今日は、BtoBビジネスにおける商品やサービスの「値付け」についてです。
値付けをする際には、さまざまな角度から検討します。
商品やサービスの供給側の事業採算性や利益率等はもちろん、顧客が「コスパがよい」と感じられることも、改めてここで述べるまでもなく重要です。
ただ、BtoBビジネスでの商品・サービスの値付けをする際には、検討するべき重要な観点がまだあるのです。
知っているのと知っていないのとでは大違いです。
なんだと思いますか?
答えは、「100万円の壁」です。
直観的に「ああ、あのことだな」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、???と思われた方は、ぜひこの機会に知っていただければと思います。
売上高数億円以上で組織体制がきちんと構築されているような企業の場合、だいたいの目安として、部長の決済金額の上限が100万円のところが多いです。
つまり、商品やサービスが100万円以下であれば部長決済で済むので、部長が了承すれば、商品やサービスが購入されることになります。
100万円を超えると、部長の上の役職(例:本部長、役員)の方が決済することになるので、購入してもらうためのハードルが一段上がります。
商品やサービス内容的に部長クラスで購入判断ができるものなのに、値付けが100万円超だったために本部長や役員に話を持っていかなければならず、立ち消えになることが少なからずあります。
組織体制が整っていないところはほぼ社長決裁になるのですが、実はここでも100万円を境に、商品・サービスが100万円を超えると購入に対する心理的なハードルが一段高くなる傾向があります。
決済金額の上限に関してはもちろん例外も多いのですが、見込み客の商品・サービスの購入マインドが、100万円が境にハードルが一段上がることは、これまでの経験上、ほぼ間違いありません。
別の視点から言うと、100万円までは商品・サービスを購入する心理的なハードルはあまり変わらないとも言えます。
自社の商品・サービスが、ターゲット(顧客候補)の企業の「どの部門」だけでなく、「どの層に対して=経営層なのか、部長クラスなのか、課長クラスなのか」アピールするものなのかについてもしっかり検討しておくことは重要です。