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AI検索時代にBtoBブランディングはどう変わる?AIに選ばれる会社になるには

AIが回答の入口になる時代は、一次情報を言語化した会社がAIに引用され、選ばれます。

AI検索で、見込み客の行動はどう変わったのか?

結論から言えば、見込み客は「検索結果の一覧から選ぶ」のではなく、「AIがまとめた答えを最初に読む」ようになりました。2025年9月、Googleは日本で「AIモード」の提供を開始し、検索画面の最上部にAIが生成した回答が表示される体験が標準になりつつあります。

あなたも実際に何かをGoogleで検索する時には「検索結果の中の回答」とクリックするのではなく、上部に表示されたAIO(AIオーバービュー)の回答を深く読もうとしていませんか?

変化は表示だけではありません。検索の仕方そのものが変わっています。海外の調査では、AI検索に入力されるクエリは平均8〜10語へと長文化し、キーワードの羅列から「〇〇に強い会社はどこ?」といった自然な質問文へ移行していると報告されています。BtoBの購買担当者も例外ではありません。展示会や紹介の前に、まずAIに「この課題を解決できる会社」を聞く——そんな情報収集が始まっているのです。

つまり、AIがどの会社を回答の根拠として引用するかが、見込み客との最初の接点を左右する時代になりました。

なぜ「検索順位」だけでは選ばれなくなるのか?

結論:順位とAIの引用が、必ずしも連動しなくなったからです。海外の大規模調査では、GoogleのAIによる概要に引用されたページのうち、検索結果トップ10に入っていたのは約38%にとどまり、以前の70%台から大きく低下したと報告されています。

さらに、AIが答えを画面上でまとめてしまうため、ユーザーがリンクをクリックしない「ゼロクリック検索」が増えています。海外の調査ではAIモードから外部サイトへのクリック率は3%未満とされ、「検索順位は維持しているのに問い合わせが減った」という現象が実際に起きています。

弊社や、弊社顧客のWEBサイトでも顕著で、Google1位に出現するキーワードが3年前はクリック率46%だったのが、現在は8%くらいに激落しているものもあります。この現象を見ると本当にショックです。1〜2例であれば稀な事例として片付けられるのですが、1位〜3位に出現するほとんどで、この状況が起こっているのです。(もちろん46%→8%のような例ばかりではないですが、全てにおいてクリック率が落ちています)

これは悲観材料に見えますが、裏を返せば構造は明快です。AIの回答には根拠となるページへのリンクが表示されるため、AIに引用される会社には、要約を読んだ上で「もっと詳しく知りたい」「この会社に相談したい」という、検討度の高い見込み客だけが訪れるようになります。量の流入から、質の接点へ。これがAI検索時代の入口の変化です。

AIはどんな会社の情報を引用するのか?

結論:弊社にも毎日のようにメール、FAXでAI対策します、というセールが来ます。ところが実際のところは、AI引用は特別な裏技で選ばれるのではなく、「検索に正しく評価され、かつ一次情報を持つ」会社が引用されます。

Googleは公式に、AI回答の仕組みを「検索インデックスから関連性の高いページを取得して回答を作る」(RAG=検索拡張生成)と説明しています。つまりAIに引用されるための第一関門は、従来どおり検索に認識・評価されることです。

Googleは「生成AI検索でもSEOは有効か」という問いに「有効です」と即答し、「AI機能への表示に特別な最適化は不要」とも明言しています。AIモードの開発責任者も、AI回答の根拠には従来の権威性・信頼性の評価(E-E-A-T)がそのまま使われており、「検索に強いサイトはAIモードでも強い」と語っています。

その上で、AIが優先して引用するのは、専門性・独自性・実体験のあるコンテンツです。誰でも書ける一般論は、AI自身が要約できてしまうため引用する価値がありません。その会社しか語れない経験、実際の事例、製法や開発の背景——こうした一次情報こそが、AIにとって「引用する理由」になります。

BtoBブランディングは何が変わり、何が変わらないのか?

結論:露出する場所と測る指標は変わりますが、核である「選ばれる理由の言語化」は変わりません。むしろ、その価値が上がります。

観点変わること変わらないこと
見つけられ方検索結果の一覧 → AIの回答内での引用・言及見込み客が「信頼できる情報源」を求める構造
発信の設計質問に答える構造(結論ファースト・Q&A)が必須に有益な情報提供で信頼を積み上げる引き寄せ型
測る指標順位・PVに加えて「被引用数」を追う認知→行動→成果の3層で効果を測る考え方
競争の核一次情報・実体験・差別化要素の言語化

私はこの変化に、既視感を覚えます。NTTドコモ時代、NTTグループの潤沢な広告予算という「物量」で圧倒していたにもかかわらず、投資額でははるかに少ないNCC(新規参入事業者)にシェアを奪われました。物量のPUSHではなく、相手の頭の中にどんな認識を作れるかが勝敗を決める——この教訓を原点に、ベレネッツは25年間「引き寄せ型」のブランディングを続けてきました。AI検索時代は、この構造が検索の世界でも起きたと言えます。広告費や更新量という物量ではなく、「AIが自信を持って引用できる一次情報を持っているか」という質が、露出を決めるようになったのです。引き寄せ型ブランディングは、AI時代への対応策として後付けされたものではなく、AI時代が引き寄せ型に追いついてきた、というのが私の実感です。

AI時代に選ばれる会社になる3つの実践は?

