「CI作成はブランディング・ブランド構築の観点で」の10回目です。前回はGAPのロゴ変更の話題を取り上げ、CI戦略の難しさについてお話しましたね。
今回もまた、最近ロゴを一新して世間から注目を浴びた企業のCI戦略についてお話をするのですが、今回の事例はGAPのそれとは異なる結末を迎えます。
コーヒーチェーン店として馴染み深いスターバックスは、2011年1月にロゴを一新し、話題となりました。
私たちもよく見慣れた、変更以前のロゴマークというのは、こちら。
新しいロゴを旧ロゴと比べると、人魚の周りを囲んでいる「STARBUCKS」・「COFFEE」の文字が消去されていることに気付きます。
新ロゴが発表された際、否定的な意見がネット上などで多く挙がったのは、GAPの新ロゴ騒動の時と同様でした。
しかし、スターバックスは公式サイトでロゴ変更の意図を説明しましたし、また同時にCEOであるハワード・シュルツのビデオメッセージも公開しました。そこには、消費者にも伝わるハッキリとしたCI戦略が見て取れたのです。
この点が、GAPの新ロゴ騒動時との違いであり、結果、スターバックスはロゴを元に戻すこともなく、新ロゴは徐々に浸透していくこととなりました。
消費者が企業のロゴに対してどういったイメージを抱いているかを理解し、その点への対策を練った末でのCI戦略が必須である、ということですね。