
プレスリリースの目的は配信ではなく報道されること。鍵は独自性をニュースの型に載せることです。
プレスリリースで知名度は上がるのか?
結論から言えば、上がります。ただし条件があります。プレスリリースの目的を「配信すること」ではなく「メディアに取り上げられること」に置くことです。配信しただけのリリースは、誰の目にも触れずに埋もれます。報道されて初めて、第三者の信頼をまとった露出が生まれます。
この「第三者性」がプレスリリース最大の価値です。広告は自分で自分を良く言う発信ですが、報道はメディアという第三者が「伝える価値がある」と判断した情報です。受け手の信頼の質がまったく違います。しかも広告枠を買うわけではないため、費用は配信の実費程度に抑えられます。中小企業が広告に頼らず知名度を上げる資産型戦略の中でも、費用対効果の高い一手です。
なぜ広告よりプレスリリースが中小企業に向くのか?

結論:広告が「名前」を届けるのに対し、報道は「文脈ごと」届けてくれるからです。
当社の顧客のある製造業は、年間5億円を超えるテレビCMで社名を広めましたが、営業面の変化はゼロでした。広告は接触の回数を買えても、「なぜこの会社がすごいのか」という文脈まで刷り込むことは困難だからです。一方、記事として報道される場合、メディアは背景・理由・意義まで含めて書きます。読者には「何をした、どんな会社か」が物語として届きます。知名度と認知度(中身の理解)を同時に積める露出は、報道ならではです。さらに掲載記事はWeb上に残り、検索やAIの引用元にもなる資産になります。
露出の広がり方にも、中小企業向きの階段があります。最初の掲載先は業界紙・専門Webメディアで十分です。そこでの掲載実績が信頼の証明となり、より大きなWebニュース、そして一般メディアへの転載や取材へと連鎖していきます。いきなり全国紙を狙うのではなく、自社の見込み客が読んでいる専門メディアから足場を作る——この順番が、BtoB企業の広報の定石です。
メディアはどんな話題を取り上げるのか?(ニュース価値の6つの型)

結論:メディアが取り上げるのは「読者にとってのニュース」であって、あなたの会社の宣伝ではありません。自社の話題を次の6つの型のどれかに載せられるかが分かれ目です。
- 新規性:業界初・地域初・日本初など、「初」が付く事実。
- 独自性:他社にはない技術・製法・取り組み。言語化された差別化要素が、そのまま話題の源泉になります。
- 時事性:いま社会で話題のテーマ(法改正・季節・トレンド)と自社の取り組みの接続。
- 社会性:地域貢献・環境・雇用など、公共の関心事への寄与。
- 数字・調査データ:自社で実施した調査の結果。一次データはメディアが最も引用しやすい素材です。
- 意外性:常識の逆・異色の組み合わせ・ギャップ。
6つの型を見て気付くはずです。話題づくりの半分は、自社の強みの言語化で既に終わっています。「他社と何が違うのか」が一文になっていれば、それを型に載せ替えるだけでニュースになるのです。
取り上げられるリリースのつくり方5ステップは?

結論:①核を決める→②型に載せる→③結論ファーストで書く→④一次情報を入れる→⑤受け皿を用意する、の順で作ります。
- 核を決める:言語化された独自性のうち、今回伝える一点を選ぶ。あれもこれも入れたリリースは、何のニュースか分からなくなります。
- ニュースの型に載せる:その一点を6つの型のどれで語るかを決め、「読者にとって何のニュースか」を主語にする。
- 結論ファーストで書く:タイトルと第一段落だけで全体が分かる構成にする。記者は毎日大量のリリースを数秒で仕分けています。
- 一次情報と数字を入れる:具体的な数値、写真、コメント。記者がそのまま記事にできる素材が揃っているほど採用されやすくなります。
- 受け皿を用意する:報道を見た人が検索して辿り着く自社サイト側に、詳しい解説ページを先に作っておく。報道は入口であり、認識を固めるのはサイトの役目です。
リリース本体の基本構成は?

結論:採用されるリリースの構成は概ね決まっています。
①タイトル(結論と数字を含む一文)、②リード(5W1Hで全体を3行要約)、③本文(背景→内容→意義の順)、④代表者または担当者のコメント、⑤会社概要と問い合わせ先、⑥そのまま使える画像素材、の6点セットです。
記者の立場で考えると、この構成の意味が分かります。忙しい記者は、タイトルとリードだけで採否を決め、採用したら本文とコメントを素材に記事を組み、画像を添えて仕上げます。つまりリリースとは「記者が最小の手間で記事化できる部品一式」なのです。特に画像素材の有無は採用率を大きく左右します。製品写真・現場写真・図解を、権利関係をクリアにした状態で必ず添付してください。
プレスリリースでよくある失敗は?

結論:最も多い失敗は、リリースが「宣伝文」になっていることです。
「当社の製品は高品質で」という自社目線の文章は、記者にとってニュースではありません。次に多いのが単発で終わることです。メディアとの関係は継続的な発信で育ちます。1本で結果を求めず、四半期に1本などのペースで型を変えながら出し続けてください。3本目、5本目で初めて取材の声がかかることは珍しくありません。
効果の測定は、掲載数だけでなく、掲載後の指名検索数の変化と、掲載記事からの流入・被リンクで追います。測定の全体設計は効果測定の解説記事をご覧ください。
まとめ:配信ボタンより先に、話題を設計する
結論:プレスリリースの成否は、書く前に決まっています。
言語化された独自性を6つの型に載せ、読者にとってのニュースに翻訳できるか。ここが設計できれば、中小企業でも費用をかけずに第三者の信頼をまとった露出を獲得できます。
何を話題にすべきか自社だけでは見えない場合は、株式会社ベレネッツへお気軽にご相談ください。
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FAQ

Q. 出せるようなニュースが自社にはありません。どうすれば?
A. 結論:ニュースは「探す」ものではなく「翻訳する」ものです。日常業務の中の独自の工夫や、自社で取れる調査データは、6つの型に載せ替えればニュースになります。まず差別化要素の言語化から始めてください。
Q. 配信サービスは使うべきですか?
A. 結論:初期は配信サービスの利用が効率的です。ただし配信して終わりにせず、自社に関連する業界メディアの記者へ個別に届ける努力を併用すると、採用率が大きく変わります。
Q.どれくらいの頻度で出すべきですか?
A.結論:四半期に1本が目安です。頻度より継続が重要で、型を変えながら出し続けることでメディアとの関係が育ち、3本目・5本目で取材につながるケースが多くあります。無理に月次で薄いネタを出すより、練った1本を確実に届けてください。
Q. 掲載されなかったら、リリースは無駄になりますか?
A. 結論:無駄になりません。リリースは自社サイトにも掲載でき、独自性を言語化したコンテンツ資産として検索やAIの引用対象になります。また継続的な発信自体が、記者との関係づくりになります。
Q. 地味なBtoB企業でも取り上げられますか?
A. 結論:取り上げられます。業界紙・専門メディアは、その分野の独自の取り組みを常に探しています。一般紙より業界メディアから始めるのがBtoBの定石です。







