ビジネスネタ
昔の新聞販売店がやっていたマーケット分析とは
投稿日:2018-06-20 更新日:
今のことは知りませんが、
携帯電話やPCが普及する前後の時代の
新聞販売店のマーケット分析について
今回はお話したいと思います。
そんな昔のこと役に立つのかと
思われるかもしれませんが、
本質的なところは今だに変わって
いないと思っています。
昔の新聞販売店がやっていた
マーケット分析は、
3C分析の簡易版です。
3C分析とは、
Customer:市場・顧客
Competitor:競合
Company:自社
の頭文字をとっていて、
この3つの視点から、自社が置かれて
いる状況をできる限り正確に理解する
ために分析する方法です。
とはいえ、今回お話するのは、
本来の3C分析で解説されている
内容とは少し違います。
もっと簡易的なものです。
昔の新聞販売店でやっていた
簡易版3C分析は以下のような
ものです。
①Customer:市場・顧客
・販売店の担当エリアにどんな層の人が住んでいるか?
・総世帯数は何件か?
・何件が自社の販売店が配達しているのか?(月次)
これが一目でわかるものがあります。
住宅地図です。
住宅地図は、集合住宅を除いて、
一軒家は世帯主の名前が記載されて
います。
この住宅地図を購入して、販売店
のエリアを囲み、その中で色鉛筆
を使って販売店が配達している
(契約している)家を塗りつぶし
ます。
マンションは、1件でも契約が
あれば1棟でも塗りつぶしますが、
マンション毎の契約状況がわかる
地図も別途作成します。
そうすると、
ビジュアルで、契約できている
家とできてない家がわかります。
また、
エリアとして、契約が多くできて
いるエリアとできていないエリア
も分かります。
②Competitor:競合
同じく住宅地図を使って、競合の
販売店が配達している家を自社とは
色違いで塗りつぶします。
また、競合の販売店の配達員の
中継地点も書き込みます。
新聞配達は、一度にすべての
配達部数を自転車やバイクに
乗せることが不可能なので、
配達ルートの途中に1~2ヶ所、
中継地点を設けて、そこに次の
中継地点までの新聞を置いて
おくことをしています。
出発A(販売店)→B(中継地点)→C(中継地点)→A終了(販売店)
最初はA→Bまで配達する。
B地点に来たら、そこに置いて
あるC地点まで配達する新聞を
載せて配達し、C地点にきたら・・
という感じです。
中継地点がわかることで、
競合の配達ルートの推定と配達件数の
推定ができます。
あとは、
競合の販売店が契約している家の
契約状況です。
いつからいつまでの何か月契約なのか
を把握します。
どうやって把握するのか?
直接その家に営業にいって聞き出す
のです 笑
③Company:自社
新聞販売店にとっては(これは
どの企業もそうですが)、
契約は命です。
新聞の契約は最長で1年間で、
最短だと1ヶ月というのもあります。
3ヶ月 or 6ヶ月が一番多いです。
基本的に契約期間が短いので、
常に継続契約のための働きかけを
する必要があります。
また、競合の販売店も、当然、
ライバルの販売店の契約状況を
把握しているので、
お互いがそれぞれ他社の契約
状況を把握している中で、
契約を獲得する必要があり、
激烈です。
新聞に書いてある内容は、
一般の人にとってはほとんど
変わらないと思われるので、
契約のために、競合の販売店と
差別化できるポイントは3つ
しかありません。
◆新聞が役に立つことを訴える
例えば、朝日新聞は天声人語が
大学の入試問題に使われるケース
が多いので、お子さんがいる家
には受験に強い朝日新聞という形
で訴えます。
正直、天声人語を使った問題が
多く出題されていることと、
受験に強いがどう結び付くのか
まったく分かりませんが 笑
◆景品で釣る
たいていの販売店はこちらで
勝負しています 笑
例えば、読売新聞であれば
巨人戦のチケットがあります。
朝日新聞だと、展示会や映画の
チケットがあります。
そして、どの販売店にも共通
しているのが洗剤です。
3ヶ月の契約をとるのに
5~6箱の洗剤を渡すことも
ありました。
◆拡張に強い助っ人を頻繁に使う
販売店の配達員は、契約があまり
得意ではない人の方が多いです。
そのため、継続契約で手間取って
いるところの契約+新規顧客開拓
を強化するために、外部から助っ人
を呼んで仕事をしてもらうことが
頻繁にあります。
新聞販売の世界には、拡張団と
いう、新聞の新規顧客開拓を専門
にしている集団(会社)があるの
です。というか、あったのです。
今でもあるのかはわかりませんが。
新聞はインテリが作ってヤクザが
売るといわれていた時代がありま
したが、
この「ヤクザが売る」のところは、
拡張団の一部のことを指します。
どの世界にも伝説の人はいるのです
が、拡張団にも伝説の人がいて、
この仕事だけで家を2軒建てた人が
いました 笑
いかがでしょう?
新聞販売店なんて、決まったところに
配っているだけと思っていた方も多いか
と思いますが、
簡易でありますが、分析を徹底して
行っていて、分析結果を元に対策を
立てて実行しているのです。
時間がきてしまったので、
今日はここまでにします。
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