広告費を運用し、独立後は750社超の企業ブランディングを支援してきました。その両方の経験から言えるのは、知名度の問題は「予算の問題」に見えて、実際にはほとんどが「設計の問題」だということです。本記事では、知名度が上がらない7つの原因を診断形式で解説します。自社に当てはまるものを特定し、対策から着手してください。

知名度が上がらない7つの原因とは?

結論:原因は次の7つに集約されます。複数が同時に当てはまる会社がほとんどです。

原因1:「知名度=露出量」と考えている

最も多く、最も根深い原因です。露出量の勝負は、より多くの予算を持つ大手が勝つ物量戦です。私が在籍したNTTドコモは、旬のタレントを総動員し、テレビをCMで埋め尽くし、交通広告を寡占し、新聞に一面広告を打ちました。それでも新規参入のNCCにシェアを奪われ続けました。物量で圧倒した側が負ける——露出量と選ばれることは、別の勝負だからです。

対策:露出を増やす前に「何で知られるか」を設計する。予算の少ない会社ほど、この順序が生命線になります。

原因2:「何で知られたいか」が言語化されていない

社名を知ってほしい、とは思っている。しかし「何の会社として知られたいか」を一文で言えない。この状態で発信を続けると、受け手には「何かをやっている会社」という薄い印象しか残りません。当社の顧客のある製造業は、年間5億円を超えるテレビCMで社名を広めましたが、営業面の変化はゼロでした。名前だけが浸透し、選ばれる理由が何も伝わっていなかったのです。

対策:競合が言えない自社の差別化要素を掘り起こし、顧客に伝わる一文にする。すべての対策の起点です。

原因3:発信の中身が自社目線になっている

「当社の技術は」「当社の実績は」という主語が自社の発信は、見込み客の記憶に残りません。人は電動ドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいからドリルを買います。見込み客が探しているのは社名でも機能でもなく、自分の問題を解決するベネフィットです。ベネフィット抜きの発信は、どれだけ量を出しても素通りされます。

対策:発信の主語を顧客に変え、「あなたのこの問題を解決できる」というベネフィットから語る。

原因4:施策が単発でバラバラになっている

展示会に出た、プレスリリースを1本打った、SNSを始めた——それぞれが単発で、伝えるメッセージもバラバラ。これでは認識が積み上がりません。記憶は反復と一貫性で作られます。チャネルごとに言うことが違う会社は、何度接触されても「何の会社か」が定着しません。

対策:「何で知られるか」の一文を軸に、全チャネルで同じメッセージを反復する。1つのコンテンツは3パターン(記事・動画・資料など)に展開して接点を広げる。

原因5:見込み客との接点に発信が置かれていない

良いコンテンツを作っても、見込み客が通る場所に置かれていなければ存在しないのと同じです。見込み客は検索、営業現場、展示会、紹介、メールなど、中小企業でも50以上の接点を通ります。特に見落とされがちなのが検索です。あなたの会社は、リアルの競合だけでなく、検索結果であなたより上に出る「バーチャル競合」とも戦っています。検索で出てこない会社は、比較の土俵にすら上がれません。

対策:見込み客の行動を描き、50以上の接点のどこにコンテンツを置くかを計画する(ピラー記事の10ステップ・STEP07参照)。

原因6:成果が出る前にやめてしまっている

コンテンツやSNSなどストック型の施策は、成果が出るまで数か月〜年単位かかります。多くの会社は、この立ち上がりの期間に「効果がない」と判断してやめてしまいます。実際には、正確な知識で行動を継続できる会社は少数派です。当たり前のことですが、99%の会社は行動しません。だからこそ、続けた会社が勝ちます。

対策:フロー型(広告)とストック型(コンテンツ)の時間軸の違いを理解し、ストック型は最低でも半年〜1年の継続を前提に計画する。

原因6:測っていないので、改善が回っていない

知名度を「なんとなく上がっていない気がする」という感覚でしか捉えていない会社は、どの施策が効いていて、どこが詰まっているのかを特定できません。測っていなければ、改善のしようがないのです。

対策:指名検索数を無料ツールで月次観測し、アンケートで認識の中身を確認する。KPIを置いてPDCAを回す(測定の全体設計は関連記事参照)。

自社の原因はどれか?——3分でできる簡易診断

結論:次の3つの質問に答えるだけで、7つの原因のどこから手を付けるべきかが概ね特定できます。

  1. 「自社は何で知られたいか」を一文で言えますか?——言えなければ原因2・3から。すべての土台です。
  2. その一文を、サイト・営業資料・SNSのすべてで一貫して発信していますか?——していなければ原因4・5から。
  3. 指名検索数を毎月記録していますか?——していなければ原因7から。現状の数字を残さないと、改善は語れません。

3つすべてにイエスと答えられるのに知名度が上がらない場合は、原因6(継続期間)か原因1(施策の土俵選び)の可能性が高いです。露出の物量勝負に踏み込んでいないか、ストック型の立ち上がり期間を待てているかを確認してください。

原因がわかったら、次に何をするか?

結論:原因の番号が何であれ、対策の起点は共通で、「何で知られるか」の言語化です。原因2・3はもちろん、原因4の一貫性も、原因5の接点設計も、軸となる一文がなければ組み立てられません。

言語化を起点に、正しい順序で施策を設計する具体的な手順は、こちらの記事の10ステップで解説しています。知名度が低いままだと、価格でしか比較されない状態も併発しやすくなります。心当たりがある場合は、価格競争からの脱却の解説記事もあわせてお読みください。

まとめ:原因は予算ではなく、設計にある

結論:知名度が上がらない7つの原因のうち、予算が本質のものは一つもありません。すべて設計と順序の問題であり、つまり今日から直せる問題です。

年間150億円の広告費でもシェアを守れなかった会社と、広告なしで指名される会社の違いは、物量ではなく「何で知られるかの設計」にありました。まず簡易診断の3問から始めてください。自社だけで原因の特定が難しい場合は、株式会社ベレネッツへお気軽にご相談ください。

併せてこちらの記事もお読みください

FAQ(知名度が上がらない悩みに関するよくある質問)

Q. 予算が少ないことが、知名度が上がらない一番の原因ではないですか?

A. 結論:違います。年間150億円規模の広告費でもシェアを守れなかった実例がある一方、広告なしで指名される会社もあります。原因は予算の多寡ではなく、「何で知られるか」の設計と発信の一貫性にあります。

Q. 社名が覚えにくいことが原因でしょうか?

A. 結論:社名の覚えやすさの影響は小さいです。人はベネフィットに納得したうえで社名を覚えるため、覚えにくい社名でも「〇〇ならあの会社」という認識は作れます。社名変更より先に、中身の言語化に取り組んでください。

Q.原因を直したら、どれくらいで知名度は改善しますか?

A.結論:施策によります。広告や展示会などフロー型は短期間で露出が戻り、コンテンツやSNSなどストック型は数か月〜年単位の積み上げです。ただし指名検索数などの先行指標は早期から動くため、月次で記録して変化を確認してください。

Q. 7つの原因のうち、複数当てはまる場合はどこから手を付けるべきですか?

A. 結論:原因2(言語化されていない)からです。「何で知られるか」の一文は、一貫性・接点設計・継続・測定のすべての土台になるため、ここを直すと他の原因の対策も連鎖的に進みます。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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