結論:「一次情報の言語化」「質問に答える構造での発信」「AIでの見え方の確認」の3つを回します。

  1. 一次情報を言語化する:自社の暗黙知——実際の事例、開発や製法の背景、現場の経験——を掘り起こして言葉にします。これはブランディングのSTEP2(差別化要素の言語化)そのものであり、AI対策の中核でもあります。
  2. 質問に答える構造で発信する:見込み客がAIに聞きそうな質問を想定し、質問形式の見出しと結論ファースト(結論→理由→具体例)でコンテンツを構成します。AIは、質問への答えが明確に整理されたページを引用しやすいためです。
  3. AIでの見え方を確認する:ChatGPTやGeminiに「〇〇(自社の分野)でおすすめの会社は?」と聞き、自社が推薦されるか、競合がなぜ推薦されるかを月次で確認します。被引用の状況を新しいKPIとして記録し、引用されない原因をコンテンツ改善に反映します。

注意点も一つ。「AI対策専用の特別なファイルやタグを設置すれば引用される」という情報を見かけますが、Googleは特別な最適化は不要と公式に述べており、たとえばLLMs.txtというファイルについても「Google検索では使用されない」と明言しています。近道を探すより、一次情報の言語化と発信という王道を積み上げることが、結局は最短ルートです。

まとめ:どこから始めればよいか?          

結論:AI検索時代への備えは、新しい技術対応ではなく、ブランディングの徹底です。自社ならではの経験・事例・強みを言語化し、質問に答える形で発信し続ける。この積み重ねが、検索にもAIにも「この分野ならこの会社」と認識される状態をつくります。変化の入口で慌てて小手先の対策を探すのではなく、選ばれる理由という資産を育て始めてください。何から言語化すべきか迷う場合は、ベレネッツにご相談ください。

FAQ(BtoBブランディングに関するよくある質問)

Q. AI対策のために、特別なファイルやタグを設置すべきですか?

A. 結論:不要です。Googleは「AI機能への表示に特別な最適化は不要」と公式に述べており、LLMs.txtのようなファイルも「Google検索では使用されない」と明言しています。従来のSEOの土台の上に、一次情報の言語化を積み上げることが正解です。

Q. これまで取り組んできたSEOは無駄になりますか?

A. 結論:なりません。AIは検索インデックスから情報を取得して回答を作るため、検索に評価されることがAI引用の第一関門です。Googleも「生成AI検索でもSEOは有効」と明言しています。SEOは土台として、これまで以上に重要です。

Q.AIに引用されると、問い合わせは本当に増えるのですか?

A.結論:流入の量は増えないことが多いものの、質が変わります。AIの要約を読んだ上で訪れる見込み客は検討度が高く、指名での相談につながりやすくなります。量から質への転換と捉えてください。 結論:価格しか判断軸がなければ失注します。だからこそ、商談の前段階で価格以外の判断軸を相手の頭の中に作っておくことが重要です。判断軸が増えれば、価格は決定要因の一つに過ぎなくなります。

Q. 知名度のない中小BtoB企業でも、AIに引用されますか?

A. 結論:可能です。AIが引用する理由は知名度ではなく、その会社しか語れない一次情報(実体験・事例・製法など)の有無です。一般論では大手や大型サイトに敵いませんが、独自の経験の言語化なら、規模に関係なく勝負できます。

著者・文責 (Author / Responsible for the text)

平松誠一 (Seiichi Hiramatsu)

NTTドコモ出身。在籍時は一貫して広告宣伝・マーケティングに携わる。 1996年NTTドコモを退社。独立後の現在、企業ブランディング支援会社の株式会社ベレネッツの代表取締役。
ドコモ時代は、その潤沢な広告予算で業界TOPを突き進むことができると思っていたところ、はるかに広告投資額の少ないNCC(新たに参入してきた携帯電話、ポケットベル業者)にボロ負けし、その結果から「これからの時代、ブランドの支持を得るには押し込むようなPUSH的戦術やマス媒体での広告戦術は効果なし」との認識を持つ。
以降はこれらの手法を反面教師とし、「引き寄せる」+「再現性のある」ブランディング+マーケティング事業に25年間以上携わっている。
重要なことは、ブランディングはロゴを作ったり、イメージチェンジをすることではなく、ターゲット層に刺さる認識を構築することだと考える。

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